【薬学部】薬学生が認知症カフェでミニ講義!

【薬学部】薬学生が認知症カフェでミニ講義!

3月2日(木)、「和ごころ」のメンバーである5年生の松本君、4年生の古川さんと和田さん、3年生の道原さん(全員薬学部)が、今津交流館で開催された認知症カフェ「CafeGETA(カフェゲタ)」に参加し、3月の企画実演者として地域の高齢者やスタッフを含めた25名の方々に、認知症予防についての講義やシャッフル文字クイズなど楽しいレクリエーションを行いました。和ごころ代表の松本君と薬学部道原教授から、その時の様子についての記事が届きましたので、学長室ブログメンバーの五郎丸(薬学部)が報告します。


CafeGETAは月に1度、毎週第一木曜日13時から15時の約2時間程度行われています。和ごころメンバーは、CafeGETA発足時(2017年9月)からスタッフとして参加しています。CafeGETAでは、介護福祉施設の職員(介護福祉士、ケアマネジャー)、薬剤師、薬学生などが協力し、認知症予防の話や様々なレクリエーションを通して、参加者に対して知識の修得、脳の活性化、交流を図っています。

CafeGETAの活動については、以下の学長室ブログで読むことができます。興味のある方は読んでみてください。

福山大学 | 学生ボランティア『和ごころ』、対面式の認知症カフェ再開に向けた取り組みに貢献! (fukuyama-u.ac.jp)

松本君は、2023年2月中旬まで出身地の京都府舞鶴市で薬局病院実務実習を行っていました。その期間中、地元で開催されている認知症カフェに複数参加(カフェ巡りを行い)し、CafeGETAには無かった企画・考え、例えば「コーヒー豆を参加者で挽いて、企画の後に全員で飲む」という、ある認知症カフェの特徴・企画に感銘を受け、自分なりの解釈を含ませながら今回の認知症カフェにおいて発表を行うことにしました。

今回発表を行った松本君(パソコンの前に座っている学生)

まず、舞鶴市の認知症カフェで行われている人気企画を体験してもらうために、「違う漢字、探しクイズ」という高齢者向けドリルのクイズを参加者とスタッフ一緒に行いました。

実際に使用した「違う漢字、探しクイズ」のプリントの1例

ほとんどの参加者は3分もかからずに解き終えており、皆さん優秀でした。解けずに悩んでいる参加者に対しては、そっと学生が参加者の傍に近づき、クイズのヒントを教えてあげると、すぐさま正解にたどり着きました。

「違う漢字、探しクイズ」を解いている参加者にヒントを出す道原さん(立っている学生:左)と古川さん(立っている学生:右)

参加者にヒントを教える松本君(写真右)

「違う漢字、探しクイズ」を行った後、本題である「コーヒーを飲むことで認知症予防につながる」ことについて、論文を引用し、根拠を明確に示しながら説明していきました。松本君の分かりやすい説明に対し、参加者だけでなくスタッフも発表スライドの写真を撮ったり、内容に関するメモを取ったりしながら新しい知識の吸収を行っていました。松本君の発表は大成功に終わりました。

「1日2~3杯のコーヒーは認知症予防に役立ちます」

「なるほどね~!そりゃ飲まんといけんわ!」

発表する松本君のスライドを真剣に視聴する参加者

次に、休憩を挟んで「シャッフル文字クイズ」という脳の活性化に有効とされるクイズを参加者全員で行いました。

  「意味のある文字をシャッフルし、正しい順番に並び替えるクイズです。」

  「例えば、『く・ん・せ・き・た』の正解は『せんたくき』です!」

  「では皆さん、はりきっていきましょう!」

シャッフル文字クイズのルールの説明をしている松本君

事前に薬学部生同士で練習を重ね、ヒントや問題の難易度を考えて臨みましたが、高齢者の方にあっさりと正解を解答されてしまいました。

問題が出た瞬間に手を挙げています(写真右)
「ふくおか~!」
「正解です」

自信をもって用意した問題が瞬く間に解答され動揺を隠せない松本君

そして最後に、古川さん主導で「コグニサイズ」という頭を使いながら体を動かす運動をスタッフも含めた全員で行いました。

コグニサイズという体操を参加者に実演する松本君(中央左)と古川さん(中央右)

コグニサイズとは「足を規則的に動かしながら数を数え、3の倍数になれば手をたたく」など複雑な動きを繰り返す運動です。これはスタッフにとっても難しく、完璧にできた人はほとんどいませんでした。しかし、パーテーション越しに、わいわい言いながら楽しい時間を過ごすことができました。フレイル予防に最適ですね!
*フレイル:加齢とともに心身の活力(運動機能や認知機能等)が低下し、複数の慢性疾患の併存などの影響もあり、生活機能が障害され、心身の脆弱性が出現した状態

CafeGETAの活動は、2022年9月で6年目を迎えました。今年度はコロナの第7波に見舞われ、開催が危ぶまれた時期もありました。しかし、スタッフ全員で力を合わせて人数制限、机・パーテーションの消毒、体温チェックなど感染対策を徹底し対面で11回開くことができました。

松本君からコメント:
私は2022年4月から吉岡利紗先輩(6年生)の跡を引き継ぎ、「和ごころ」の代表兼CafeGETA実行委員として認知症カフェの運営企画に参画してきました。今回の発表は、薬局病院実習が終了してすぐの事だったので、「準備はこれで大丈夫なのだろうか」と発表する瞬間まで心の中は不安で覆われていました。しかし、参加者やスタッフの方々がメモを取るほど真剣に耳を傾けてくださっている様子に、「ああ、頑張って良かったな」と思い、とても嬉しかったです。現在のCafeGETAは、認知症者、認知症介護者、認知症について相談する人など様々な人が来てくださる地域から愛された認知症カフェになりました。和ごころは今後も認知症予防に向けた取り組みを行っていきます。皆さん、注目しておいてください!

CafeGETA は、今後も感染対策を徹底した上で地域住民との交流を続けていきます。次回は、今回と同じく今津交流館で、4月6日(木)の開催を予定しています。

学生諸君、CafeGETAに参加してみませんか? 我々の想い、君に届け!

 

 

学長から一言:以前のブログでも取り上げた薬学部のボランティアグループ「和ごころ」が支援する認知症カフェで、学生諸君が新たな頑張りを見せたようですね。高齢者の認知症防止のために何が役立つかを試行錯誤で考えているのは素晴らしい。大学で学んだ専門知識も活かして、地元の高齢者に喜ばれる活動を次々と実践して下さい。