【海洋生物科学科】泉講師の「水族館生物学」の取組がNHKにて放送!

【海洋生物科学科】泉講師の「水族館生物学」の取組がNHKにて放送!

先日、海洋生物科学科泉貴人講師の「水族館生物学」の取組がNHKのテレビ番組で放送されました!泉がレポートします。(投稿はブログメンバーの山岸)

 


このたび出演したのは、NHKのEテレにて放送される番組『ウチのどうぶつえん』!動物園や水族館をテーマに、生き物の様子や飼育員さんの取組を面白おかしく語っている教養番組です。

ブログ常連の皆さまならご存じの通り、泉の研究の強力なバディーは水族館。彼らと協力した研究を「水族館生物学」と名付け、学問分野として確立しています。

今回、出演したテーマはまさに「水族館生物学」。数々のイソギンチャク研究を、水族館と研究室のダブルで取材してもらいました。オフショットを含めて、ご覧に入れましょう!

①水族館篇

鳥羽水族館にて、水族館におけるイソギンチャク研究の様子を取材してもらいました。

場所は、「へんな生きもの研究所」。というゾーン(*)。ここには、熊野灘で採集された深海生物をはじめとした、様々な“変な生物”が展示されており、生き物マニアにはたまらないコーナーです。泉は主にこのコーナーで、新種・珍種のイソギンチャクを物色します。

お相手をしてくださるのは、鳥羽水族館の飼育員にして、人呼んで“新種ハンター”、森滝丈也さん。泉は10年来お世話になっております。

鳥羽水族館スタッフ撮影

水槽にいるニューフェイスのイソギンチャクを中心に、研究談義が進みます。

鳥羽水族館スタッフ撮影

鳥羽水族館とは、この4月に「ゲンシカイキ」という新種のイソギンチャクを発表しました。その成果については、こちらの過去のブログをご覧ください!

鳥羽水族館スタッフ撮影

(*)鳥羽水族館の展示は「ゾーン制」というシステムです。水族館の中は色々なテーマを持ったゾーンに分けられており、それぞれが廊下でつながっていて、順路がありません。これだけの大きな水族館で順路がないのは、鳥羽水族館だけ。とても大きな特徴です!

②福山大学篇

続いて翌週、我が福山大学の海洋生物科学科でも取材が行われていました。
イソギンチャクは、特に研究室での分析が大事。そのため、色々な器具を使った分析を行います。まずは解剖。ピンセットとハサミを使い、熟練の腕で標本を切り捌きます。

海洋分類学研究室学生撮影

そして次に写真撮影。小さなイソギンチャクのみならず、大きな種に関しても「特徴は細部に宿る」。海洋生物学科にある高性能な顕微鏡も使って、細部を撮影します。

海洋分類学研究室学生撮影

さらに、ミクロトームという特別な機械を使って、イソギンチャクを薄―くスライスしていく様子も撮影しました。マジでこの作業、疲れるのよ…。

海洋分類学研究室学生撮影

そのようにして、「水族館生物学者」、Dr.クラゲさんこと、泉の仕事を存分に放送して頂きました。残念ながら番組のカットは載せられませんが、水族館生物学、そして何より我が福山大学の最高のPRとなったのでした。

そして最後には、今後新種になる超貴重なイソギンチャクのカットも10秒ほど放送…!その成果に関しては、FUKUDAI Magに後日掲載予定。引き続き要チェックですぞ!

ちなみに、鳥羽水族館には、福山大学で学芸員資格を取得した卒業生も勤めています。皆様、是非、行ってみてください!

いかがでしょうか。なお、福山大学附属のマリンバイオセンター水族館でも、フクロクジュクラゲの発見等、水族館生物学の成果が少しずつ挙がりつつあります。

常設の水族館を持っている大学は、福山大学と京都大学だけ。そこに水族館生物学者がいることは、最高の巡り合わせ。今後、福山大学の水族館、そして他の水族館との共同研究で挙がっていく成果を、どうぞお楽しみに!

取材の様子は泉のYouTubeに動画でアップロードしていますので、こちらも是非、ご覧くださいませ。

 

学長から一言:自称「Dr.クラゲさん」の泉貴人講師の仕事ぶりを取り上げたNHKテレビ番組を視聴した一人として、大いに感銘を受けました。また、クラゲとは、海中にプカプカと漂うあの生き物とばかり思い込んでいた私は、このテレビ番組より百倍も深くて面白い泉講師の近著『水族館のひみつ』(中公新書ラクレ848、2025年8月刊)で、イソギンチャクも学問的には「クラゲ」に含まれることを知りました。茶目っ気たっぷりの海洋生物学者の引き出しからは、「面白くてためになる」ものがまだまだ出てきそうで、否が応でも期待が膨らみます。

 

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