【生物科学科】福山大学が日本哺乳類学会で大活躍!

先日、わたくし(佐藤)の日本哺乳類学会賞について紹介していただきましたが、それ以外においても、今回の日本哺乳類学会2025年度北海道大会では、福山大学生物科学科の学生と教員が大活躍しましたので、以下のように報告します。学会賞受賞講演は札幌市教育文化会館で実施されましたが、大会そのものは酪農学園大学でおこなわれました。北海道らしい、広々とした開放感あふれるキャンパスが魅力的でした。

4年生 はじめての学会発表
進化生物学研究室4年生の川辺透也君が、はじめての学会発表をしました。いつもは動物の骨に夢中の川辺君ですが、今回は遺伝子から探る進化についての発表でした。タイトルは「MIG-seq法で探る瀬戸内海島嶼のアカネズミの遺伝的分化」です。瀬戸内海の島々に生息するアカネズミが遺伝的にどのような類縁関係にあるのかを分析し、過去の集団の分断や交流を議論しました。初めての学会発表とは思えないコミュニケーション能力を発揮しました。

実は、昨年の2024年度兵庫大会にも参加していた川辺君。たくさんの研究者と知り合いになり、学会発表への思いを募らせてきました。4年生になり早い段階ですさまじい勢いで実験をこなし、何とか学会発表にこぎつけました。ポスターが出来上がった後は、ポスターを持って学科の先生を突撃訪問して意見をもらうという気合いの入れようでした。学会でも多くの皆さんからコメントをもらえたようですね。以下の川辺君の言葉からも充実感が感じられます。
川辺君から一言:初めて学会でポスター発表をして、分野の違う人に説明することや、同じ分野で自分よりもずっと豊富な研究の経験や知識を持つ方からの質問に答えることの難しさを実感しました。ですが、多くの方々から研究に対する貴重なアドバイスをいただき、大変参考になった上に、研究に対する意欲や関心が一層高まりました。また、異なる分野の研究発表を聞いたり、研究者の方と話すことで、幅広い知見を得て、とても刺激的でした。今後は、この学会での経験を活かして、これからも研究に励んでいきたいと思います。

石塚講師 日本哺乳類学会論文賞受賞
この度、石塚講師が日本哺乳類学会論文賞の栄誉に輝きました。学会が発行する英文誌Mammal Studyに掲載された論文の中から、毎年1-2報のみが選出される栄誉ある賞です。受賞論文は以下の通りです。内容は瀬戸内海の小豆島において、シカとサルの糞を回収し、DNA分析をすることで、両種ともに本州由来であることを明らかとし、遺伝的多様性の分析からそれぞれの集団の成立過程を論じたものです。今後の日本における哺乳類研究の発展に大きく寄与することから日本哺乳類学会論文賞に選出されました。石塚講師、おめでとうございます!

福山大学の貢献
日本哺乳類学会2025年度北海道大会は、福山大学の活躍が見られた大会となりました。発表演題は以下のようになります。要旨のファイルにもリンクしました。学会における福山大学のプレゼンスが高まりを見せています。
川辺透也、安田皓輝、渡邊裕、松本将成、石塚真太郎、佐藤淳(2025)【ポスター発表】MIG-seq法で探る瀬戸内海島嶼のアカネズミの遺伝的分化.日本哺乳類学会2025年度大会(8月22-25日、酪農学園大学).要旨集 209 (P-305).
石塚真太郎、鳥越秀美、香田啓貴(2025)【口頭発表】ニホンザルにおけるヘビの行動反応.要旨集 83 (OA-05).
佐藤淳、小坂家竜聖、加登堅吾、山口泰典(2025)【口頭発表】里山環境におけるニホンテンの柔軟な食性:糞中DNAメタバーコーディング分析. 要旨集 92 (OC-01).
佐藤淳(2025)【学会賞 受賞講演】哺乳類の進化と生態~DNAにこだわり続けた四半世紀~(受賞タイトル:哺乳類の分子系統・進化・生態に関する統合的研究の推進).要旨集 16-17.
学長から一言:日本哺乳類学会の2025年北海道大会で、本学の生物科学科の教員・学生が大活躍。学会賞受賞の佐藤淳教授、4年生にしてすでに堂々たる学会発表を行った川辺透也君、そして石塚真太郎講師は優れた論文に贈られる日本哺乳類学会論文賞を受賞。他にも生き物だいすき人間のメンバーがそれぞれ日頃の研鑽の結果を遺憾なく発揮し、実に素晴らしく、誇らしい!






