【☆学長短信☆】No.116君たちが未来を創る!

4月3日、今日は、入学式でした。満開の桜のトンネルとすばらしい晴天が新入生を迎えました。入学生に対して、期待を込めて、次のような告辞を述べました。

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新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。ようこそ福山大学においでくださいました。福山大学教職員一同、そして在学生一同、このように大勢の新しい仲間を迎えることが出来たことをこころから喜び、こころから歓迎します。また、ご臨席のご家族の皆様には、ここまで大切に育てて来られたお子様方の、次の成長の場として福山大学を選ばれたことに対し、こころより感謝申し上げます。新入生とそのご家族の皆様のご期待に十二分に応えて、これから卒業までの期間、新入生の皆さんの広範な人間形成に向け、教職員一同全力を挙げて取り組む所存です。ご家族の皆様には、引き続いての物心両面でのご支援を、よろしくお願いいたします。
さて、新入生の皆さんは本日福山大学に入学しましたが、ここで何をどのように学びますか。今、日本はグローバル化の波にさらされ、少子超高齢化による人口減少、とりわけ生産年齢人口の急減に直面し、今後どのように豊かで持続可能な社会を成り立たせていくのかという大きな課題を突きつけられています。また取り巻く世界を見れば、民主主義の根底にあるべき寛容の精神が失われつつあるのではないかと危惧されますし、幾何級数的に進歩するコンピュータ技術も、人々に多様な恩恵をもたらす一方で、コンピュータウイルスやサイバーテロといった新たなそして強大な脅威を、人工的にもたらしています。また、皆さんの中には、人工知能AIのシンギュラリティという言葉を耳にした人もいるかと思いますが、遠からずAIの能力が多くの分野で人間を超える時が来る、とも言われています。
こうした時代の変化に、柔軟に対応できる能力を身に着ける場所、それが大学なのです。多くの若者が大学へ進学する時代になったとはいえ、まだまだ高校生の半数しか大学に進学しない現在、こうして福山大学に入学した皆さんは、社会全体に対しても責任を果たすべき立場に近い将来おかれることを自覚して、しっかり学び、意義深い大学生活を送ってほしいと思います。
さて、福山大学は、1975年に開学し、卒業生総数は約36,000人で、その中から備後地域を中心に、全国の様々の地域や組織でリーダーや中核となる人材を数多く輩出しています。創設者による建学の精神は「地域社会に広く開かれた大学として、学問のみに偏重するのではなく、真理を愛し、道理を実践する知行合一の教育によって、人間性を尊重し、調和的な人格陶冶を目指す全人教育」です。この精神に基づき、現在はさらに「地域の中核となる幅広い職業人の育成」をミッションとし、地域から国際社会につながって、地域の未来を創る「未来創造人」の育成を目指しています。
これまで福山大学は、地域貢献を目標に地域と連携した研究実績やステークホールダーとの協力と信頼関係を永年積み重ねてきましたが、現在これらをベースに、持続可能な社会の構築に向けての研究プロジェクト「瀬戸内の里山・里海学」を立ち上げ、全学を挙げて取り組み、これを福山大学ブランドとして確立したいと努力しているところです。どの学部・学科でも「瀬戸内の里山・里海学」に様々な側面から様々なアプローチをしていますので、皆さんも入学後は、このような研究活動にも、機会を捉えてアクティブに参加し、地域から世界につながることを肌で感じながら学ぶ経験をしていただければ、と思います。
福山大学はまた、人文社会系、理工系、医療系とそろった広島県東部では唯一の私立総合大学です。5学部14学科、大学院4研究科11専攻あります。総合大学の利点を生かし、多様な学びと多様な交友関係の中で、アクティブに日々を過ごしてください。そして、困難な問題の多いであろう社会に卒業後は出て行くことを考えれば、皆さんが選んで入学してきた学部・学科の提供する専門的知識と技能はもちろん、情報リテラシーや語学力のような現代的教養も、課題発見力、課題解決力、感情統制力、コミュニケーション力、他者と共生する力といった汎用性のある力も、さらに責任感、協調性、倫理観というような態度までも学び身につけてください。1、2年次生用に幅広く用意している教養教育科目が、とりわけ役に立つでしょう。また、このような汎用性のある教養と強みとなる専門性とを合わせて自分のものとし、さらにそれらの活用力を高めるためには、先に述べた研究プロジェクトに代表されるような大小様々の課題解決学修、さらに海外研修やインターシップ等への参加が有効です。大学という学びの場は、あなたにその意欲があれば、もっとも幅広く柔軟な知力と人間性に満ちた態度を身につけることの出来るところです。そしてそのような大学の学びが、皆さんの未来を創り、社会の未来を創るのです。
以上、学び方も学ぶ内容も、高校時代の延長ではなく、未来を見据えながら新しい挑戦として、少しがんばって豊かな大学時代を過ごされることを心から期待し、そして私達教職員は、皆さんが誇りと自信を持って卒業できるように、日々の学びを惜しみなく支援することをお約束して、入学式告辞とします。

平成31年4月3日
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学生の活躍です。
(1)第15回ACジャパン広告学生賞・テレビCM部門において、メディア・映像学科の学生が奨励賞を獲得しました。タイトルは「好きなもの」。制作者は、新田るみこ(4年生)、川塲勇那(3年生)、陳柏樺(3年生)、三好紘平(4年生)の4人の学生さんです。おめでとうございます。詳細はいずれ学長室ブログで。
今回は奨励賞1件にとどまりましたが、福山大学以外の受賞大学は殆どが美術系・造形系の大学であり、そのような状況の中で、メディア・映像学科(メディア情報文化学科を含む)では11年連続受賞となっており、“快挙”というべきでしょう。
受賞作品一覧(テレビCM部門)は、こちら。
https://www.ad-c.or.jp/campaign/cm/winners/tv/index.html

年度初めのお知らせ3件。
(2)学校法人福山大学の研修所「中村寮」が東村町に開設されました。学生(学友会活動、ゼミ活動など)、教職員共に利用可能です。宿泊も出来ます。利用希望の際は、施設利用願いを学部事務に提出してください。
寮の詳細は学長室ブログで。
https://www.fukuyama-u.ac.jp/blog/11284/

(3)今年度も、福山市キャンパスメンバーズ制度に、学校法人福山大学は加入しています。ふくやま美術館、ふくやま書道美術館、ふくやま文学館、福山市立福山城博物館、福山市鞆の浦歴史民俗資料館、福山市神辺歴史民俗資料館、菅茶山記念館、福山市しんいち歴史民俗博物館、福山市人権平和資料館で開催される展覧会(常設展・特別展)のすべてについて、学生及び教職員が、学生証及び教職員証で何回でも制限なく無料で鑑賞できます。教育、研究、学生活動に、活発に利用しましょう。
(4)福山大学は、研究・教育への寄付金の募集を行っています。地域の企業様や個人の方にも、内容に興味を持っていただき、ご協力いただければ幸いです。申し込みサイトはホームページにあります。
http://www.fukuyama-u.ac.jp/kikin/