【安全安心防災教育研究センター】活動報告書(2020年度)の紹介について

【安全安心防災教育研究センター】活動報告書(2020年度)の紹介について

今年度は、社会連携センター研究成果発表会」の原稿提出締切が例年より遅い時期の夏季に設定されたことを承けて、安全安心防災教育研究センター活動報告書』の原稿提出締切を秋季に設定しました。今回は、研究活動19件と教育活動2件のテーマが集まりました。このことについて、センター長の仲嶋教授からの紹介リポートを、学長室ブログメンバーの伊澤が投稿します。

***********************

2020年度は、新型コロナウイルス感染症のパンデミック発生により、教育・研究に大きな打撃を受けました。遠隔での授業の準備に多くの時間を割かれ、また卒業研究生や大学院生も大学やフィールドで研究することもままならない状況でした。このように困難な状況下ではありましたが、全学を挙げた研究推進事業である福山大学ブランド研究プロジェクト「瀬戸内の里山・里海学」には大学より資金援助をいただき、活発な活動を継続することができました。

本センターの主管する「ひと・まち・くらしプロジェクト」には、上述の「瀬戸内の里山・里海学」に関連するプロジェクトが多数あり、これらの活動報告をまとめて掲載しています。「瀬戸内の里山・里海学」は、その里海に関わる部分について私立大学研究ブランディング事業(2017~2019)に採択されており、本活動報告でも里海関連とその他に分類しています。

海中探査ロボットシステムの開発

 

瀬戸内の海中探査プロジェクト
―海中音響ビーコン/通信システムに関する研究―

 

衛星画像藻場分布

 

養殖水槽におけるシロギス成長と温度・照度の関係
―瀬戸内里海の次世代養殖システムの開発研究―

 

その他のテーマとして、防災や地域遺産、介護・看護に関わるものなど、多岐に亘って里山・里海に囲まれた“まち”(“里”とも考えられる)の人々が持続可能に生活していくことを目的とした様々な課題に取り組んでいます。


里山の災害対策のためのIoTシステムに関する研究

 


移動型光センサーネットワークのための光軸自動追尾装置の高精度化

 


特徴量抽出を用いた大気中二酸化炭素の濃度変動と気象現象との関連性の検討

 

「地域遺産」としての松永塩田と備後柿渋 
―備後地域遺産研究会2020活動報告―

 

看護・介護を支援するスマートシステムに関するプロジェクト
~マルチマイクロホンアレイ化~

 

透析患者向け医療ベッドの開発

 

また、災害避難や交通安心など安全安心防災に関わるものをはじめ、「瀬戸内の里山・里海学」関連以外の工学部独自の「ひと・まち・くらしプロジェクト」も多数活動しており、それらの活動内容を掲載しました。

行動分析と誘導支援

運転者の体格の違いが踵を床に置くペダル操作に及ぼす影響

 

幹線道路渋滞交差点の通過時間の増減と生活道路の安全性低下との関係についての分析

 

超小型モビリティの開発

 

本センターは、建築構造物の強度向上や評価を目的としたハイテクリサーチセンターを発祥としており、西日本最大級を誇る構造試験設備をはじめ、種々の構造・材料に関わる研究・試験施設を有しています。これら施設を活用した鉄筋やコンクリート構造の強度評価、木造建造物の耐力特性評価、特殊な金属素材の開発などといった様々な研究が行われており、センターの施設を活用した研究として掲載しました。

 


超高強度コンクリートを用いた耐震壁架構の耐震性能に関する研究

 


集成材を芯材としたハイブリッドRC柱の圧縮特性に関する解析的研究

 


木造耐力壁の塑性域における剛性に着目した解析と実験

 


水素処理α+β型チタン合金の超塑性特性に及ぼす圧延条件の影響

 

一方、本センターは、地域防災リーダー養成講座(「地域防災基礎」,「地域防災応用」)、「実践地域防災学」、みらい工学プロジェクト「防災について考える」といった防災教育を継続して実施しており、例年各学部より多くの受講があり、毎年地域防災リーダーを輩出しています。ここでは、「地域防災リーダー養成講座」と「実践地域防災学」の実施状況を報告しました。

「地域防災リーダー養成講座」の実施

 

「実践地域防災学」の実施

本センターの『活動報告書』を是非、覗いてみてください!

 

 

学長から一言:「瀬戸内の里山・里海学」として大括りした福大ブランドの研究には、実に多様なテーマが含まれていることが分かります。その一翼を担うのが安全安心防災教育研究センター。そこに集う専門家、研究者が各自の関心に沿って研究を鋭意推進していることが窺えます。短いブログ記事ではとても全貌を紹介しきれないでしょう。ここに挙げられた研究テーマや関連の写真・説明図だけでは物足りない場合には、『活動報告書』を詳しく読んで見ないといけませんね。