【グリーンサイエンス研究センター】外来種の専門家によるセミナーを開催(12/12)

外来種は日本全国、いや世界中の問題です。人の活動が原因となって、もともとは生息していない生き物が在来の生き物たちの生息を脅かしています。しかし、具体的には外来種は何が問題で、そしてどのように対応したらよいのでしょうか?皆さんは説明できるでしょうか?第53回グリーンサイエンスセミナーでは、森林総合研究所(つくば市)から亘悠哉博士をお招きし、外来種にまつわる問題について具体例とともに詳細に解説をしていただきます。グリーンサイエンス研究センター センター長の佐藤生物科学科)がご紹介します。

参加を希望される皆様は以下のURLあるいは、このブログの下にあるチラシのQRコードから参加登録サイトにアクセスし、参加をご登録ください。福山大学の教職員、学生の皆さんは登録の必要はありません。どうぞよろしくお願いいたします。

参加登録サイト(学外者用):https://forms.gle/G5wiGxwia6L6YRReA

 

第53回グリーンサイエンスセミナー

講 師: 亘 悠哉(森林総合研究所 野生動物研究領域・チーム長)

演 題: 「なぜそこに外来種がいるのか? 導入の経緯と私たちが果たすべき責任」

日 時: 令和7年12月12日(金) 午後3時00分から5時00分まで

場 所: 17号館2階講義室(1721)

要旨: 

アライグマ、ハクビシン、マングース、クリハラリス、タイワンザル、ネコなど、もともと日本の生態系にいなかった外来種や、国の在来種であっても、地域によってはもともと存在しなかった種が定着したニホンジカやニホンイタチなどの国内外来種が、様々な影響を引き起こしています。その影響は、在来種の捕食などの生態系インパクトにくわえて、農林業経済被害や、人獣共通感染症のリスクの増幅、交雑など多岐にわたっています。

こうした事態に対して各地で外来種対策が行われています、2024年9月には、奄美大島でマングースの根絶達成が宣言され、世界的な快挙として報じられました。しかし、依然として成功した外来種対策はごく一部に限られており、一旦外来種の定着を許してしまうと、なかなか太刀打ちできない現実も明らかになってきました。さらに、タイワンリスやニホンジカなど近年新たに定着が確認され被害が発生したという報告が続くなど、外来種問題が繰り返されている状況は大きくは変わっていません。

本講演では、まず日本における外来哺乳類の侵入の状況について解説します。そして、なぜ外来種対策がなかなかなうまくいかないのか、その背景について外来種対策の制度的な課題に着目して議論したいと思います。最後に、そもそもこれらの外来種がどんな経緯で導入され定着してしまったのか、そしてその原因が今では取り除かれているのかどうかを検証し、今後の外来種問題の解決に必要な取り組みについて考えたいと思います。

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学長から一言:私たちの周りに棲息する生き物のうち、在来種と呼ばれる元々わが国にいた動植物に加え、何かの原因で新たに加わった外来種は興味深くもあり、放っておけない種々の問題をもたらしたりもします。次回のグリーンサイエンス研究センター主催のセミナーはそんな外来種のことについて知る絶好の機会。多くの方々の来場が望まれます。