学部・学科・大学院
経済学科
善野 吉博(ぜんの よしひろ)

職 名 | 教授 |
---|---|
学 位 | 博士(経済学) |
専門分野 | 環境経済学、金融・ファイナンス |
担当科目 | 環境経済学、金融システム、金融入門 |
メッセージ | 環境経済学と金融入門は、どちらも持続可能を理解し実現するために重要な科目です。私たちが抱える課題を読み解く視点を養い、将来の進路や日常生活にも役立つ実践的な知識が身につく授業をみなさんも体験しませんか? |
中国のグリーンボンド市場の更なる発展への課題について
「中国のグリーンボンド 」に焦点を当て、先行研究をレビューしました。中国グリーンボンド市場の課題である「流動性の欠如」「需要のインバランス」について先行研究が解決に至っているかを確認し、未解決であれば解決への方法と合わせて提案することを目的としました。
研究の結果、中国のグリーンボンド市場の「流動性の欠如」と「需給のインバランス」を分析した研究は見当たらないことから、GBの供給を増加させるには、需要側の投資家の見解を確認する必要があることを見出しました。この研究の後、4つの論文を発表しましたが、それらの論文執筆の原点となる研究になります。

埼玉大学の有賀健高教授と大阪の学会で発表した時のものです。
上海の機関投資家のグリーンボンド投資について
中国上海の機関投資家にアンケート調査を実施し、グリーンボンドと一般債券への投資を比較した際、どちらを選好するかを分析しました。グリーンボンドの利回りと一般債券の利回りの差を「グリーニアム」と呼びますが、本分析により、中国上海の債券市場には、「グリーニアム」が存在し、機関投資家は一般債券よりもグリーンボンドへの投資を選好することが結果として示されました。
また、過去の研究が示したグリーニアム より大きい値となり、上海の機関投資家が許容するグリーンボンドの利回りは市場関係者が考える水準より更に低い水準であり、機関投資家はより多くのGBの発行がされても十分に対応する可能性があることを示しました。

一橋大学にて開催された「日本金融学会2023年春季大会」で発表した時のものです。