【機械システム工学科】新任教員の紹介 -田中教授-

【機械システム工学科】新任教員の紹介 -田中教授-

2025年度、機械システム工学科では2人の新たな教員を迎えました。今回は、機械システム工学科に新しく着任の田中教授に自己紹介していただきました。投稿担当は学科のFUKUDAI Magメンバーの小林です。

 


海洋機械コース開設に伴って工学部機械システム工学科に今年4月に着任した田中寿夫です。はじめまして。自己紹介代わりに思っていることをいくつか書いてみました。

1.福山大学に赴任する前
今年の3月までは、造船会社の研究開発部門で船舶流体力学の基礎研究をするとともに、艦艇・巡視船や海洋観測船など特殊船の設計・建造を技術的に支援する仕事に約40年間従事していました。

2.福山大学の印象
キャンパスが広くて緑が多いことが印象的です。赴任した4月は桜が満開で美しく、その後もツツジや藤の花が咲き、新緑も鮮やかで、毎日キャンパスの中を歩くのが楽しみになっています。中でも一番の楽しみは、雑草を食べるためにあちこちに出現するヤギの「ふくちゃん」と「だいちゃん」に出会えることです。逢うたびに声をかけているので、どうやら「ふくちゃん」は私のことを覚えてくれたようです。

3.福山大学生の印象
学内ですれ違う学生の多くが、「おはようございます」「こんにちは」と挨拶してくれるのが、とても新鮮でうれしく思っています。学生諸君と接する機会はまだ少ないのですが、これから講義や研究を通してもっと身近な存在になれたら、と思っています。

4.現在の研究テーマ
船舶流体力学の基礎分野では、「船体表面の粗度が船体抵抗におよぼす影響」を以前から研究しています。これは防錆や生物付着防止を目的として船底に塗装されている塗料が、実はよく見るとかなりでこぼこしている(これを船体表面の粗度といいます)ため、船の抵抗を増やしているのですが、これをいかにして小さくするのか、が省エネに繋がるため、そのメカニズムや粗度の大きさと抵抗増加の関係について、これまで研究した結果をまとめていきたいと思っています。

5.担当する講義
機械システム工学の基礎に接続するかたちで、船のまわりの流れについて考える「船舶流体力学」、さらにそれを船舶に適用して船を進める技術を考える「推進性能論」を担当する予定です。また、実際の船の設計・建造のプロセスについては「船舶設計学」で講義する予定です。

6.座右の銘
“If I have seen further it is by standing on the shoulders of Giants.”
(私が少し遠くを見通すことができるとしても、それは巨人の肩に乗っているからにすぎません)
これは、アイザック・ニュートンが1676年にロバート・フック宛の手紙に書いた言葉で、ニュートンやフックのような巨人ならぬ私たちが忘れてはいけない自戒の銘だと思っています。

7.学生へのメッセージ
「ふくちゃん」と「だいちゃん」に出会うと飽きずに眺めているのですが、「なぜヤギさんに心惹かれるのか」と考えていて、わかったことがあります。ヤギさんは草を食べることが大好きで、ずっと食べ続けます。特に「ふくちゃん」「だいちゃん」は草を食べることが本学における仕事になっていて、いっぱい草を食べる(=草刈りをする)と、みんなに褒めてもらえます。

<今日も全力で仕事する「だいちゃん」>

自分の好きなことを見つけて、それを仕事にして、そのことで役に立って褒められる、これこそ「究極の職業選択」です。なので、学生諸君には、「自分にとっての草を食べること」は何か、を福山大学で見つけてほしいと願っています。そのためのお手伝いはいくらでもしますので、気軽に声をかけてください。

(追記)
一所懸命に仕事をしてくれた「ふくちゃん」と「だいちゃん」が、不慮の事故で6月25日に天に召されてしまいました。どちらも寂しがりで、独りだけでは天国に行きたくなかったのかもしれません。「懸命に働く姿の尊さ・美しさ」を教えてくれた「ふくちゃん」「だいちゃん」の冥福を祈ります。彼らのことは、「理想の職業選択」として学生諸君に伝えていきたいと思います。

 

学長から一言:工学部機械システム工学科に新たに着任の田中寿夫教授、福山大学へようこそ! 学科内に新規開設のコースである海洋機械コースを支えるスタッフとしては、全国的に見て、現在考えられる最高レベルの専門家を招聘することができ、明るい未来を見る思いです。福大の環境にも速やかに慣れ親しんで頂き、嬉しい限りです。そんな中でマスコット山羊の福と大に起こった不運は、何とも痛ましい限りですが、きっと新コースの発展を見守ってくれることでしょう。

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