【☆学長短信☆】No.121「アサーション~よりよい人間関係を作るためのコミュニケーション~」

 まもなく夏休みが終わり、また学生が戻ってきて、一気にキャンパスが賑やかになりますね。でも、戻りにくい気分の学生もいるかもしれません。理由を尋ねても、余りはかばかしい返事が得られないこともあるでしょう。今回は、保健管理センターのカウンセラーの松本明生准教授からの、言いたいことがなかなか言えない学生への呼びかけです。教職員の方にも役立ちそうです。

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 言いたいことを我慢していませんか。「自分の感じていることを言いたいけど、笑われるかもしれないから言えない」、「こんなことはしたくないけど、『したくない』と言うと、変なやつと思われてしまうから、言えない」と、言いたいことを飲み込んで、やりたくないことを皆に合わせてやって、それでストレスを感じている、ということはないでしょうか。今回は、こういうことに対して、どう対応したらよいのか、どうコミュニケーションを取ったら良いのかについてお話しします。

 アサーションという考え方は、その答えの一つになるでしょう。臨床心理学の領域では、アサーションは「相手にも敬意を示しながら、自分の意見もはっきり表明すること」を意味します。例えば、相手から無理な要求やお願いをされてしまい、それに対して怒りを感じているとします。この場面で、もめ事を避けるために何も言わなかったり、また怒りに任せて言い返したりといったやり方は、好ましいコミュニケーションとは言えないでしょう。アサーションの観点からは、相手の立場(なぜこのようなことを言ってきたのだろうか)を考え、それを十分に理解して、その人の立場にも配慮しながらも、自分の立場をはっきりと伝えるようなコミュニケーションが望まれます。たとえば、「申し訳ありませんが、それを引き受けるのは○○の理由で難しいです。△△のようなやり方なら可能かと思うのですが、どうでしょうか」と言うような発言です。このような発言を、日常的にごく自然に行うことができれば、コミュニケーションも爽やかになり、豊かな人生につながりやすいと思いませんか。
 このような発言を日常的に自然に行えるようになるための訓練は、アサーション・トレーニングと呼ばれ、これまでの学長短信で何度か触れてきた認知行動療法の一つです。アサーションができるように模擬場面で練習してみたり、実際の場面でそれを試してみたり、アサーションを妨げる自分の考え方(認知)をチェックしてみたりする心理学的なトレーニングです。人間関係をより爽やかに、人生をより豊かにするために、自分のコミュニケーションやアサーションについて考えてみたい方は、ぜひ学生相談室をご利用ください。

 相談予約はメールで受け付けています。アドレスは
soudan@fukuyama-u.ac.jp
今年の4月から学生相談室のメンバーが一部変わりました。私と2人の非常勤の女性カウンセラー(園畠カウンセラー:火曜日勤務、谷本カウンセラー:水曜日勤務)の3人体制です。相談予約をお待ちしています。

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 松本カウンセラーには、これまでも学長短信No.83、No.87、No.93、No.105で、私たちのものの見方、考え方のクセやそれが心に及ぼす影響、あるいはそれに対する対処法などを語っていただいています。参考にしてください。
No.83 http://www.fukuyama-u.ac.jp/rector-statements/entry-3825.html
No.87 http://www.fukuyama-u.ac.jp/rector-statements/entry-4042.html
No.93 http://www.fukuyama-u.ac.jp/rector-statements/entry-4402.html
No.105 https://www.fukuyama-u.ac.jp/news/3813/

学生と教員の協力による、すばらしい活躍です。
(1)経済学科4年の河本直希君と3年の森川貴博君が、日本スポーツ産業学会第28回大会へ藤本倫史講師と藤本浩由講師とともに参加し、4名で学会の企画コンペのアイデアコンペ・ポスター発表に応募して入選しました。おめでとうございます。
詳細は、学長室ブログで。

【経済学科】日本スポーツ産業学会2年連続コンペ入選!&スポーツマネジメントコース学生の活動報告