【薬学部】薬剤師のための研修会を尾道薬剤師会と連携して開催!

「広島びんごフィジカルアセスメント研究会」は、本学薬学部教員と地域薬局や病院勤務の薬剤師の有志によって構成されており、地域貢献や研究活動を行っています。この度、尾道薬剤師会と連携し、日本薬剤師研修センター認定の「令和7年度研修会」を2026年1月14日(水)に開催しました【1】。その模様について、薬学部 杉原教授からの報告です(投稿は五郎丸です)。

 


【1】 令和7年度広島びんごフィジカルアセスメント研修会の案内

 

令和7年度研修会の演題は「フィジカルアセスメントによる向精神薬の副作用マネジメント」でした。講師はJA尾道総合病院 薬剤部長の別所千枝先生【2】が務めてくださいました。座長は、本学薬学部の佐藤雄己教授が務めました。

【2】 講師のJA尾道総合病院 薬剤部長 別所千枝先生

 

本学卒業生を中心に多数の参加申し込みがあり、Webの上限人数に達したことから、申込期間終了前に参加受付を締め切りしました。当日の参加者数は80名を超え、盛会となりました【3】。

【3】研修会場の様子

 

向精神薬による副作用のマネジメントでは、「患者さんの症状は点で視ない、線で視ること」の重要性について、薬の副作用を薬で補う悪循環に陥った処方カスケードの防止の視点から説明がありました。また、抗精神病薬は長期継続が必要な場合が多いため、注意すべき副作用は多数あり、副作用を見逃し、その副作用が原因で怠薬となり、再発のリスクに繋がるケースもあることが紹介されました【4】。

【4】 講演中の 別所千枝先生

さらに、抗精神病薬は、不眠、せん妄、抗がん薬による悪心、嘔吐、動揺病にも有効なため幅広く使用されていることから副作用症状の確認は大切であり、特に、錐体外路症状は見逃してはならない重要な副作用とのことでした。錐体外路症状は、脳内にある黒質-線条体神経路のドパミンが遮断されることに起因しており、早期発見が求められます。抗精神病薬による錐体外路症状の評価ツールであるDIEPSS(日本精神科評価尺度研究会)について、別所先生は、座長の佐藤教授の協力を得て特徴的な症状を再現し、フィジカルアセスメントのポイントを分かりやすく解説してくださいました【5】。その画像はWeb視聴者にも伝わるように尾道薬剤師会の山田先生が別のパソコンを利用して配信してくださいました【6】。

【5】 佐藤教授の協力を得て錐体外路症状のアセスメントのポイントを解説している別所先生

 

【6】 別所先生によるアセスメントのポイントの解説は、Web参加者
にも尾道薬剤師会の山田先生により配信されました

 

抗うつ薬は高齢者に処方されることが多い向精神薬の一つであり、倦怠感、めまい、ふらつき、意識低下、食欲低下の症状として表われる低ナトリウム血症の副作用への注意が必要とのことでした。その他、不眠やアルコール離脱せん妄についても講演の中で取り上げてくださいました。

この度の研修会では尾道薬剤師会に加えて、福山市薬剤師会や因島薬剤師会など近隣の薬剤師会にも大変お世話になりました。ご協力くださいました地域の薬剤師会の関係者、ならびに研修会に参加してくださいました皆様に御礼申し上げます。

広島びんごフィジカルアセスメント研究会 代表
薬学部 教授 杉原成美

 

学長から一言:地元薬剤師会のご支援の下、薬学部で開催の日本薬剤師研修センター認定の研修会では、JA尾道総合病院の別所千枝薬剤部長を講師にお迎えし、長期の服用になりがちな向精神薬の副作用をめぐってご指導を頂きました。Web参加も含めて80人もの参加者という盛り上がり。本学関係者のみならず、多くの方々にとって貴重な研修機会となったようです。