【薬学部】学術大会で薬学部生4名が学生発表奨励賞を受賞!

【薬学部】学術大会で薬学部生4名が学生発表奨励賞を受賞!

2018年11月10(土)~11日(日)に、「第57回日本薬学会・日本薬剤師会・日本病院薬剤師会 中国四国支部学術大会」が鳥取県米子市で開催されました。この大会において優れた研究成果を発表した学生に贈られる「学生発表奨励賞(受賞者一覧はこちら)」を、本学薬学部生4名が受賞しました。薬学部のH・Sが報告します。

福山大学の薬学部には20研究室あり、医薬化学系の3研究室、生命薬学系の7研究室、医療薬学系の10研究室から構成されています(研究室一覧はこちら

薬学部生は、1年次から3年次前期までに実習・講義(化学系、物理・分析系、生物系、衛生系、薬理系、薬剤系)により、臨床で活躍するための知識や技術だけでなく、研究するための基本的な知識や技能を学んでいます。その後、3年次後期からは各研究室に配属され、研究室教員の指導のもとに課題研究を行っています。全学生が各研究室において、それぞれの専門分野において日々課題研究に取り組みます。

今回の受賞は、日頃の学生たちの努力が実った結果ですね!
鶴田泰人学部長より各学生に一人ずつ賞状が手渡され、激励の言葉が贈られました。

各受賞者の研究内容は、以下のとおりです。
重政歩美さん(広島県・府中高等学校出身)
(分子免疫学研究室所属/ 主宰教員:今 重之 教授)
「抗β8インテグリン抗体を用いた四塩化炭素誘導肝線維化モデル抑制効果の検討」
インテグリンは細胞と細胞外マトリックスの接着に関わる主要な細胞膜貫通タンパク質であり、αvβ8インテグリンは、TGF-βの活性化構造への変化を介して線維化疾患に関与することが推察されておりますが、明らかになってはおりません。そこで本研究では、ヒトβ8インテグリンに対するマウス抗体を作製し、その反応性とCCl4誘導肝線維化モデルに与える影響を明らかにしました。

重政歩美さん

 鶴田学部長(左)、今教授(右)と一緒に
 横山知佳さん(広島県・府中高等学校出身)
(医薬品化学研究室所属 / 主宰教員:町支 臣成 教授)
「Pyrrolo[2,3-c]carbazoleアルカロイドdictyodendrin Cの全合成研究」
この研究は、研究室で推進中の研究テーマのタンデムRCM-脱水素化反応を鍵反応とするカルバゾールキノン骨格構築法を活用し、テロメラーゼ阻害活性をもつ四環性ピロロカルバゾールアルカロイドdictyodendrin Cの全合成を展開する中で得られた研究成果です。
横山知佳さん
鶴田学部長(左)、町支教授(右)と一緒に
中村駿次さん(山口県・小野田高等学校出身)
(製剤物理化学研究室所属 / 主宰教員:冨田 久夫 教授)
「BNCTによる治療効果増強を目的としたリポソームへのBSH封入条件の最適化」
新規癌治療法であるホウ素中性子捕捉療法(BNCT)に対する薬剤開発を行っています。リポソーム内水相へのホウ素クラスター化合物(BSH)封入を様々な条件下、内封率・漏出率などを検討することで最適化し、高ホウ素濃度リポソームの調製に成功しました。この結果は腫瘍内へのホウ素送達効率の向上につながり、BNCTの治療効果を増強させることが可能になると考えます。
 中村駿次さん
 鶴田学部長(左)、冨田教授(右)と一緒に
田村安希さん(広島県・広島高等学校出身)
(病態生理・ゲノム機能学研究室所属/ 主宰教員:道原 明宏 教授)
「脳卒中易発症ラット小脳におけるmiR-124による膜蛋白質CLDND1の発現調節」
現在、日本における死因の第2位及び第4位は心疾患と脳血管疾患であり、死亡者総数の約25%を占めています。これらの疾患の根本原因は動脈硬化です。私たちが着目しているCLDND1(クローディンD1)遺伝子は、その発現量の異常が動脈硬化関連疾患に関与することが報告されています。そこで、CLDND1の発現量の調節に関わる因子を探索した結果、新規マイクロRNAが脳血管疾患の増悪化に関与することを明らかにしました。これらの成果は、脳血管疾患の発症機構の解明において重要な基礎データとして今後利用されることが考えられます。本研究は、広島大学(田原栄俊教授の研究グループ)との共同研究の成果です。
【発表論文:Biochem Biophys Res Commun. 2018, 498(4), 817-823
田村安希さん
鶴田学部長(左)、道原教授(右)と一緒に
学生の皆さんは日頃の努力の成果が評価され、大変うれしそうに賞状を受け取りました!
これを励みに今後もさらに研究に取り組んでください。
後日、賞状を持って、この喜びを学長室へ報告に行きました。
 松田学長に報告しました

松田学長と受賞者3名で記念撮影!

学長から一言:4名の薬学部の学生の皆さん、おめでとうございます!5年次生と6年次生とのことですが。。。3年次後期から研究に入り、研究を続けながら、2種類の共用試験をパスして、病院・保険薬局実務実習を行い、最後に国家試験を受けるわけですから、この研究による学生発表奨励賞は、大変な努力の成果ですねッ!!!もう一度、お・め・で・と・う!!!