【国際センター】今年はちょっと違う!広島県高校生英語スピーチコンテスト(福山大学主催)

【国際センター】今年はちょっと違う!広島県高校生英語スピーチコンテスト(福山大学主催)

コロナ禍の中、発表の場を提供できれば…。本学が毎年主催している「広島県高校生英語スピーチコンテスト」ですが、今年度は新型コロナウイルス感染症対策として、一堂に会して行う方法ではなく、スピーチ動画を送付いただく方法で開催しました。この度、感染症が落ち着きを見せているタイミングで、規模を縮小して授賞式を行いましたので、国際交流課の神原が紹介します。

本コンテストは、優れた英語力と国際的な視野を身に付けようと努力している高校生が、日ごろの英語学習の成果を発表するとともに、自らの飛躍や夢を実現するきっかけとしていただくことを目的として、広島県教育委員会福山市教育委員会ふくやま国際交流協会からの後援、そして福山商工会議所福山松永ライオンズクラブ、松永ロータリークラブからの協賛の下で、2003年から開催しております。おかげさまで、今年度で18回目を迎えることができました。

昨年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により、やむを得ず中止いたしましたが、今年度は、感染症の蔓延状況が予測できない中、高校生の皆様の発表の場を何とか提供したいとの思いから、動画送付形式で実施しました。

高校生の皆様には、英語教諭の先生方のご指導の下で、今年度のテーマ『My New Normal』にそった5分間のスピーチ動画を録画し、本学に送付していただきました。
 
どのスピーチもオリジナリティ溢れる素晴らしい内容でしたが、学内外の審査員による厳正な審査を行った結果、次のとおり受賞者を決定いたしました。
 
【大賞】
 広島なぎさ高等学校 1年 山本 里咲さん「My New Way of Interacting Under the Pandemic」
【準大賞】
 福山暁の星女子高等学校 2年 田中 美和子さん「Miwako VS Covid-19」
【優秀賞】
 AICJ高等学校 1年 清水 野乃子さん「Corona Ripples」
【審査員特別賞】
 福山暁の星女子高等学校 1年 唐川 花菜さん「Masks: A love / Hate Story」
【努力賞】
 武田高等学校 2年 栄井 美結さん「Changed from interaction to connection」
 福山暁の星女子高等学校 2年 末永 恋菜さん「A New Normal for Japanese English」
 広島なぎさ高等学校 2年 佐々木 もえさん「A Lesson from COVID-19」
 尾道高等学校 1年 西浦 百香さん「New Life, New Communication」
 福山明王台高等学校 1年 砂岡 美咲さん「Communication Where We Can’t See Facial Expressions」

 福山明王台高等学校 1年 井戸 心媛さん「What I Learned Through Coronavirus」

 
全員をお招きしたいところでしたが、コロナが完全に収束していない中、大賞等を受賞された一部の方に限定して、本学で12月22日(水)に授賞式を開催し、大塚学長より賞状、トロフィー及び副賞を授与しました。
 
 
 
 
受賞された皆さん、おめでとうございます!
 
今年度の審査員は次のとおりです。また、外部審査員の先生方におかれましては、ご多忙のところ誠にありがとうございました。
 
委員長    上西 幸治              福山大学大学教育センター 教授
副委員長 松本 陵磨 様              久野島産業株式会社 代表取締役
委員   小川 久志 様        ふくやま国際交流協会理事
委員   弘芝 志乃 様     福山商工会議所
委員   Jason Lowes        福山大学大学教育センター 准教授
委員   Tang Warren          福山大学大学教育センター 助教
委員   Suzuki Heather Anne    福山大学大学教育センター 助教
 
最後に、審査委員長の上西教授による講評文を引用します。

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【この度のスピーチコンテストのテーマは”My New Normal”。この言葉は、コロナ禍の中で取らなければならなかった新しいライフスタイルのことである。昨年に続き、今年もコロナの影響で様々な行事の実施を見送ったり、形を変えて実施する学校が数多くあった。この英語スピーチコンテストも例外ではない。今年は各コンテスタントにスピーチ録画を送付してもらい、それを審査するオンデマンド形式で実施するに至った。このテーマの下で、参加する高校生は、コロナ禍での経験について話すこともできるし、自分自身のルーティーン、ライフスタイル、考えなど、新たな個人的な変化について話すこともできる。このテーマを通して、高校生は、自分自身の成長や人生経験について考え、発表することができたと言えよう。

今年もレベルの高いスピーチコンテストであった。審査には大変苦労した。スピーチのトピックは渦中の話題であり、次のように多岐に渡った。”Communication Where We Can’t See Facial Expressions”、”Masks: A Love / Hate Story”、”A New Normal for Japanese English”、”My New Way of Interacting under the Pandemic”、”What I learned through the Corona Virus”等。

7人の審査員は、審査基準に則して厳正に評価し、境界線上のコンテスタントについては、協議して選考した。例年通り、審査基準としては、I. スピーチの言語(語彙、文法、音声)、II. パフォーマンス(聴衆とコミュニケーションをとっているか、プレゼンテーションの濃淡・軽重、アイコンタクト、適度なジェスチャーなど)、そしてIII. スピーチコンテストがテーマに即しているか、論理的に展開されているか、を評価。スピーチの技量は、4技能であるスピーキング、リスニング、リーディング、ライティングに加え、5番目の技能「プレゼンテーション力」があって実現する。しかし、上述したように、例年と異なり、スピーチ録画を通して実施したスピーチコンテストであるため、コンテスタントを目の前にしたものとはかなり異なっていた。とはいえ、審査員は上記の基準を基に、厳正な審査を行った。

審査委員間で出てきたコメントを最後に付言しておく。「スピーチは内容だけではなく、発信の仕方も重要であり、その意味では練習の成果が出ていたと思えた」、「英語力や発表練習をするかたわら、ぜひ視覚的なプレゼン力に関する情報ももっと取り入れて、更に印象的なスピーチになるよう、心掛けてください」、「流暢さだけでなく、聞き手のことを考えてスピーチを行っていた参加者も中にはいたが、スピーチをすること自体に集中して、あまり聞き手の立場に立ったスピーチをしていない参加者がかなり多いように思えたので、今後はより聞き手に寄り添ったスピーチをするよう心掛けてもらいたい」、等。】

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この度のスピーチコンテストのレベルの高さは、日頃からご指導されている先生方の志の高さとご努力の賜物だと思っています。ここに記して感謝いたします。次年度のコンテストでも、より多くの発表者を期待しています。
 
 
学長から一言:授賞式の挨拶でも語ったのですが、事前にすべての「応募作品」の動画を拝見して式に臨みました。私は英語教育の専門家ではありませんし、技術的なことは分かりませんが、一言で言えば、そのレベルの高さに驚かされました。個人的体験から、さまざまな国の人の話す英語に触れ、同じ英語圏でも、ちょうど日本語にも広島弁など方言があるように、地域による独特な音や調子があるのを知っていますが、高校生の皆さんのスピーチは実に心地よい響きでした。同一内容を暗記して「語り」の巧拙を競うレシテーションと違い、スピーチでは話者自身が考えた内容の深さが聴く者に感動を与えるのだろうなと、改めて考える機会になりました。