【経済学科】国際学会「3rd Conference on Sustainable Banking & Finance」へ参加してきました。

【経済学科】国際学会「3rd Conference on Sustainable Banking & Finance」へ参加してきました。

令和7年7月1日〜2日にイタリア・ナポリで開催された環境ファイナンス学会「3rd Conference on Sustainable Banking & Finance」に、経済学部経済学科善野吉博教授が参加し、研究発表および討論を行いました。(投稿は、経済学科の FUKUDAI MagメンバーのCHOI)

 


開催校であるUniversity of Naples Parthenopeには、欧州、米国、アジア各国から著名な環境ファイナンス研究者約200名が集まり、活発な議論が交わされました。

善野教授は、「中国における機関投資家のグリーンボンドへの支払意思額に影響を与える要因の分析(北京、上海、深圳の事例)」をテーマに発表を行いました。中国の金融三大都市に所在する機関投資家約1200名を対象にオンライン調査を行い、年齢・性別・環境への関心度・居住地などの属性がグリーンボンド投資の意思に与える影響を分析。その結果、①投資経験の有無、②環境への高い関心、③上海在住であることが、グリーンボンドへの積極的な投資姿勢に有意な関係を持つことが明らかになったことを報告しました。

発表は「ESG Governance and Climate Finance: Risks and Innovations」セッションで実施され、約20名の聴講者を前に活発な議論が行われました。中国のグリーンボンド市場の成長要因、政府の関与、機関投資家が勤務する企業(証券会社・銀行等)における経営方針など多角的な観点から質問が寄せられ、関心の高さがうかがえました。

さらに同セッション内で、欧州屈指のビジネススクール・HEC Parisによる研究「Who Should Pay for ESG Ratings?」に対し、善野教授が指定討論者として登壇。研究の実社会での活用可能性や政策的含意について意見を提示し、議論の深化に貢献しました。

学会参加を通じて、福山大学の国際的知名度の向上、環境ファイナンスに関する研究者とのネットワークの拡充などの成果が得られました。善野教授からは、「環境ファイナンス分野でのさらなる研究と国際的な発信への取り組みを継続したい」とのコメントがありました。

なお帰路においては、航空ストライキの影響によりフィンランド・ヘルシンキで急遽宿泊。現地文化に触れる機会として、フィンランド式サウナの体験や、作曲家ジャン・シベリウスの旧居「アイノラ」の訪問を果たしました。 

環境ファイナンス学会「3rd Conference on Sustainable Banking & Finance」会場にて

グリーンボンドに関する研究を発表する善野教授

開催校であるUniversity of Naples Parthenopeの施設からのナポリ外景

ジャン・シベリウスの旧居「アイノラ」

 

学長から一言:イタリア・ナポリで開催の「環境ファイナンス学会」での発表を無事終えて帰国の経済学科の善野吉博教授、お疲れ様でした。中国国内の機関投資家約1200名もを対象に実施したオンライン調査の結果分析に基づく発表で、きっと同学会に参加した多くの研究者の関心と注目を集め、活発な議論が繰り広げられたことでしょう。帰路、不可抗力の航空ストライキの影響で、フィンランド観光のおまけがついたのは、日頃の行いの良さのなせる技でしょう。

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