学部・学科・大学院

心理学科

安西 敦(あんざい あつし)

職 名 教授
学 位 博士(法学)、修士(教育学)
専門分野 司法臨床心理学、犯罪学
担当科目 司法臨床心理学、少年と犯罪、司法・犯罪分野に関する理論と支援の展開など
メッセージ 主に司法を現場として、犯罪をしてしまった子どもや大人たち、そして犯罪被害を受けた人たちの支援に関わってきました。被害者の人たちはもちろんですが、加害者の人たちも多くは被害経験を抱えています。傷を負った人たちが回復し立ち直っていくにはどのような援助が必要なのでしょうか。司法臨床心理学では、裁判所をはじめとした関連機関において司法と心理臨床が交錯する領域で、支援や対策を考えていきます。

 研究者情報 

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弁護士付添人による非行少年への援助

多くの非行少年たちは年齢を経るにつれて非行から離脱していきます。まだ未熟な少年たちは、良くない環境にさらされるとその影響を受けて非行に関わっていきますが、良い環境を得ることができれば立ち直っていくのです。少年審判手続で少年のパートナーとして伴走する弁護士(付添人と呼ばれます)が、少年の環境にどのように働きかけることができるのか。そして家庭裁判所や児童相談所、福祉関係機関などがどのように連携して少年に関わることが効果的なのか。司法と福祉、心理臨床が交錯する領域での援助を研究しています。

犯罪心理鑑定による犯行メカニズムの解明

被疑者・被告人から「腹が立ったので殴りつけた」という動機が語られることがありますが、それは事件の本当の動機を語っているでしょうか。
①上司から怒られて腹が立ったので、そばに置いてあった棒で殴りつけました。
②子どもの頃に父から身体的虐待を受けていました。父が大きな声を上げると何も考えられなくなり、体が固まってしまっていました。今でも、大きな声で怒鳴られると父に殴られたことがよみがえるのです。このときは上司に怒鳴られ、父に殴られるシーンがよみがえってパニックになり、恐怖と怒りが混ざり合ったような気持ちでいっぱいになって、気がついたら置いてあった棒で相手を攻撃してしまったあとでした。
この2つは、客観的にした行為は同じだとしても、同じ刑罰が妥当とは言えないかもしれません。犯罪が生じたメカニズムを、その人の成育歴や家族関係などの様々な影響から分析する実践を行っています。

性暴力に対する治療教育の実践

性暴力は、性欲が抑えられなくて起こすものだと一般には思われています。しかし実際には性欲以外に、支配や優越感、ストレスの対処や感情の調整といった、性欲以外のニーズが満たされることによって繰り返されることが明らかになってきています。性暴力に至るまでの心理的なサイクルを明らかにし、そこから離脱し、維持していくためのカウンセリングやグループワークのプログラムの作成、その実践に取り組んでいます。