生命工学部

Faculty of Life Science and Biotechnology

【生物科学科】西日本産‘ニューベリーA’の着色改善に向けた栽培研究、The Horticulture Journalに掲載

生物科学科醗酵科学研究室で修士号を取得した近藤寿さんの論文が園芸学会の英文誌The Horticulture Journal 94巻2号(2025年)に掲載されました。

この論文は福山市の特産品である生食用ブドウ‘ニューベリーA’(‘マスカット・ベーリーA’を無核化処理して流通したもの)において、近年の地域の温暖化などに起因すると考えられる果実の着色不良を効果的に改善する栽培技術を示したものです。

着色不良による商品価値の低下という課題に直面する農家にとって、本研究は実用性の高い指針を提供します。また、日本を代表する赤ワイン用品種‘マスカット・ベーリーA’のバリエーションの一つとして、‘ニューベリーA’をワイン原料に活用することで、新たな味わいの可能性を拓くことにも言及しています。

人工的に夜間温度を25℃以上に維持し着色不良を誘発した条件下で、天然型アブシジン酸(S-ABA)処理すると‘ニューベリーA’の色調が顕著に改善

近藤さんは当時、広島県立沼南高校園芸デザイン科の教諭で、ブドウ栽培の指導をしながら、社会人大学院生として2017年から3年かけて修士課程を修了しました。その後も研究生として追加実験や論文の執筆を進め、この度ようやく形にすることができました。

大学院生として4年生に実験指導をする近藤さん(当時)

現在は沼南高校を定年退職され、県立広島大学(庄原キャンパス)において非常勤講師および専門技術スタッフとして活躍中です。本学で学んだ知識を生かしてさらにステップアップされていることを、私たちも大変嬉しく思っています。(文責:吉崎隆之)

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