【☆学長短信☆】No.103『地域の未来を創る「未来創造人」になろう!』

4月3日、今日は、入学式でした。満開の桜のトンネルとすばらしい晴天が、歓迎の横断幕と共に新入生を迎えました。入学生に対して、期待を込めて、次のような告辞を述べました。

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新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。ようこそ福山大学においでくださいました。福山大学教職員一同、そして在学生一同、このように大勢の新しい仲間を迎えることが出来たことをこころから喜び、こころから歓迎します。また、ご臨席のご家族の皆様には、ここまで大切に育てて来られたお子様方の、次の成長の場として福山大学を選ばれたことに対し、こころより感謝申し上げます。新入生とそのご家族の皆様のご期待に十二分に応えて、これから卒業までの期間、新入生の皆さんの広範な人間形成に向け、教職員一同全力を挙げて取り組む所存です。ご家族の皆様には、引き続いての物心両面でのご支援を、よろしくお願いいたします。
さて、新入生の皆さんは本日福山大学に入学しましたが、ここで何をどのように学びますか。今、日本はグローバル化の波にさらされ、少子超高齢化による人口減少、とりわけ生産人口の急減に直面し、今後どのように豊かで持続可能な社会を成り立たせていくのかという大きな課題を突きつけられています。また取り巻く世界を見れば、民主主義の根底にあるべき寛容の精神が失われる方向にあるのではないかと危惧されますし、幾何級数的に進歩するコンピュータ技術も、人々に多様な恩恵をもたらす一方で、コンピュータウイルスやサイバーテロといった新たなそして強大な脅威を、人工的にもたらしています。
このような社会全体の傾向は一時的なものとは考えがたく、皆さんが本学で学び、卒業して、社会で活躍する間にも、一層強くなる可能性があります。人間社会の進歩、すなわち多くの人が物質的にも精神的にも豊かになり、かつ多様な価値観を人々がお互いに尊重して共に生きていくというような社会は、社会を担う人々のたゆまぬ努力と協力がなければ、すぐに後退するのです。多くの若者が大学へ進学する時代になったとはいえ、まだまだ高校生の半数しか大学に進学しない現在、こうして福山大学に入学した皆さんは、社会全体に対しても責任を果たすべき立場におかれることを自覚して、しっかり学び、意義深い大学生活を送ってほしいと思います。
さて、福山大学は、1975年に開学し、卒業生総数は約35,000人で、その中から備後地域を中心に、全国の様々の地域や組織でリーダーや中核となる人材を数多く輩出しています。創設者による建学の精神は「地域社会に広く開かれた大学として、学問のみに偏重するのではなく、真理を愛し、道理を実践する知行合一の教育によって、人間性を尊重し、調和的な人格陶冶を目指す全人教育」です。この精神に基づき、現在はさらに「地域の中核となる幅広い職業人の育成」をミッションとし、地域を愛し、地域で活躍し、地域から国際社会につながって、地域の未来を創る「未来創造人」の育成を目指しています。自分の育った地域、学ぶ地域、仕事をする地域、それぞれの地域にしっかり関わり、地域の人々、企業、自治体と協力して、それぞれの地域の活性化に力を発揮する、そのような有為な人材に育っていただきたいと期待しています。ちなみに、2019年4月着工、2020年12月竣工予定の11階建ての薬学部を中心とした新棟の名前は、「未来創造館」です。

