経済学部

Faculty of Economics

【国際経済学科】2025年度バリ島研修レポート

【国際経済学科】2025年度バリ島研修レポート

国際経済学科ブログメンバーの足立です。今年の夏もバリ島研修を実施しました。日本より涼しかったという赤道直下のバリ島での研修内容を、引率の佐野講師にレポートしてもらいます。

 


 

ケンケンカバレー?(バリ語でお元気ですか)経済学部国際経済学科の佐野です。今年度のバリ島研修は、8月下旬から10泊12日間で実施し、15名の学生が参加しました。今回の研修では、経済学部以外に人間文化学科心理学科海洋生物科学科の学生や留学生も参加し、多様なメンバーとなりました。研修の様子を写真とともにお伝えします。

本研修では、マハサラスワティ大学の日本語や英語を学んでいる学生がバディとして参加し研修を進めています。研修初日には、まずバリ島の地理や歴史、バリ島の習慣を学びます。バリ島ではヒンドゥー教徒が住民の大多数を占め、島中のいたるところにその文化を見ることができます。ヒンドゥー教といえばインドが代表的ですが、バリヒンドゥー教とは異なる点があるのが興味深いところです。

午後には、さっそく小学校の教室を訪問しました。5つの教室に分かれて、折り紙を一緒に折ったり、日本文化を説明したりしました。どの児童も元気一杯で、そのエネルギーに始終圧倒され大学生メンバーはへとへとになりながら交流を終えましたが、子ども達の笑顔が印象的でした。中には、サイン責めに合う学生も。

 

英語の授業は、普段の生活の中ですぐ使える内容だったのが印象的でした。体も動かしながら様々なフレーズを学んでいました。この日は木曜日で、バリ島の学生は伝統衣装を着て登校します。私たちも、伝統衣装を借りて授業に臨みました。

本学のバリ島研修では、環境ボランティアとして、毎年マングローブの植樹に携わらせてもらっています。地元の漁業組合が、エビの養殖のために伐採を余儀なくされたマングローブを復活させる取り組みを行っております。日本はエビの多くを東南アジアから輸入しており、他人ごとではないと感じました。植樹を行う場所は沼地のため、まずはカヌーで川を進み、そこからカヌーを降りて、膝上ぐらいまで浸かりながら植樹を行っていきます。到着するだけでも大変でしたが、またとない機会を体験することができました。

他の日には、高校へも訪問しました。日本語を勉強しているクラブ活動の生徒さん達とともに、お互いに質問をしあったり、折り鶴を一緒に折ったりしました。中には、日本の大学へ進学を希望している学生もいて、福山大学への進学に関する質問も受けました。

ウミガメの放流活動にも参加しました。ウミガメは世界に7種類いますが、このバリ島には3種類のウミガメが上陸します。地元の活動団体では、ウミガメが砂浜に産卵した卵を保護し、孵化させて、数日ほど飼育したあと海へ放流しています。大きく育つ個体は1%にも満たないそうですが、地道な活動を通してウミガメを増やす活動を行っています。

最終日は国際交流会として、日本からバリ島研修にやって来ていた他大学や受入れ校であるマハサラスワティ大学の学生がお互いに発表を行いました。福山大学からの学生は、英語で大学紹介を行いました。大人数の前で、英語で発表するのは緊張しますが、練習の成果を発揮することができました。

今年度から、マハサラスワティ大学と福山大学の間では短期研修に加えて、長期の交換留学制度がスタートします。さっそくこの後期から、マハサラスワティ大学から2人、福山大学から1人がそれぞれお互いの大学へ留学を行います。研修ではマハサラスワティ大学の学生に毎日のように大変お世話になりました。その恩返しを今度は福山大学の学生が来日留学生2人にすることができたらと思います。

 

以下に、学生からの声を紹介します。

1年生I君「海外へ行くのは初めてで、スリや治安が悪いという先入観がありましたが、コンビニの店員さんや大学の方々が優しく親切でした。現地の人や、晩御飯で隣になった海外の人たちに積極的に話してみました。料理の話や海外生活の話が聞けて、刺激的でした。研修の一環として、お寺に行きました。個人旅行だとまず行こうと思わなかったけど、現地のお祈りを体験してみて、新鮮な驚きがありました。終わってみると短く感じました。次はぜひほかの国にも行ってみたいと思います。」

 

2年生Aさん「1つ目はバリ島の人は病院を滅多に利用しないこと。病院にいる間バディ達とたくさんお話をしましたが、39.0程の高熱が出ても病院を受診せずにずっと家にいることが多いと言っていました。日本ではすぐに受診するのでとても驚きました。また、インドネシアの病院と日本の病院の治療のあり方の違いも感じることができました。日本では病気を治すことを目的に処方箋を出すけれど、インドネシアの病院では病気を治すことを目的にするよりも症状を少しでも軽くして、楽に過ごせるようにすることを目的に処方箋を出しているように感じました。2つ目は第二、第三言語の学ぶ意欲がとてもすごいと思いました。バリ語だけでなく、小学校からインドネシア語を学んだり、英語も喋ったりすることもできるし、学生によっては日本語も習得しているし、バリ島の人はとても勉強熱心な人が多いという印象を受けました。」

 

最後に、本研修では、福山大学、福山大学後援会、福山大学経済学部同窓会から参加学生に対して多大なご支援をいただきました。世界的な物価上昇、航空券価格の高騰などで研修費用が例年になく膨らむ中、参加学生にとって何よりの支援となりました。この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。

 

学長から一言:インドネシアのバリ島にあり、本学の交流協定校のマハサラスワティ大学を拠点とする研修が無事に終了しました。限られた期間でしたが、参加した皆さんはそれぞれ非日常の得がたい経験をたくさんすることができたようです。インドネシアの学生の皆さんとも交流し、すっかり友達になった人もいるでしょう。これを機会に、いっそう国際感覚を身に付け、外国語の学びも深め、さらに世界へ飛躍するための基礎にしてもらいたいものです。

この記事をシェアする

トップへ戻る