【海洋生物科学科】福山大学現職教員が、卒業生と奇跡のコラボ!? ~瀬戸内海・東シナ海より新種のクラゲを発見!

海洋生物科学科の泉貴人講師らのグループはこの2月、瀬戸内海及び東シナ海に生息する「アマノガワクラゲ」を新種として発表しました(論文はこちら)。今回の研究成果は、泉講師が3館もの水族館との共同研究の末に発表したものですが、なんと福山大学のOBもかかわっているようで…!?
今回はDr.クラゲさんこと泉講師から、不思議な新種のクラゲについての紹介です(投稿は海洋生物科学科の山岸)。
突然ですが、泉の専門とするクラゲには、いくつかのグループがあります。その中で、今回の主役となるのは「ヒドロ虫」と呼ばれるクラゲの仲間です。
この仲間には、数ミリから数センチメートルの小さくて華奢なクラゲが多く所属します。サイズが小さくて地味な代わりにその種類は多く、頻繁に新種が見つかります。
今回新種として報告したのは、こちらのクラゲ!
直径2センチメートルほどの本種は、瀬戸内海および東シナ海で見つかっており、体の特徴からワタゲクラゲ科ワタゲクラゲ属と判明しました。

アマノガワクラゲの成体。直径約2センチメートル。 (提供:九十九島水族館海きらら)
しかし、既知の種にはない特徴をその生殖巣(十字状に走っている部分)に有しており、それが「星」のような茶褐色の構造体。このような形態を持つ種は、属はおろか科の中にも存在しておらず、非常に特徴的です。
泉講師らは形態とDNAを分析し、本種を未記載種(新種予備軍)と同定し、この度「アマノガワクラゲ」と銘打って新種として発表しました。新種の名称は、曲がりくねる生殖巣の中に星が浮いている様子(写真②)を、天の川になぞらえました。また、学名には「星がある」ことからの連想で「ミシュラン」の名前を借りています。

アマノガワクラゲの生殖巣。曲がりくねる中に星々、まさに天の川。 (提供:九十九島水族館海きらら)
さて、この新種の研究には、3館もの水族館が協力してくれました。
東日本のクラゲの水族館として名高い鶴岡市立加茂水族館(山形県)、同じく西日本から九十九島水族館海きらら(長崎県)。この2館は、泉が研究のために毎年訪れる至高の水族館です。そして、瀬戸内海に浮かぶ周防大島町なぎさ水族館(山口県)も、クラゲの採集名人が在籍する隠れたクラゲの名所。
この3館が、アマノガワクラゲの採集と飼育観察を担ってくれました。今回の成果は、水族館スタッフさんたちの協力がなければ、とても成しえなかった!



上から、加茂水族館、九十九島水族館、なぎさ水族館。今回のオールスターである。
何より、そんな水族館スタッフの中に、なんと!福山大学の卒業生がいるんです!
それは、九十九島水族館海きららに勤める後藤壮汰さん。彼は、海洋生物科学科の高村克美教授の研究室でクラゲを学び、卒業後に九十九島水族館海きららでクラゲ担当として活躍しています。
即ち今回の研究は、現職教員と卒業生が奇跡のコラボレーションを果たした、福山大学の歴史においてもアツい研究となりました。
泉講師からは「今回のアマノガワクラゲは、福山大学のお膝元である瀬戸内海でも採集されたクラゲが、各所の水族館で飼育されたことにより大きく発展した研究。泉の設立した“水族館生物学”が、また一つ形になりました。しかも、今回は福山大学の卒業生とのコラボレーション!実にいい響きですね。」とのコメント。また、九十九島水族館海きららで活躍する福山大OB、後藤壮汰さんは「高村教授の下でクラゲの研究に関わらせていただいたおかげで、クラゲへの関心が深まり今の仕事を楽しめています。縁あって、今回の新種発表にも関わらせていただき光栄です!九十九島水族館でも3月中下旬頃に展示予定なので、ぜひ遊びに来て下さい!」とのコメントを寄せてくれました。
興味深い本研究について、泉講師がYouTubeチャンネルで自ら解説しています!このリンクからアマノガワクラゲの解説動画もご覧いただけます。
学長から一言:海洋生物科学科の泉貴人講師が国内3水族館との共同研究を通じて発見した新種のクラゲ、その名も「アマノガワクラゲ」と、何ともメルヘンチック。共同研究には、九十九島水族館「海きらら」勤務の本学OB後藤壮汰さんも参加。クラゲ研究が取り持つ福大海洋生物科学科の絆が、まるで天の川のように繋がりました。






