学部・学科・大学院

海洋生物科学科

Department of Marine Bio-Science

海洋生物科学科×SDGs

SDGs(持続可能な開発目標)とは国連サミットで採択された持続可能な世界を目指す国際目標です。海洋生物科学科では人と自然が調和する持続可能な社会への貢献を教育目標の1つとしており、それに向けた海の生物や生態系の保全や持続的利用に関する教育研究活動にも取り組んでいます。
ここでは、私たちのSDGsに関連する取り組みの例を紹介します。

新しい活魚輸送技術の開発で、海の水産資源の安全安価な利用に貢献
SDGs 14 海の豊かさを守ろう

魚は私たちの食生活に欠かせない食材のひとつです。近年は鮮度に対する意識の高まりから、魚を生きたまま提供する「活魚輸送」へのニーズが高まっています。しかし、現行の輸送方法では活魚輸送車などの専用の設備や大量の海水を必要とするためにコストが高くなってしまうという問題があります。
私たちは、高級魚キジハタ(アコウ)を対象に、冷却海水を用いる寒冷麻酔法によって魚を眠らせることで、麻酔剤や海水を必要としない活魚輸送技術の開発を行っています。

瀬戸内海を代表する高級魚キジハタ

キジハタの寒冷麻酔実験に取り組む学生

こうした効率的な活魚輸送技術は、食の安全を担保し、かつ余分なコストを軽減することで水産資源の適正な利用につながり、SDGs「14 海の豊かさを守ろう」に貢献します。

アマモ場の再生でカーボンニュートラルに貢献
SDGs 13 気候変動に具体的な対策を、14 海の豊かさを守ろう

現在日本では、気候変動対策として温室効果ガスの実質排出量ゼロを目指すカーボンニュートラルの実現が課題となっています。
海の生物によって取り込まれる炭素はブルーカーボンと呼ばれ、その中でも海藻や海草がつくる「藻場」は、二酸化炭素を直接吸収して貯留する場として注目されています。

ブルーカーボンの1つとして注目されるアマモ場

瀬戸内海の穏やかな海岸には砂泥地が広がり、海草アマモによる「アマモ場」がよく発達します。しかし、開発や環境悪化によって、瀬戸内海のアマモ場は減少してきました。 私たちは地元の企業と連携して、2022年から因島でアマモ場を再生する研究をスタートさせました。アマモを良好に生育させるために底質を安定化する技術や、アマモの生長を促進する技術の実証実験に取り組んでいます。

学科教員・学生と企業による現地作業の様子

設置したアマモ場実験区

こうした藻場のブルーカーボン研究は、SDGs「13 気候変動に具体的な対策を」、「14 海の豊かさを守ろう」の貢献につながります。