【大学教育センター】ブルガリア・ソフィア大学に行ってきました!

2025年10月26日から11月1日の7日間、ブルガリア共和国の首都ソフィアにあるソフィア大学「聖クリメント・オフリドスキ」(Sofia University “St. Kliment Ohridski”)を訪問した時の様子について、大学教育センターの前田が報告致します。
今回の渡航は、エラスムス・プラス(Erasmus+)教員交流プログラムの一環として行われたものです。最近では大学教育センターの鈴木ヘザー助教や、人間文化学部心理学科の大杉准教授もソフィア大学を訪問しており、福山大学とソフィア大学は2010年11月の学術教育交流協定締結以来、交換留学や短期研修など活発な国際交流を続けています。
講義やワークショップを通じて学生と交流するだけでなく、文化体験や研究交流など、多くの “新しい出会い” に満ちた1週間となりました。
ソフィア大学で行った講義・ワークショップ
ソフィア大学は、ブルガリアで最も歴史ある総合大学です。市内中心部に建つ本館校舎はまるで宮殿のような佇まいで、世界中から集まった学生が学んでいます。

今回のプログラムでは、以下4つの講義・ワークショップを実施しました。
講義:日本の大学生におけるインターンシップと職業体験
“Internships and Workplace Experience Among Japanese University Students”
10/28/社会教育専攻1・2年 約50名
日本の大学生はどんなインターンシップに参加しているのか、どのように成長しているのかを紹介しました。
近年の三省合意にもとづく「キャリア形成支援に関する取り組み」の4類型や、オンラインを活用した新しい就業体験の取り組み、就職のミスマッチによる早期離職問題なども解説しました。
ブルガリアと日本のキャリア支援や就職活動に関する文化・制度の違いに学生は興味津々。オンラインアンケートで意見を募り、両国の違いについての意見交換も行われ、講義後にも多くの質問が寄せられました。


ワークショップ:キャリアデザインツリーを用いたキャリアプランの可視化
“Visualizing Career Planning Using the Career Design Tree”
10/29/教育学専攻2年 約20名
10/31/日本語専攻 約50名
翌日は、近年の研究テーマの一つ、キャリアプランの可視化ワーク「キャリアデザインツリー」のワークショップを、教育学を専攻する2年生に取り組んでもらいました。また、今年の9月まで福山大学に特別研究員として在籍されていたクリスティーナ・イヴァノヴァさんの紹介で、後日、古典及び現代言語文学部にも訪問させていただき、多くの日本語専攻の学生さんにも「キャリアデザインツリー」を体験をしてもらうことができました。どちらのワークショップでも学生同士の意見交換は予想以上に盛り上がり、アンケートには、
-「とても興味深かったです!日本に留学したい気持ちが強まりました!」
-「自分の未来に向かって努力するモチベーションが高まりました!」
などの嬉しい声がたくさん寄せられました。仲の良い学生同士でも、ツリーを見せ合いながら「そうだったんだ!知らなかった」と語り合う姿が印象的でした。




ワークショップ:Mirai Mission(カード型ワークショップ)
“Mirai Mission – A Card-Based Workshop”
10/30/教育学専攻3年 約18名
BINGO OPEN インターンシップの事前研修でも使用しているカード教材「みらいミッション」の英語版を制作し、ブルガリアの学生が直面しそうな就活シーンを先生に選んでいただき、グループワークで取り組んでもらいました。
学生たちはすぐにルールを理解し、「この課題を解決するには、こういう力が必要だよね」「このスキルはこのミッションにも使えるんじゃない?」など活発に意見が飛び交い、教室は大いに盛り上がりました。さらに経済産業省の「社会人基礎力」についても紹介し、ブルガリアではどんな力が求められるのか意見を共有しました。
アンケートでは、「普段の大学の授業と違って刺激的!」「議論が面白くて、生産的だった」といった前向きな感想を多くいただきました。