これまで福山大学は、地域貢献を目標に地域と連携した研究実績やステークホールダーとの協力と信頼関係を永年積み重ねてきましたが、現在これらをベースに、持続可能な地域社会の構築に向けての研究プロ
ジェクト「瀬戸内の里山・里海学」を立ち上げ、全学を挙げて取り組み、これを福山大学ブランドとして確立したいと努力しているところです。どの学部・学科でも「瀬戸内の里山・里海学」に様々な側面から様々なアプローチをしていますので、皆さんも入学後は、このような研究活動にも、機会を捉えてアクティブに参加し、地域と共に生きることを肌で感じながら学ぶ経験をしていただければ、と思います。
福山大学はまた、人文社会系、理工系、医療系とそろった広島県東部では唯一の総合大学です。5学部14学科、大学院4研究科11専攻あります。総合大学の利点を生かし、多様な学びと多様な交友関係の中で、アクティブに日々を過ごしてください。そして、困難な問題の多いであろう社会に卒業後は出て行くことを考えれば、皆さんが選んで入学してきた学部・学科の提供する専門的知識と技能はもちろん、情報リテラシーや語学力のような現代的教養も、課題発見力、課題解決力、感情統制力、コミュニケーション力、他者と共生する力といった汎用性のある力も、さらに責任感、協調性、倫理観というような態度までも、学び、幅広い視野を身につけてください。すなわち建学の精神である「全人教育」です。このような汎用的能力と強みとなる専門性とを合わせて自分のものとする上でも、先に述べた研究プロジェクトに代表されるような大小様々の課題解決学修の場を大学は用意していますので、積極的に参加して学んでください。大学という学びの場は、あなたにその意欲があれば、もっとも幅広く柔軟な知力と人間性に満ちた態度を身につけることの出来る場です。そしてそのような大学の学びが、皆さんの未来を創り、社会の未来を創るのです。
以上、学び方も学ぶ内容も、高校時代の延長ではなく、未来を見据えながら新しい挑戦として、少しがんばって豊かな大学時代を過ごされることを心から期待し、そして私達教職員は、皆さんが誇りと自信を持って卒業できるように、日々の学びを惜しみなく支援することをお約束して、入学式告辞とします。

平成30年4月3日
福山大学 学長 松田文子
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学生の活躍です。
(1)第14回ACジャパン広告学生賞のCM部門と新聞広告部門において、メディア・映像学科の学生が、それぞれ奨励賞を獲得しました。おめでとうございます。
テレビCM部門 奨励賞 タイトル「水質汚濁」:市山 結実、柿本 正司、澤田 頌太、三藤 奈央、李 迪(メディア・映像学科(現)4年生)
新聞広告部門 奨励賞 タイトル「理想と現実」:柿本 正司(メディア・映像学科(現)4年生)
詳細はいずれ学長室ブログで。とりあえず受賞作品一覧へのリンクは、こちら。
テレビCM部門
https://www.ad-c.or.jp/campaign/cm/winners/tv/index.html
新聞広告部門
https://www.ad-c.or.jp/campaign/cm/winners/np/index.html
毎年のことですが、福山大学以外の受賞大学は殆どが美術系・造形系の大学です。そのような状況の中で、メディア・映像学科では、メディア情報文化学科の学科名称の頃から、10年連続で賞を獲得しており、すばらしいことです。

次は、国際交流関係のお知らせです。
(2)3月23日、本学協定校であるカリフォルニア大学リバーサイド校(UCR)との間で「未来創造奨学金(Shaping Your FUTURE Scholarship)」の創設に関する調印式を行いました。TOEIC成績等により選抜された本学学生は、奨学金を得てUCRでの英語研修に参加することが可能になりましたので、多くの学生にチャレンジしてもらいたいと思います。
詳細は、学長室ブログで。

カリフォルニア大学リバーサイド校と共同奨学金プログラムをスタート!

最後は、年度初めのお知らせ2件。
(3)今年度も、福山市キャンパスメンバーズ制度に、学校法人福山大学は加入しています。ふくやま美術館、ふくやま書道美術館、ふくやま文学館、福山市立福山城博物館、福山市鞆の浦歴史民俗資料館、福山市神辺歴史民俗資料館、菅茶山記念館、福山市しんいち歴史民俗博物館、福山市人権平和資料館で開催される展覧会(常設展・特別展)のすべてについて、学生及び教職員が、学生証及び教職員証で何回でも制限なく無料で鑑賞できます。教育、研究、学生活動に、活発に利用しましょう。
(4)福山大学は、研究・教育への寄付金の募集を行っています。地域の企業様や個人の方にも、内容に興味を持っていただけましたら、ご協力いただければ幸いです。申し込みサイトはホームページにあります。
http://www.fukuyama-u.ac.jp/kikin/