【税務会計学科】企業連携授業「地域調査」の新境地
経済学部税務会計学科と地元企業との連携授業「地域調査」は、9年目を迎えました。この連携授業の「新境地」とも言える取り組みについて、学長室ブログメンバーの堀田がお伝えします。
「地域調査」は、備後地域の経済・社会の過去・現在・未来に関する疑問を、学生自身による学外訪問調査により解決することを目的とするアクティブ・ラーニングです。学生を主体とする演習形式の中で、事前学習や訪問調査、発表、討論を実施することにより、地域への関心を高め、専門科目への橋渡しとしても期待されています。
この授業の実施には、地元小売企業である、株式会社ププレひまわり(以下、ププレひまわり社)と株式会社エブリイホーミイホールディングス(以下、エブリイ社)の2社にご協力いただいています。2社と福山大学との間で締結した「協働事業協定」に基づき、相互協力による地域課題解決を目的として、「地域調査」が実施されています。

「世羅農場エブリィふぁーむ」の体験
連携授業の狙いは、受講生が講義を通じて地域経済を支える地元企業に対する理解をより深め、高付加価値商品・サービスの提案力を身に付けるとともに、能動的学習能力の向上を図ることにあります。
まず、エブリイ社との前期連携授業では、30名の学生が参加しました。エブリイ社の世羅農場事業の活性化をテーマに、①地元生産者様との取り組み、②世羅農場で行うイベント企画・運営、③自社農場の未来へ向けた取り組み、④「ゆうえん」事業を活性化させる取り組みという挑戦的かつ具体的課題が受講生に与えられました。
受講生は6つのグループに分かれ、具体的な提案に向けて見学、グループワーキングを行いました。その結果として、受講生が臨んだ最終プレゼン・テーションでは、「ゆうえん事業活性化」という課題に対して、「SNSを活用してゆうえん事業のPR」や「農業FCへの短期農業体験の導入」といった解決方法が発表されました。また、2つ目の課題「自社農場の未来へ向けた取り組み」では「小学校との連携による社会見学・課外学習の場として農業体験」、「エブリイ専用アプリによるイベント開催」といった方法が、3つ目の課題「地元生産者様との取り組み」では「従業員と地元生産者との交流企画」や「TikTokなどSNSで地元食材クッキング動画配信による集客」、4つ目の課題「世羅農場で行うイベント企画・運営」に対しては、「SNSやイベントでのPR」や「学割やお試しセットの導入」、などの具体的提案が本社で披露されました。

エブリイ本社でのプレゼンテーションの様子
受講生は連携授業を通して多くのことを学びました。
具体的には、
「地域密着の姿勢が強く伝わり、住民と一緒に成長していく姿が印象的だった」
「『顔の見える関係』を大切にする取り組みが、信頼や安心感につながっている」
「規格外野菜の活用など、社会課題(食品ロス)にも貢献していて共感できた」
「生産者や住民が主役にれる仕組みがあり、参加意欲を高める工夫が感じられた」
などの声が聞かれました。

エブリイ本社の社内報(担当者張楓教授のメッセージも掲載)
一方、ププレひまわり社との後期連携授業では、前年度につづき、第3弾として「ベンチャーチャレンジプログラム」という斬新な課題に対し、31名の受講生に挑んでもらいました。具体的には、「事業の成り立ち(マーケティングや経営戦略、顧客の消費(購買行動)など)を自分が考案したビジネスモデルを提案しなさい」というものでした。
提案にあたっては、具体的に「何を―事業内容(需要の検討)」、「誰に―ターゲット・対象者(顧客の課題解決)」、「いつ―営業時間」、「誰が―運営者(営業者)」、「どこで―展開エリア・場所」、「どうやって―販促・告知方法」など問題点を提案に組み込みながら、最終的に「どの位の売上を見込むか」また「利益はどうやってどの位だせそうか?」を打ち出すことが、会社から求められました。

ププレひまわりの担当者によるオリエンテーション
ププレひまわり社の学生の提案に対する期待度は、非常に高いものでした。なぜなら、2024年度当該授業の最優秀提案賞に選ばれた「企業主導型保育園事業」は、ププレひまわり社での新ビジネスコンテストにノミネートされるという実績があるからです。
このように、ハードルの高い課題でしたが、8チームに分かれた受講生は、試行錯誤しながら、すばらしいベンチャービジネスを提案しました。具体的には、「高齢者用認知症アプリ」、「フードロスをフードチャンスに」、「夜のパン屋」、「多言語カフェ」、「ウェルシアアプリの拡張・健康RPG」、「ごほうびプロジェクト」、「新規美容院事業」、「AIを使ったアプリ機能の向上」、などでした。
そして、今年度の優秀賞と準優秀賞には、「ウェルシアアプリの拡張・健康RPG」と「ごほうびプロジェクト」を提案した2つのチームが、それぞれ獲得しました。

ププレひまわりとの連携授業の様子
それでは、優勝チームと準優勝チームのリーダー税務会計学科SさんとMさんのコメントを紹介します。
・「今回、『地域調査』においてグループリーダーとして活動し、1位を獲得できたことを大変嬉しく思ってます。発表までにリーダーとして意識したことは、メンバー全員が円滑に話し合える環境を整えることであり、主にグループLINEを活用して意見交換を重ねてきました。特に、提出期限が短い課題から優先的に取り組めるよう声掛けを行い、完成した資料については改善点を伝えるなど、質を高める工夫を行いました。その結果、グループ全体でより良い資料を作成できたと感じています。本活動を通して、メンバーをまとめるリーダーシップ力が更に身についたと実感しており、今後はこの経験を他の大学生活の場面にも活かしていきたいです。」
・「今回の『地域調査』では、スムージーとケーキをテーマに発表しました。取り組みを始めた当初は、全員の意見や取り組み方に違いがあり、構成や内容について何度も悩みました。自分たちで、事業を展開し、売上を出すためにはどうすればいいのか戸惑い、話し合いが思うように進まず、時間がかかりました。しかし、チームのメンバーと積極的に意見を出し合い、それぞれの意見を尊重しながら試行錯誤を繰り返すことで、少しずつですが形にしていくことができました。意見の違いを調整し改善していく過程は簡単ではありませんでしたが、その分学びがありました。今回の地域調査を通じて、協力しながら1つのものを作り上げることの難しさと同時に、話し合いを重ねることでより良い成果につながるというチームワークの大切さを実感しました。地域調査を通じて学んだことをこれからの今後の学習や活動に積極的に活かしていきたいです。」

受賞式の様子
このように、9年目を迎えることとなった連携授業「地域調査」は、地元企業との連携授業として、あらたな境地に達したといっても過言ではありません。今後もひきつづき、地元企業とともにさまざまなチャレンジに挑んでいききます。
来年度も、多くの学生の受講を期待しています!
学長から一言:経済学部税務会計学科が地元企業のご協力を得て実施する授業「地域調査」は今年度で9年目。エブリイ社では同社の世羅農場事業の活性化を考え、ププレひまわり社では同社の新たなベンチャービジネスを提案するコンテストに参加という課題に学生が主体的に取り組みました。後者のコンテストでは学生の提案が優秀賞と準優秀賞を獲得。いずれも学生の成長にとって大きな意義のあるチャレンジです。いつも変わらぬ御支援をいただく両社に対して、心から御礼を申し上げます。




