肌を守る菌は残し、悪玉菌だけを抑える仕組みを解明 ~福山大学と企業の共同研究成果が国際学術誌に掲載~

アトピー性皮膚炎の悪化に関わる黄色ブドウ球菌を抑える一方、肌を守る表皮ブドウ球菌の増殖は妨げない。福山大学薬学部と美研創新株式会社の共同研究グループは、短鎖ペプチド混合物「ペプチスキン」にみられるこうした菌種ごとの違いについて、その仕組みの一端を明らかにしました。成果は国際学術誌『Microorganisms』に掲載されました。

研究のポイント

・黄色ブドウ球菌では、ペプチスキンが細胞壁に強く結合し、細胞膜の損傷を伴って増殖を抑えます。

・表皮ブドウ球菌では、菌が放出したDNA(細胞外DNA:eDNA)と相互作用し、膜の損傷は小さく、増殖は維持・促進されました。

研究の背景と成果

皮膚には多くの常在菌が住んでおり、そのバランスは皮膚の健康に重要です。黄色ブドウ球菌の増殖はアトピー性皮膚炎などの悪化に関わる一方、表皮ブドウ球菌は皮膚の健康維持に役立つとされています。今回、ペプチスキンの作用を両菌で比較したところ、細胞壁への結合性、細胞膜の損傷、eDNAとの相互作用など複数の要因が、菌種による反応の違いに関わることが示されました。

今後の展開

皮膚常在菌のバランスを保ちながら特定の菌を選択的に抑える、新たなスキンケア素材への応用を目指します。福山大学と美研創新株式会社は、本研究の成果について共同で特許出願中です。また、関連内容を第36回国際化粧品技術者会連盟学術大会(IFSCC)で美研創新株式会社がポスター発表しました。

論文情報

論文名:The Species-Selective Activity of Peptiskin Is Associated with Cell Wall Affinity and Extracellular DNA Binding in Staphylococcus aureus and Staphylococcus epidermidis

著者:Akihiro Michihara*, Masato Tange, Hiroshi Matsuoka, Fangfang Wang, Xianting Lin, Jianzhong Yang(*責任著者)

掲載誌:Microorganisms 2026, 14(10), 2287; https://doi.org/10.3390/microorganisms14102287

☆本件に関するお問い合わせ先☆

【担当者】福山大学薬学部 教授 道原明宏(みちはら あきひろ)

【E-mail】mitihara@fukuyama-u.ac.jp  【電話番号】084-936-2112(内線5050)

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