【海洋生物科学科】「世界最強のイソギンチャク学者へ」泉講師、Sea Anemone Taxonomy Workshop 2025での奮闘記

去る11月前半、海洋生物科学科泉貴人講師が、シンガポールで行われた国際的なイソギンチャクのワークショップに参戦してきました。

国際的なイソギンチャク研究の権威もシンガポールに集結し、さながら世界最先端の勉強会の様相を呈したその様子を、泉本人が写真付きでリポートします。(記事投稿は学科のFUKUDAI Magメンバーの山岸)

 


先日、シンガポールで行われたるは、International Sea Anemone Workshop。国際的なイソギンチャクのワークショップで、各国から大勢の研究者や学生が参加しました。

日本からは4人が乗り込み、その一人がわたくし泉でした。

主目的は、日本と世界とで最新研究の方法論をすり合わせること、そしてもう一つ、世界の最先端ともいえる学者たちとの研究談義でした。手前味噌ながら、イソギンチャク研究12年、論文も本も多数出版し、既に天下無双ともいえる泉ですが、世界的の名だたるイソギンチャク研究者の中ではまだまだ新人。…こう見えて、海洋生物科学科で唯一の平成生まれ、並びに30代の先生なんですからね(苦笑)

ゆえに、世界の学者たちとは既に馴染みではあったものの、彼ら彼女らとはウェブ上で連絡を取り合うのみで、実際に対面したことはなかったんです。

今回は、世界のイソギンチャク学者の中でも選りすぐりの“化け物”たちがシンガポールに集結していたので、自分の研究を売り込む大チャンスでした。

今の世界のイソギンチャク研究の“大ボス”ともいえるアメリカの「メグ」ことMarymegan Daly女史。泉も新人時代、彼女の論文で幾度となく勉強しました。今回、ついに氏とコラボした巨大な仕事が決定!

「ファニ」ことEstefanía Rodríguez氏(上)。最近のイソギンチャクの分類体系を若くしてDaly氏とともに作り上げた傑物です。

「ベン」ことBenjamin Titus氏(右)はクマノミと共生するイソギンチャクの研究をリードしている大家です。

そしてオーガナイザーの「ニック」こと、シンガポールのNicholas Yap氏。私とほぼ同時期に出てきたアジアの若手のホープで、お互いに論文の査読をする仲。どことなく見た目の雰囲気が似ていて親近感が湧きます(笑)。今回、「ついに戦友に会えた!」という感じでした。

※因みに私は「Dr.イズーミ」と呼ばれています。

この4人を講師として迎えたワークショップは、フィールドワークや、標本処理の技術の研修とともに、最新のイソギンチャク研究の方法論の勉強会と言った雰囲気。

12年研究に身を浸した泉でも、まだまだ学ぶところがあった有意義な勉強会となりました!

日本の後進も育ってきていますし、今度は日本でも開催しますかね?

以上です。

泉講師は「今回、世界の権威たちと対面談義し、向こう10年分ぐらいの研究ヴィジョンが決まった気がします。非常に大きな成果を得るとともに、自慢と自信が生まれた旅でした。…ただし、さらなる国際的な学者になるために、英会話力だけはここからまた鍛えねばなりませんな(笑)」と、ご満悦の様子でした。

<おまけ>

ワークショップの空き時間で見学していたシンガポールのオーシャナリウム。丁度この2025年夏にリニューアルした、世界最大級の水族館です。水族館の本を書き、「水族館生物学」を推進する泉講師にとっては、これも歴とした“学び”。弊学の水族館にも、活かせるものがあったでしょうか。

さらなるオフショット集は、泉講師のSNSをご覧ください。

 

学長から一言:世界の名だたるイソギンチャク研究者がシンガポールに集まった国際ワークショップ。そこに日本からの参加者4名のうちの一人として参加した海洋生物科学科の泉講師。“Dr.イズーミ”と呼ばれ、各国の一流の研究者と実際に出会い、肩を並べ、議論を交わすなど、まさしく学者冥利に尽きる経験というもの。この日頃は「Dr.クラゲさん」と自称し、型破りの日本の若い研究者は“ただ者”じゃあないと、きっと出会った錚々たる人たちから思われたことでしょう。