【プレスリリース】非アルコール性脂肪肝炎の新たな治療薬への期待!

研究成果の概要

 肝臓の病気というと、お酒(アルコール)の関与を多くの人が考えると思います。しかし、現在、お酒をほとんど飲まない人に起こる脂肪肝が増加しており、肝組織に炎症を伴う状態を非アルコール性脂肪肝炎 (NASH)と言います。NASHは、肥満や糖尿病などの生活習慣病を合併している場合が多く、「生活習慣病の肝臓への反映像」とも呼ばれており、国内で100万人に達するとの報告もあります。また、NASHが進行すると肝線維化や肝硬変、肝がんのリスクが高まることが分かっておりますが、NASHの有効な薬物療法は未だ確立されておりません。このことから、NASH進展に関わる分子の発見や治療薬の開発が切望されております。

 福山大学薬学部の本田真知子助手と今重之教授らの研究グループは、自己免疫疾患に関与する分子であるオステオポンチンが、NASHマウスで発現が亢進することを見出しました。そこで当研究室ではオステオポンチン機能を効果的に阻害できる抗体を作製し、本抗体を用いることでNASH進展に伴う肝臓内への炎症細胞の浸潤や線維化を有意に阻害することに成功しました(下図)。今回作製した抗体は、ヒトオステオポンチン機能も阻害できる能力も有することから、今回使用した抗体はヒトNASHの治療薬への効率的な抗体医薬への応用が可能になると期待できます。

 本研究は、科学研究費補助金などの助成を受けて実施されました。

■論文発表の概要

・研究論文名:Neutralizing antibody against osteopontin attenuates non-alcoholic steatohepatitis in mice. 

(オステオポンチンに対する阻害抗体は、非アルコール性脂肪肝炎の増悪化を抑制する)

・公表雑誌:Journal of Cell Communication and Signaling

・公表日: 2020年2月16日(日曜日)(オンライン公開)

 


☆本件に関するお問い合わせ先☆

【担当者】今 重之(こん しげゆき) (薬学部教授)

【電話番号】084-936-2112(内線5255) 【FAX】084-936-2024

【E-mail】kon@fukuyama-u.ac.jp