学部・学科・大学院

建築学科

山下 敬広(やました たかひろ)

職 名 准教授
学 位 修士(工学)
専門分野 建築設計、建築計画、環境心理・行動学
担当科目 建築製図演習Ⅰ、建築設計演習Ⅰ、建築保存・再生論、建築デザイン論、建築製図演習Ⅱなど
メッセージ 建築やまちは教室では作ることができません。まずはキャンパスから飛び出して、実際の空間を体験・観察しましょう!そこにはたくさんの「人」がいるはずです。「人」を主人公にした建築設計・まちづくりの方法を一緒に考え、楽しみながらこれからの地域で活躍できる建築の専門家を目指しましょう!

人の「体験」を考慮した景観表記方法の開発

町並みを散策するときの魅力は何でしょうか?美味しい食べ物やかわいい土産物を探すことなどたくさんありますが、そのひとつに歩きながら移り変わっていく風景の変化を楽しむことが挙げられます。「人」の移動に伴って目に映る風景は連続的に変わります。このような変化を人の「体験」と捉え、街路ごとに楽譜のように表記することで景観の特徴を把握し、景観整備に役立てる方法を開発しています。全国各地の町並みを、この方法で表記してみよう!と計画しています。

移動に伴う「見え隠れ」の変化が生じる部分(鞆町)

建築・都市・まちの環境と人の心理・行動との関係を解明する

建築・都市・まちには、必ず「人」がいます。使いやすく居心地が良い空間を創るためには「人」について考えることが大切です。右図は待ち合わせによく利用される駅前の像の写真ですが、何の印もないのにほぼ一定の間隔で人が座っています。この現象は「パーソナルスペース」という考え方で説明することができます。このような建築・都市・まちの環境と人の心理・行動との相互的な関係性を解明し、設計やデザインに活かす分野を、環境心理・行動学といいます。より快適な空間を創るため「人」を中心にした設計理論について研究しています。

駅前の桃太郎像での待ち合わせ風景

建築をどのように使いこなすか?保存・再生と活用方法の調査分析

近年、伝統的な建造物や著名な建築家が手がけた建築物が、様々な理由で解体されてしまう事例が見られます。また、地域には、歴史的な価値は認められないものの、文化的な背景を感じられる魅力的な建築物がまだたくさん残っています。それぞれの建築物にはそれぞれの事情があり、やむを得ず解体という選択も当然必要ですが、保存・再生により活用に至った事例を建築的、技術的、文化的、経済的、法的など多角的な観点から調査・分析することで、少しでも地域の建築や文化の継承に役立てることができないか、と考えています。

地域に残る魅力的な建築物(タバコの葉の乾燥小屋)

地域で取り組む建築を活用したまちづくりの支援

利用されなくなった建築物(空き家、店舗、学校、倉庫など)を活用して地域の活性化につなげる動きが増えています。多くの関係者が集まり、様々な意見を出し合うまちづくりでは、どのように効果的に、かつ円滑に意見をまとめていくか(合意形成)が重要になります。特に、建築を活用したまちづくりでは建築の専門知識が必要不可欠になり、これからの地域で活躍する建築の専門家にはこのような場を取りまとめ、支援するスキルを持つことが求められています。建築を通じて「人」と「人」が未来に向けてつながる方法を模索します。

ワークショップの風景