【薬学部】タイ国立コンケン大学薬学生の実務実習をサポート!

【薬学部】タイ国立コンケン大学薬学生の実務実習をサポート!

タイの首都バンコクから飛行機で東北に1時間ほどにあるコンケン市から、コンケン大学薬学部6年生2名、Passakorn Kittiwannangkul(ニックネームTerng)さんと Ms. Volalak Lerdvolalak(Lucky)さんが、9月16日(月)から10月25日(金)までの期間、福山大学並びに福山市近郊の施設で実務実習を受けました。(報告:杉原教授、投稿:五郎丸准教授)
 
本学薬学部によるコンケン大学薬学生の実務実習のサポートは、今年度で6回目になります。本学薬学部は、協力施設での実施を調整して、実務実習のスケジュールなどコンケン大学生の実務実習全般をサポートしました。本学学生とコンケン大学生は様々な交流を行いましたので、本学の学生にとっては海外の薬学生と触れ合う貴重な機会になりました。
コンケン大学生が実務実習を始めるのに際し、松田学長及び鶴田学部長に挨拶に伺いました。鶴田薬学部長は、コンケン大学生を暖かく迎えてくださいました。(写真1)
写真1:薬学部長室を訪問
学長室へ挨拶に伺った後、本学学生たちとキャンパスツアーとウェルカムパーティーを行いました。キャンパスツアーでは、8名の協力学生が案内してくれました。また、大学構内の施設については、英語で学生が説明してくれました。(写真2・3)
写真2:キャンパスツアー
写真3:ウェルカムパーティー
タイの公用語はタイ語ですが、コンケン大学では英語による授業もあるため、薬学生は卒業年次になると高い語学力を身に付つけていて、海外での実務実習が可能となります。しかし、入学時の英語での授業は大変だったらしく、タイ語で行なわれる同じ内容の授業にも出席して学んだとのことでした。英語の修得は、学修の可能性や将来の選択肢を広げることから、大変であっても、コンケン大学生のように、本学学生も積極的に取り組む必要があると思いました。
今年度、受け入れたコンケン大学生において印象的であったのは、iPadを学修するためのツールとして使いこなしているということでした。iPadは大学から学生全員に無料で支給されるのだそうです。どの施設を訪問しても、入手した情報を直ちにiPadでまとめていく学修の様子に感心しました。また、積極的に質問し、熱意のある学修態度は周囲に好印象を与えました。
写真4:福山市浄水場の見学
写真5:基幹病院薬剤部での見学実習
学外の研修施設としては、4ヵ所の地域薬局と4ヶ所の病院、福山市保健所並びに福山市社会福祉協議会と福山市浄水場において学修しました(写真4・5)。この中で、JA尾道総合病院では最も長く学修させていただきました。薬剤部だけでなく、様々な診療科での薬剤師の活動や手術室やICU等の見学、地域薬局と病院薬剤部との薬薬連携などを学修することができました。(写真6・7)
写真6:無菌調剤の演習
写真7:JA尾道総合病院の薬剤師の方々
コンケン大学生は、今年度も客員教授の菅奈奈美先生の医療コミュニケーションの授業に参加させていただきました。今回は事前学修を行い、予めグループを作って参加したこともあって、医療コミュニケーションの授業がとてもよい国際交流の場になりました。今年度のテーマは、「ゲートキーパーとしての薬剤師の役割について」でした。授業の中で、日本に比べてタイの自殺率は極めて低いのは、どのような違いが背景にあるのかが話し合われました。ストレスが日本に比べて少ないことに加えて、男子は全員出家しなければならないことから宗教が心の支えになっているのかしれないという意見が出されました。
さらに、セルフメディケーションの演習では、瀬尾講師がタイでも対策が必要とされる慢性閉塞性肺疾患(COPD)や耐糖能異常の簡易スクリーニング方法について紹介しました。
その他、コンケン大学生たちは、研修認定薬剤師制度対象研修会の講師を務め、タイの薬学教育や薬剤師の業務について紹介を行ってくれました。(写真8~11)日本とタイでは薬剤師の役割に大きな違いはありませんが、医療制度や社会的な環境の違いからタイでは日本以上に薬剤師の活動の領域が広いという印象を受けました。
写真8:研修会でタイにおける薬剤師の役割を紹介
写真9:地域の薬剤師の方々との記念撮影
写真10:尾道薬剤師会の薬剤師の方々との交流
写真11:本学学生との交流
最終日は大学祭の前日となり、餅つき大会に本学学生たちと一緒に参加しました。(写真12)。タイには杵でついて餅にする習慣はなく、日本の伝統行事を体験する機会になりました。学生主催のオープンセミナーやさよならパーティーでは、本学学生や教員と和やかに楽しく交流しました。(写真13)
写真12:大学祭前日の餅つき大会
写真13:学生主催のオープンセミナー
コンケン大学生たちは、約6週間の実務実習を無事終了し、10月27日(日)早朝に福岡空港からタイに帰国しました。多くの方々のホスピタリティに溢れた温かいご指導により、充実した実習を受けることができました。本学の薬学生にとっては、海外の薬学生と触れ合う貴重な機会になり、コンケン大学生たちから良い刺激を受けました。コンケン大学生の受入れを支えてくださいました多くの方々に深く感謝いたします。
薬学部 教授 杉原成美
 
 
学長から一言:コンケン大学からに2人の学生さん、6週間の間、福山の地で実りの多い実務実習ができましたねッ!地域の皆さま、ご協力に感謝!薬学部の皆さん、お疲れ様!