【大学教育センター】DRIUSSI Cordelia 助教が着任しました!

【大学教育センター】DRIUSSI Cordelia 助教が着任しました!

DRIUSSI Cordelia 助教が福山大学に着任しました。新任教員着任時の慣行に則って、自己紹介を、大学教育センターブログメンバーの竹盛が投稿します。


私は米国カリフォルニア州のサンフランシスコ・ベイエリアで育ちました。家族でインディアナの祖母や日本の親戚を何度も訪ねました。高校時代は合唱団や演劇部に所属し、女優になりたいと思っていました。

祖母は比較文学の教授で、インディアナ大学で日本の文化、文学、言語関係の多くの授業を教えていたスミエ・ジョーンズです。彼女は、日本の大都市圏であった上方、江戸、そして近代以降の東京という、異なる地域・時代の文学を集めた選集を出版しています。この文学選集の中の多くのテキストは、それまで英語に翻訳されたことがないものでした。彼女は私に対して、自分の道を切り開き、よく研究し、教えることに情熱を注ぐよう励ましてくれます。

浴衣姿の私、祖母、母、妹とともに

学士号を取るために、私はインディアナ大学へ行きました。演劇の先生になりたかったのですが、演劇(芸術科学部)か教育(教育学部)のどちらかの学位を選ばなければならないと言われました。私は一つだけを選びたくなかったので、両方の授業を取り、日本語の授業も取りました。そして、中学・高校の演劇科の教員免許を取得し、演劇の学士号を取得しました。

修士課程はニューヨーク大学(NYU)のスタインハート文化・教育・人間開発学部の教育演劇科に進みました。ようやく、演劇と教育のどちらかを選びたくないという私のような人たちと一緒に授業を受けることができるようになったのです。しかし、コロナウィルスの感染拡大が始まり、大学院生活の後半はすべてZoomでという状態でした。

中学生に演劇を教える手前の私

私は子供の頃、家族から日本語を習い、インディアナ大学では3年間勉強しました。また、東京の上智大学に一夏留学しました。学習理論に「フォルス・ビギナー(見た目は初心者)」という考え方があり、何かを長く勉強しても使い方が身に付かないというものです。私も時々、自分が日本語の「フォルス・ビギナー」ではないかと感じることがありますが、毎日勇気を出して話していると、上手く使えるようです。英語でも自分で「フォルス・ビギナー」と感じている学生がいると思うので、私自身の経験に照らして、モチベーションを上げるようにしてあげたいですね。

全体として、私の学位は、演劇の授業において演劇教師としてどうあるべきかを教育するものでした。しかし、演劇教育学というのは、アクティブ・ラーニングを通じて教室での学びを活性化する新しい方法を学ぶことでもあります。演劇教育学では講義をするのではなく、学生が自分で何かを表現することによって学ぶことを求め、その過程で学生をサポートするのです。ですから、私はこれから教室ではアクティブ・ラーニングを用い、互いにモチベーションを高めて成功に導くような、学習者のコミュニティを作りたいと考えています。

私が教育実習生として初めて福山大学に来たのは、2018年のことでした。これは、インディアナ大学教育学部の「Global Gateway for Teachers」プログラムを通じて行われたものです。インディアナで演劇クラスでの実習を行い、その後、EFL(外国語としての英語の教育)という別の種類の実習を行うために福山にやってきました。大学教育センターのローズ准教授の教室で、ドラマのテクニックを使って学生の皆さんが英語に対する自信を持てるように手助けをするのは、とてもエキサイティングなことでした。また、大学の教授陣から修士号を取得するように勧められ、NYUに進学したのでした。

ローズ准教授のクラスで実習中(『福山大学要覧』2019年版)

NYUではリサーチの授業があり、一つのクラスを対象にして絵を題材にした調査研究を行うことが義務づけられていました。しかし、当時私は教えてはいなかったので、福山大学の英語の先生たちに連絡を取り、学生が描く絵を集めることができないかと頼んでみたのです。アンケート調査のようなデータを使わず、紙に描かれた簡単な絵で、学生が英語の授業でどのような体験をしたかを調べたいと思ったのです。これは素晴らしい研究経験でした。外国語としての英語の教育について学び続けたいという気持ちに私をさせてくれました。

2021年度に福山大学の英語教育チームに今度は非常勤講師として加わるため、コロナウィルスのパンデミックにも負けずに日本に帰ってきました。そして、今年からは常勤の英語教師として福山大学に戻ることができ、大変光栄に思っています。オンラインで英語を教えるのは大変なことですが、ZoomやCerezoで学生のモチベーションを上げ続けられたらと思います。キャンパスで皆さんにお会いできるのを楽しみにしています。

 

学長から一言:コーデリア・ドリュッシー助教、福山大学へようこそ! 何年か前、本学の大学教育センターとインディアナ大学との間で締結した協定に基づき、異文化の中で教える経験を積むため、英語教育のTAとして8週間を過ごした本学のことが心底好きだったようで、その後の研鑽も携えて再来日し、今年度からは本学の専任教員として勤務することとなりました。アメリカの大学で活躍されたおばあちゃんとは逆コースで、今度はアメリカ人のあなたが日本の大学で大いに頑張って下さい。