学部・学科・大学院

海洋生物科学科

高村 克美(たかむら かつみ)

職 名 教授
学 位 博士(理学)
専門分野 発生生物学
担当科目 海洋動物分類学、海洋動物発生学、生物学I、水生観賞生物の分類と飼育、動物組織学など
メッセージ 当研究室は主に海産無脊椎動物の生活史について研究しています。特に最近では、一生の間に無性世代(ポリプ)と有性世代(クラゲ)が交代するクラゲを使って、ポリプからどのようにして雌雄のあるクラゲができるのか、その誘導条件やそれにともなう体内の変化を調べています。

クラゲの変態過程の解明

刺胞動物のクラゲは、イソギンチャクのようなポリプ世代と、浮遊生活を送るクラゲ世代が一生の間に交代するという不思議な生活をします。我々は、ポリプ型からクラゲ型への転換にどのような要因が影響するかをミズクラゲのポリプを飼育して調べています。またクラゲの雄と雌がいつどのようにして決まってくるのかも調べようとしています。 最近では淡水産の珍しいクラゲであるマミズクラゲがいつどこでどのように発生するのかその解明にも着手し始めました。

マミズクラゲの成体

海産無脊椎動物の生殖細胞系列の解明

いろいろな動物の生殖細胞で特異的に発現するvasa遺伝子およびそのタンパク質産物の発現パターンを指標として、上記のクラゲ以外にも、海綿動物、扁形動物、節足動物、棘皮動物などの生殖細胞が、いつどこからできてくるのか探ります。現在この方法で原索動物カタユウレイボヤの生殖細胞系列を世界で初めて明らかにしました。また、生殖細胞の成熟過程を追跡することにより、各動物の雌雄分化のタイミングやメカニズムを明らかにします。

ホヤ尾芽胚でのvasaの発現