【生物科学科】石塚真太郎講師、日本哺乳類学会奨励賞を受賞!

生物科学科の石塚真太郎講師が、日本哺乳類学会奨励賞を受賞しました!!日本哺乳類学会奨励賞は、哺乳類学の発展に寄与する優れた研究活動を展開し、今後の活躍が期待される若手の会員に授与されます。2026年9月11日から14日まで岩手県盛岡市で開催された日本哺乳類学会2026年度大会の中で、授賞式と受賞講演が行われましたので、その様子を同学科の佐藤が報告します。下の写真は授賞式の様子です。受賞タイトルは「行動学と遺伝学を融合した哺乳類の生態研究」です。


世界から瀬戸内へ、そして世界へ
石塚講師は大学院時代にアフリカの類人猿ボノボを対象とした研究を開始しました。その中で、遺伝分析を通して、ボノボの血縁関係を調べ、多くの子の父親が第一位のオスであることなどを明らかにし、集団内の社会構造を明らかにしようと努めてきました。わたしたちヒトに最も近い類人猿であるボノボやチンパンジーの生態研究は、誰もが憧れる国外の哺乳類の研究です。
しかし、大きなチームの中で研究を進める中で、自分自身でボノボの行動観察を十分に行えないなど、心残りがあったそうです。その中で、自らが行動分析も遺伝分析も行い、これらを融合することで研究が展開できる哺乳類を対象にしたいという気持ちが強くなったとのことです。そこで出会ったのが小豆島のサルです。瀬戸内の研究への船出です。
小豆島のサルは、100頭を超える個体が集合することによって形成される「巨大猿団子」が見られます。研究の結果、巨大猿団子では、優位なオスほど内側を陣取ることが多く、効率良く寒さを凌いでいることが明らかとなりました。また、ニホンザルの「ハグ」を瀬戸内地域ではじめて発見し、緊張緩和に役に立っていることを明らかにしました。こうして瀬戸内から得られた興味深い知見は、国際的な学術誌に掲載され、世界的に共有されています。世界から瀬戸内へ、そして世界へと展開しています。これがサイエンスの醍醐味ですね。


霊長類研究から他の哺乳類研究へ
小豆島でのサルの研究を続ける中で、石塚講師はイノシシやシカなどの他の哺乳類へと研究の幅を広げています。小豆島中から動物の糞や組織を集めて、遺伝分析をすることで、小豆島におけるサルとシカは本州に起源があること、またイノシシは四国から泳いで渡ってきたことを明らかにしました。どうやらわたしたちが知らないところで、ダイナミックな歴史が展開されているようです。
このように、世界と地域をまたにかけて、行動と遺伝という多角的なアプローチから、哺乳類の生態を明らかにする研究は大変興味深いです。今後も、どんどん幅が広がり深みを増すことで、ますます石塚講師の研究から目を離せなくなるでしょう。この度はおめでとうございます!

石塚講師から一言:大変栄誉ある賞をいただき、とても嬉しく思います。福山大学の学生さんや、佐藤教授はじめ同僚の先生方のサポートのおかげで研究を展開することができました。これからも瀬戸内の哺乳類研究の魅力を発信していきたいと思います。
学長から一言:生物科学科の石塚真太郎講師、日本哺乳類学会奨励賞の受賞、おめでとうございます。小豆島のサルをはじめとして瀬戸内エリアを舞台に進める「行動学と遺伝学を融合した哺乳類の生態研究」の価値が高く評価された結果です。フレッシュな発想とエネルギッシュな行動力で、これからも次々と興味深い研究成果が生まれることでしょう。楽しみです。






