薬学部

Faculty of Pharmacy and Pharmaceutical Sciences

【薬学部】薬学生が全国パーキンソン病友の会 福山地域定例会へ参加させていただきました!

【薬学部】薬学生が全国パーキンソン病友の会 福山地域定例会へ参加させていただきました!

2025年11月9日、「全国パーキンソン病友の会 広島県支部 福山地域友の会」の定例会に、福山大学薬学部教員2名、薬学生2名および福山平成大学福祉健康学部福祉学科学生2名が参加しました。その様子について薬学部の佐藤雄己教授が報告します(投稿は五郎丸です)。

 


この定例会は、パーキンソン病の患者さんやご家族が集い、情報交換や交流を行う場として定期的に開催されています。会のスローガンは「A:明るく、T:楽しく、M:前向きに」。病気と向き合いながらも、前向きに生きる姿勢を大切にされています。2023年10月の定例会で薬学部の佐藤雄己教授が「薬に関する講演会」を行い、そのご縁をきっかけに、今回の定例会にも参加し、会員の皆様との交流を深めました。

全国パーキンソン病友の会は、パーキンソン病の患者とその家族、関係者による全国組織の患者会です。福山地域友の会はその広島県支部に属し、現在約40名の会員が加入しています。月例会のほか、医療講演会や体操、文化活動などを通じて、会員同士の交流と情報共有を図っています。病気の理解を深め、孤立を防ぎ、前向きに生活するための支えとなる活動を展開中です。また国会に対して請願活動を行い、治療研究支援や医療制度の改善を求める署名活動も展開されています。

 

全国パーキンソン病友の会会報

パーキンソン病は、中脳の黒質にあるドパミン神経細胞が減少することで発症する神経変性疾患です。ドパミンは、身体の運動を調整する重要な神経伝達物質であり、その不足により、運動症状:手の震え(振戦)、筋肉のこわばり(筋強剛)、動作が遅くなる(無動・寡動)、姿勢保持障害、非運動症状:睡眠障害、自律神経障害(便秘・頻尿・起立性低血圧など)、認知機能障害、幻覚、意欲低下などが現われます。発症の多くは50〜65歳で、高齢になるほど発病率が高まります。進行性の疾患であるため、薬物療法による症状の緩和と、日常生活の支援が重要です。

 

定例会の様子

定例会当日は、参加者の皆様から、日々の生活の中での困難や、薬の効果・副作用、服薬管理の工夫などについて、率直なお話を伺いました。薬学部の教員には、薬の種類や作用などについて多くの質問が寄せられ、丁寧に説明を行いました。薬に対する理解を深めていただけたことは、私たちにとっても大きな励みとなりました。

 

会員の方々から、たくさんの話題がありました

 

また、薬学生にとっては、患者さんやご家族と直接対話することで、医療人としてのホスピタリティを体得する貴重な機会となりました。教科書では学べない「人と向き合う力」を育む経験となり、将来の薬剤師としての在り方を考えるうえで大きな糧となったと思います。さらに福山平成大学福祉学科の学生にとっても、患者さんやご家族との対話を通じて、病気とともに生きる方々の思いや、日常生活での工夫、社会的な支援の必要性など、多くの学びを得る機会になったと思います。

 

会員の話に耳を傾ける学生(左から佐藤教授、薬学生2名と福山平成大学福祉学科学生2名)

 

<学生の感想>
池田あゆみさん(薬学部5年生):実務実習ではパーキンソン病の患者さんと関わることはなかったため、大変貴重な経験ができたと思います。ご本人様、ご家族様ともに、パーキンソン病の症状や薬のことを知ろうとする意識が高いと感じました。それを受けて、患者さんの話にしっかりと耳を傾け、薬の情報をわかりやすく伝え、少しでも不安を取り除けるような関わり方ができる薬剤師を目指したいと改めて思いました。

佐藤冴紀さん(福山平成大学福祉学科2年生):パーキンソン病友の会に初めて参加して、薬の副作用に苦しんでいる方や、この薬が本当に合っているのか不安に思っている方が多いことを知りました。また、家での介護が難しくなった際、安心して入所できる施設がなかなか見つからないというお話を聞き、現実の厳しさを実感し、福祉学科の学生として支援の在り方を改めて考えさせられました。

 

会員の皆様は、園芸、押花、バイク、ギターなど様々な趣味をお持ちです

 

押花の素敵なプレゼントをいただきました

会員の皆様の優しさと熱意に元気をもらいました。学生にはこれからも患者に寄り添う医療人を目指して頑張って欲しいと思います。今後も、地域の皆様とのつながりを大切にしながら、医療・福祉の現場に寄り添った学びと実践を続けてまいります。

 

学長から一言:難病指定されているパーキンソン病の患者さんやそのご家族からなる全国組織の地方組織「福山地域友の会」の例会に参加した本学薬学部の佐藤雄己教授と学生の皆さん、そして兄弟校である福山平成大学の福祉学科の学生の皆さんは、この病気に関する理解を深めることができたことでしょう。さまざまな病に苦しむ人たちに寄り添い、理解を深めることは、これからの学びや実践にとって大変意義深い経験になったことと思います。

 

この記事をシェアする

トップへ戻る