【スマートシステム学科】1年生教養ゼミでの取り組みを学会発表しました!

【スマートシステム学科】1年生教養ゼミでの取り組みを学会発表しました!

工学部スマートシステム学科では、新入生を対象とした初年次教育である「教養ゼミ」の授業の後半で、協働グループワークとして、毎年新入生が選んだテーマに取り組んでいます。これまで、ドローン・プロジェクトやガンダム・プロジェクトなどの興味深い取り組みが1年生自身によって実施されてきました。本年度は、レスキューロボットシミュレーションとして、無線操縦のレスキューロボットとシミュレーションフィールドを製作し、これを10月に開催された三蔵祭で展示しました。その後、11月26日(土)に開催された第31回計測自動制御学会中国支部の学術講演会に於いて、これらの取り組みについて1年生有志が登壇し発表しました。このプロジェクトの様子について、学長室ブログメンバーでスマートシステム学科の伍賀が報告します。

10月に開催された三蔵祭では、スマートシステム学科1年生有志による「レスキューロボットコンテストシーズ」が工学部棟で開催されました。プロジェクトルームには、下の写真のようにコルク板やプラスチックブロックで組み立てられたシミュレーションフィールドが設置されました。

シミュレーションフィールド

このシミュレーションフィールドで、市販の「レスキュークローラ」を無線コントロールできるものに改造し、遠隔カメラを搭載した機体を操縦して走破させるゲームを展示しました。無線操縦への改造や遠隔カメラの製作は、1年生自身が「教養ゼミ」「みらい工学プロジェクト」の授業時間を活用し、夏休み前からコツコツと進めてきたものです。マイコンのプログラミングや電子工作に四苦八苦し、教員や先輩からの助言を受けながら、放課後や授業の空き時間も利用して作業する姿がありました。

無線操縦化レスキュークローラと遠隔カメラ

三蔵祭では、2019年以来コロナ禍のために対面実施を控えていましたが、久し振りに地域の一般の方々にお越しいただき、この「レスキューロボットコンテストシーズ」を体験してもらいました。シミュレーションフィールドをロボットで走破するゲームは、お子さんに大人気で大盛況を博しました。このイベントは、一般の人々に1年生が取り組んできたプロジェクトを評価していただき、助言を得る絶好の機会でもありました。「もっと●●のほうが良い」「○○を○○したら良いのに!」という声がさらなる改良のモチベーションに繋がったようです。

お子さんもレスキュークローラの操作に夢中!

ご家族皆さんで「レスキューロボットコンテストシーズ」を体験

このようにして製作したものを評価していただいた経験を1年生有志がまとめ、11月26日(土)に広島工業大学で開催された第31回計測自動制御学会中国支部の学術講演会のロボティクス2のセッションで、「災害救助シミュレーションのためのレスキュークローラ遠隔操縦システムの開発(松本佳文, 呉昀正, 高光春輝, 福原巧己, 開地拓海, 伍賀正典)」のタイトルで発表しました。登壇発表者で1年生の松本佳文君は、追加実験、投稿原稿の作成、プレゼンテーションの準備に積極的に取り組んで、発表までたどり着きました。

発表では、会場の他大学の先生方からの鋭い質問に戸惑い、回答に苦労する場面も見受けられましたが、無事に発表を完遂することができました。昨年までのオンライン開催の学会とは異なり、対面での登壇発表はレベルの違った緊張感と雰囲気があります。松本君にとって、非常に貴重な経験でした。これを大きな糧として欲しいと思います。また、この学会には、1年生有志諸君も参加してくれました。

 

登壇発表者 1年生 松本佳文君

学会参加してくれた1年生メンバー

(左から呉君、開地君、松本君、高光君、福原君)

新入生対象の「教養ゼミ」では、これまでガンダム・プロジェクトやドローン・プロジェクトなど、1年生の柔軟な発想や好奇心から大きく育ったものがいくつもあります。今回の1年生の諸君もこのまま研究や開発に取り組んで、在学中に大きな成果を手にすることを願っています。

 

 

学長から一言:スマートシステム学科の初年次教育「教養ゼミ」において、グループワークで取り組んだ災害救助用のレスキューロボットの作成と作動で獲得した知見を学会の研究大会でも発表とは素晴らしい。みんなの力を結集したとはいえ、代表で発表した松本君は弱冠1年生にして早くも学会デビューとはさぞかし緊張もし、晴れがましかったことでしょう。一見すると、子ども用のゲーム仕様に見えても、原理や動作はきっと実用にも耐えるものなのだろうと想像しました。