公開講義:日本の魅力紹介 ―文化・歴史・おすすめスポット
“Introducing the Appeal of Japan – Culture, History, and Recommended Destinations”
10/29/全学対象 約50名
日本文化・歴史・観光スポットを紹介する講義では、オンラインクイズや折り紙などのアクティビティも取り入れました。折り紙の時間になると、「先生、時間が足りないです!」と声が上がるほど大盛況!
ソフィア大学の学生たちの間でもよく知られているアニメ(例:チェンソーマン、呪術廻戦)やポップカルチャー(例:J-Pop、ファッション)の話題は特に反応が良く、多くの学生が「いつか日本に行ってみたい」と語ってくれました。


どの講義・ワークショップでも、ソフィア大学の学生たちが本当に積極的で、学び合う姿がとても印象的でした。
たくさんの出会いが生んだ、未来への“つながり”
講義・ワークショップの合間には、2025年4月、福山大学に来学されたロシツァ・シメオノヴァ准教授との再会に加え、ソフィア大学の教育学部や日本語専攻の先生方とキャリア教育や就職支援、日本語専攻の学生のキャリアなどについて意見交換を行いました。キャリアデザインツリーのワークを見学した先生からは、今後の研究協力につながりそうな活用提案もいただきました。

2025年4月に福山大学に来学されたシメオノヴァ先生と教育学部の先生

日本語専攻の先生と2025年9月まで特別研究員として福山大学に在籍されていたクリスティーナさん
また、福山大学で新たに開発されたワイン「さくら」を贈呈させて頂くと、とても喜ばれ、場が一気に和みました。
さらに、日本語専攻の学生が、福山大学が寄贈した「琴(Koto)」を実際に練習している様子も拝見でき、「いつか日本で本物の琴の演奏を聞いてみたい」という声も聞かれました。文化を通じた交流の広がりを感じる瞬間でした。

エラスムス・プラス教員交流プログラムの担当副学部長のビストラ・ミゾヴァ先生にも福山大学「さくら」ワインを贈呈させて頂きました


ブルガリアへの留学、ぜひチャレンジしてみませんか?
今回の訪問を通して、「もっと学生同士の交流の場をつくりたい」「福大生の皆さんにもブルガリアを体験してほしい」という気持ちが強まりました。
ソフィア大学の学生はとてもフレンドリーで、日本にも強い関心を持っています。街には歴史ある建築とアートがあふれ、ヨーロッパの中では物価も比較的安く、学生生活もしやすい環境です。





そして何より、異文化の中で暮らし・学ぶ経験は、価値観を大きく広げてくれます。世界に触れることで、自分や身の回りの環境についても客観的に見つめられるようになります。これは、大学時代だからこそ得られる貴重な学びです。
実際に、自主ゼミ「キャリアデザインゼミ」の学生たちが、以前オーストラリア・メルボルンで研修を行った際にも、英語でコミュニケーションする大変さ以上の喜びと充実感を得て、大きな成長を遂げて日本に帰ってきました。
この記事を読んでくれている福山大学の学生のみなさんと、そして将来の進学を考えている高校生のみなさん。ぜひ、福山大学の国際交流プログラムを活用して、海外に飛び出してみてください。新しい世界が、皆さんをきっと待っています。私にサポートできることがあれば、いつでも気軽に相談に来てくださいね。
皆さんのチャレンジを、心から応援しています!
学長から一言:大学教育センターの前田吉広准教授によるブルガリアのソフィア大学での集中講義は大成功だったようです。お疲れ様でした。ソフィア大学と本学との交流は着実に発展しています。本学への訪問経験者の皆さんとの再会も果たすことができて、大学間交流がまたいっそう深まりました。エラスムスプラスの枠組みにより、本学からブルガリアへ教員による短期の集中講義だけでなく、長期の留学を果たす学生諸君が多く現れることを期待します。






