【国際センター】留学生とつながる、学びと交流の時間 ―「ベトナム語・ネパール語と文化体験講座」開講中―
福山市には、現在およそ1万2千人を超える外国人住民が暮らしており、その中でもベトナム、フィリピン、インドネシア、ネパール出身の方々が多くを占めています。こうした背景のもと、地域社会での交流や共生を進めるために、福山大学の留学生と市民・企業をつなぐ新しい学びの場として、「ベトナム語・ネパール語と文化体験講座」がスタートしました。同講座について、国際センターの趙建紅がお伝えします。
この講座は、福山大学国際学科のベトナム人・ネパール人留学生が講師を務めるユニークな企画で、言語だけでなく、暮らしの中での文化的違いや実体験を通して、外国人と接する上でのヒントや気づきを共有しています。
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(開講にあたり、福山大学副学長・国際センター長の伊丹先生より、「言葉や文化を学ぶことで、理解と信頼が生まれます。学生たちの挑戦をぜひ一緒に応援してください」とのご挨拶がありました)
講師を務めるのは、福山大学経済学部国際学科4年生の次の二人です。
- グェン・トゥ・トゥイさん(ベトナム)
- グルン・プラタプさん(ネパール)

いずれも地域企業で技能実習生の通訳を経験しており、実際の職場で感じた「ことばの壁」や「配慮のヒント」など、現場で役立つ視点を交えた内容が魅力です。
たとえば――
「研修生が都合で休みたいと伝えたとき、言葉がうまく通じず、矢継ぎ早に『ダメダメ!』と言われると、気持ちが追いつかないことがあります。やはり、『そうなんですね』『大変ですね』といった一言を添えてもらえると、そのあとの説明にも納得しやすくなります」(トゥイさん)
「ネパール語の第2人称『ティミ』は、日本語の『君』と発音が似ていますが、きつく聞こえる言葉です。日本語で『きみ』と呼ばれるたびに驚き、怖く感じていたこともありました」(プラタプさん)
こうした具体的なエピソードは、単なる言語の学習ではなく、「伝え方」や「接し方」の大切さを教えてくれます。
現在、講座は毎週金曜日に開講中。ベトナム語・文化編(前半)とネパール語・文化編(後半)に分かれ、参加者と講師が対話を重ねながら授業を進めています。
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これまでの授業では、「日常のあいさつ」「相手をねぎらう言葉」などの言葉の学習以外、「年中行事と休暇の関係」「文化の違いから生じるすれ違い」などをテーマに進行。5月30日には第4回「ベトナムの年中行事と研修生が休みたい時期と理由について」が行われ、次回6月6日は「ベトナム人と日本人の長所と短所」をテーマに開催されます。6月13日からはいよいよネパール語編がスタートします。

これまでに参加された方からは、
- 「講師のお人柄が伝わる温かい講座でした」
- 「自分にはなかった視点で外国人の気持ちを知ることができた」
- 「言葉の裏にある文化や思いを感じられて、毎回楽しみです」
など、多くの反響が寄せられています。授業では受講者が積極的に質問をし、講師とともに授業をつくっていく姿勢が特徴的で、まさに「共につくる講座」となっています。
開講情報
- 期間:2025年5月9日(金)~7月中旬 毎週金曜日(全10回)
- 時間:18:00〜19:30
- 場所:福山大学社会連携推進センター(福山駅北口から徒歩1分)
- 参加費:1回500円(1回のみの参加も可能)
- 申込み:前日昼までに
📞「まなびステーション福山大学」084-932-6300
最終回には、講師2人が日本での暮らしの中で感じたカルチャーショックや、やさしい日本語について語るセッションのほか、希望者で講師を囲む交流会(ベトナム料理店にて)も予定されています。
こんな方におすすめ
- 外国人技能実習生や留学生と接する機会のある企業関係者
- 言語だけでなく文化的理解を深めたい学生・市民
- 異文化に興味があり、実践的な会話や体験をしてみたい方

この講座は、「国際理解」と「やさしさのことば」をキーワードに、外国人住民と地域社会をつなぐ小さな一歩ですが、言語の壁を越え、文化を知り、相手の立場を想像する――そんなきっかけを探している方は、ぜひ一度足を運んでみてください。
学生講師たちの等身大の声とともに、参加者一人ひとりが交流の担い手になれる、そんな場所がここにあります。
学長から一言:福山駅前にある本学の社会連携推進センターで開催されている「まなびステーション福山大学」のユニークな企画が、ベトナムとネパールの基礎的な言葉の修得の他、文化や生活習慣について、同国出身の留学生が懇切に講じる講座です。技能実習生として2カ国の出身者を受け入れている企業関係者やこれらの国に関心のある地元の方々などに、大いに活用して頂きたいものです。講師を務めるトゥイさんとプラタプさん、国際親善と交流発展のために頑張ってください。




