【メディア・映像学科】新任教員を紹介します!

【メディア・映像学科】新任教員を紹介します!

こどもの時からテレビが大好きで、今や“テレビを学術的に研究する”という、メディア・映像学科に着任した新任教員、丸山友美講師を紹介します。(メディア・映像学科渡辺投稿)。


メディアから日常を問い直す

 

はじめまして。2020年4月より、福山大学人間文化学部メディア・映像学科にてメディア文化論や映像文化入門の講義を担当しています丸山友美です。幼少の頃からテレビを見ることが大好きで、「誰よりもテレビについて詳しくなりたい!」と思って走り続けていたら、メディア研究者になっていました。テレビ研究に従事してはいますが、テレビだけではなくYoutubeも見ますし、マンガも読みます。テレビやドキュメンタリー史を主な対象にしているので、国際的なドキュメンタリー映画祭に参加することもしばしばです。文字通りメディア漬けの人生です。

テレビを研究するおもしろさと難しさ

皆さんは、テレビを学術的に研究する人間がいることに驚かれましたか?
実は、日本においてテレビを研究することは簡単なことではありません。というのも、フランスの国立視聴覚研究所(通称INA)などの諸外国の取り組みと比べると、日本は番組アーカイブの思想が根付くまでに時間を要したことから「放送は終えたら消えていくもの」という考えが根強く、放送番組を文化財として保存しようとする動きが鈍いままだからです。
そうした状況に対し、国内のメディア研究者たちは、法整備の必要を訴えるのと並行して放送番組を収集・保存し、それを研究・教育に活用する実験的な方策をさまざまに展開しています。

『NNNドキュメント』共同研究

その取り組みの1つに、2012年から日本テレビ系列の各局と東京大学大学院情報学環丹羽美之研究室が産学連携的に進めてきた『NNNドキュメント』共同研究があります。『NNNドキュメント』は、日本テレビ系列の全国29局が制作するドキュメンタリー番組で、日本で最も長い歴史をもっています。1970年の放送開始以来、これまでに2,500本以上の番組を放送し、今年1月には放送50周年を迎えました。この番組は、日本のテレビ番組で最初に国際エミー賞を受賞した「明日をつかめ!貴くん〜4745日の記録〜」をはじめ、数多くの優れた番組や個性豊かな作り手を輩出したことでも知られています。
この共同研究のプロジェクトにおいて、私は「テレビは障害者をいかに描いてきたのか」というテーマを掲げ、約200本の番組の見直しを行いました。その成果は、今年2月に東京大学出版会から刊行された『NNNドキュメント・クロニクル1970-2019』(丹羽美之編著,2020年2月刊行, 東京大学出版会)に収録されています。第一線を走る約20人の研究者が論考を寄せているこちらの本は、メディアに興味をお持ちの方に読んでほしいと思います。高価な本なので、是非とも図書館などで読んでくださいね。

学長から一言:テレビを学術的に研究するという、いかにもメデイア・映像学科の新任教員らし~い!!!学科の魅力がまた一段と増しそうですねッ!よろしくッ!!!