張 楓（ちょう ふう）

職　名	教授
学　位	博士（経済学）
専門分野	日本経済史、日本経営史、地域経済史、比較経済史
担当科目	日本経営史、備後経済研究、備後経済論（備後トーク）、地域調査
メッセージ	地域経済、地域社会再生の必要性が叫ばれて久しいなか、一貫して経済史・経営史研究を通じて地域産業や地域企業の発展のダイナミズムを析出し、それをふまえて地域経済が直面する今日的問題の解決策を展望する方法を重視しています。 Empathy, which means walking in another’s shoes and finding new ways to lighten the steps, is the most important value and the foundation of my work in researching business and economic history, both of which have been shaped by individuals, communities, entrepreneurs, firms, and more. As David Johnston states in his book Empathy (2023, Signal), empathy demands that we see beyond any obvious differences—race, ethnicity, religion, gender—and base our kinship instead on the values and ideals we share. Empathy allows us to fully appreciate our differences and see beyond them.

戦後備後アパレル産地の展開に関する総合的研究

第二次世界大戦後から2010年代までの期間における広島県東部・備後地方（現在の福山市・府中市）に展開するアパレル産業（ユニホーム、メンズカジュアル、婦人・子供服、ジーンズなど）の歴史的展開について、「総合的大産地」とも称される備後繊維産業を支える「川上」（綿糸・合繊糸・化学染料）・「川中」（織物・染色加工・副資材）・「川下」（製造卸・縫製）という構造的特質を重視する視角より産業史・経営史的に考察することにある。

近現代日本ラジコン模型航空機産業の総合的研究

ラジコン模型航空機産業は、アマチュアまた「職業的」性格をもつともされるホビイストが消費者であると同時に、産業の担い手にもなり、また潜在的予備軍でもあるという点では、ホビー産業の代表格となる。本研究では、そうしたラジコン模型航空機産業（固定翼機の飛行機及び回転翼機のヘリコプターとマルチコプター）の歴史的展開について、多様化・高度化を辿る製品需要との相互関係やそのなかで形成・再編されるラジコン産業固有の生産組織の変化などに注目して明らかにしていく。

地方工業集積のダイナミズムに関する総合的研究

1930年から2000年代にかけての多様な産業・企業をもつ地方工業地帯のダイナミックな形成過程を、広島県東部に位置する備後地域（主に福山・府中・尾道・三原）を事例に地域産業・地域企業の成長にとって重要な条件となるであろう技術蓄積や独自のネットワークを重視する視点に立脚して実証的かつ総合的に検討することにあります。

東アジアにおける経済発展の類型的特質の研究

近代中国華北地域における在来織物業（土布業）の発展過程の分析を通じて、その発展過程には、近代日本と同様に「在来的経済発展」とも称される発展メカニズムが包含されていることを究明することを課題としている。具体的には、①近代中国在来産業（土布業）の展開論理や制度の多様性を解明すること、②中国在来産業史研究サイドから「在来的経済発展」論の比較・再検証を試みるとともに、③そのことにより、近代中国・日本在来産業（在来織物業）の展開過程にみられる生産組織・取引制度の共通点・相違点をより浮き彫りにすること、の3点である。