【生物科学科】卒業生が国際学術誌に論文を発表!

石塚講師から嬉しい報告がありました。サルとヘビの関係性について探った昨年度4年生の研究が学術論文として発表されました。石塚講師が報告します(生物科学科 佐藤)。
みなさんこんにちは。大変喜ばしいことに、本学科の卒業生のTさんの卒業研究が論文として出版されました。元指導教員である石塚が概要を報告します。
霊長類とヘビの切っても切れない関係
Tさんは在学中にサルとヘビの関係について研究していました。みなさんヘビは好きでしょうか?多くの方は怖い!苦手!と感じると思います。私たちを含む霊長類は森林で誕生した後、そこに棲むヘビたちに捕食されながら進化してきました。それゆえ私たちはヘビの捕食を回避するためにさまざまな形質を獲得しており、その一つがヘビへの恐怖の情動なのです。これまでに霊長類による対ヘビ戦略についてはさまざまな側面から研究が行われてきました。一方で、野生の霊長類がヘビと遭遇する場面を観察する機会はほとんどありません。それゆえ野生の霊長類が遭遇したヘビに対してどのように反応するかについての知見は不足していました。
ニホンザルにヘビの模型を見せてみた
そこでTさんは卒業研究の中で、香川県小豆島のニホンザルを対象とし、ヘビの模型を提示する行動実験を行うことで、サルたちがヘビに対してどのように反応するかについて調べました。フィールドで地道に実験を重ねた結果、オトナのメスはオスよりもヘビからの逃避行動の頻度が高いことや、コドモの方がオトナよりもヘビへの注視時間が長いことを突き止めました。多くの研究が行われてきたニホンザルにおいても初めての発見です。栄誉あることに、この研究は動物行動学の国際学術雑誌に掲載されました。

卒業研究の学びを持って社会へ羽ばたく
このように生物科学科の学生たちは、国際的にも十分に評価されるような研究に取り組んでいます。Tさんは研究室に配属された当初は野生動物研究についてほとんど知識と経験がありませんでしたが、テーマの決定からヘビ模型の作製、野外調査、データ分析に論文執筆まで、教員や研究室仲間との対話を通じて少しずつできるように成長しました。卒業式の後も大学に来ていた彼女は、研究室で楽しく学ぶ日々を積み重ねられたからこそ、今回の成果に至ったのだと思います。嬉しいことに、現在は教師として活躍中の彼女は、自身が担当する理科の授業でも本成果の内容を活かしているそうです。これからも生物科学科の学生たちが、学生生活の中で得た学びを活かしつつ、社会の中で活躍してくれることを願うばかりです。
出版された論文は下記のURLからご覧いただけます。
https://doi.org/10.1016/j.beproc.2026.105344
学長から一言:生物科学科で教員と学生が共に進めたニホンザルの行動研究が、国際学会で高い評価を得ました。野生の猿が蛇に遭遇したときに如何なる行動をとるか、地道な観察を通じて年齢や性による違いを詳細に明らかにした論文が、動物行動学の国際学術誌に掲載。霊長類の行動の謎の一端を解き明かす貴重な研究。しかも研究業績として重要な意味を持つ筆頭執筆者は学部生。生物科学科での学びが素晴らしい成果や学生の成長につながることを示す、実に誇らしい報告です。






