【海洋生物科学科】水族館へ新たな仲間が! 大水槽へ キジハタ展示の一日~キジハタが結ぶ地域の繋がり~

尾道市因島に在る福山大学附属内海生物資源研究所マリンバイオセンター水族館~に、愛媛県漁協大三島支所から寄贈いただいたキジハタが仲間入り!!  漁協の皆様とともに展示作業をした1日の様子が、水族館運営に携わる学生スタッフ “海洋生物科学科4年生アクアリウム科学研究室の引田瑞蛍さんと亀井紫織さん” から届きました。その模様を、同学科FUKUDAI Magメンバーの阪本がお知らせします。

 

 


キジハタがやって来た!!

マリンバイオセンター水族館は、海洋生物科学科の学生が運営しています。大学としては全国的にも極めて稀な施設で、一般公開も行っている附属水族館です。約90種の水生生物を常設展示しています。学生が通学する平日限定の一般公開ですが、年間1万人以上の来館者が訪れる地域密着型の水族館です。2024年4月には、大水槽(150 t)をリニューアルしました。「水槽をリニューアルしたから、新しい魚がたくさん泳ぐようになるといいよね」と、日頃からお世話になっている愛媛県漁協大三島支所の皆様のご厚意で水槽展示用に漁獲いただいたキジハタ13尾を、4月15日から一般公開することになりました。約4カ月前に大三島支所からお預かりしたキジハタは、沿岸資源培養学研究室で管理する養殖水槽内で事前飼育をし、展示に向けた準備を進めていました。

新しく展示水槽に収容する魚は、既に展示している魚たちへの感染症を持ち込まないよう、必ず外部寄生虫を落とすところから始めます! 今回は薬品を使わず、「低塩分海水浴」を行いました。学生たちは熱心に片山教授から作業の注意点などを聞きました。

【低塩分海水浴】とは?

今回は、キジハタに寄生するハダムシ類の駆虫に有効性が示されている方法に従って、通常の約1/5の塩分海水に40分間漬ける方法を採用しました。できる限り魚体へ負荷を与えずに、浸透圧を利用して寄生虫だけを弱らせて駆虫することができます。低塩分海水浴後は、もう一度通常の海水へ戻し、魚体へのダメージの有無をしばらく観察しました。

キジハタは、ハダムシの寄生によって餌を食べなくなったり、二次的な細菌感染症等で死亡する場合があるため、養殖場での被害も報告されています。落ちた寄生虫を顕微鏡で観察しました! 目視で確認できる大きさのものもいれば、かなり小さい個体もいました。寄生虫の姿をじっくり見る機会はあまりないため貴重な体験になりました。

低塩分海水浴後、魚が落ち着いた頃を見計らって、いよいよ水族館まで運びます! じつは…低塩分海水浴を行った養魚施設から水族館までは、少し距離があるのです。一体どのようにして運ぶのかというと…。魚に傷がつかないように柔らかいラバーネットを使い、大三島支所の皆さんが水槽からすくい取ったキジハタを手渡しで受け取り…その後は、全力ダッシュ!! 外はあいにくの雨でも関係ありません!

キジハタを持って走る学生の様子を見て、「フレッシュでいいね~! 明るくて元気をもらえる!」とのコメントをいただきました(^^♪ そのように言っていただけると、張り切る糧になりますね(^^)/ 4人の学生が代わる代わる、無事にお預かりした13尾全てを運びきりました…! 

やっと水族館まで運ばれてきたキジハタですが、実はまだ展示する大水槽には入りません! 今度は一度、水族館のバックヤード水槽内で待機です。水族館のバックヤードでは、研究のための生物や、今回のように水槽に導入する前に養生している生物、また病気やケガの療養中の生物などの飼育・管理を行っています。普段は非公開のバックヤードの解説を漁協の皆さんに行いました。皆さんは、とても興味を持って聞いてくださいました。

いざ、大水槽へ!!

多くの過程を経て、本日のメインイベント! いよいよ大水槽への導入です! 水槽へ直接入れる前に、もう一度だけ大水槽裏に仮設置した水槽にキジハタを移動させました。作業もラストスパートです!

さて、準備も整ったところで、いよいよ大水槽へ導入です! 大三島支所の皆さんとともに、いざ大水槽へ…!! 最後の大役は、普段から大水槽を管理する学生スタッフ2名が担当しました!

その頃、大水槽の展示側では…

水族館展示側からも別の学生がキジハタの導入を見守っています。当日来館していた子供たちと、大三島支所の皆さんが交流する様子も見られました…!

大水槽への導入は無事に完了です! 大きめのキジハタ9尾が仲間に加わりました~<゜)))彡 その後は、大水槽の展示用としては少し小さい4尾を、岩礁水槽へ導入しました。こちらも大三島支所の皆さんとの共同作業です! 子供たちも、元気に泳ぎ出したキジハタに釘付けでした!

最後に、キジハタを寄贈いただいた大三島支所の方へインタビューさせていただきました! お話の中で印象的だったのは、「子供や学生の笑顔のために」という言葉です。水族館リニューアル当初は水槽内の魚も少なかったため、運営を行う学生や水族館を訪れる子供たちのためにも、「よりよい水族館をつくろう!出来ることは協力する」、と大学へ働きかけてくださったそうです。また、大三島支所の皆さんも水族館での展示を目的に魚を準備するのは今回が初めてで、魚を捕獲してから大学へ引き渡すまでの過程では、魚体を傷つけないよう配慮するなど苦労も多かったそうです。日頃の操業でお忙しい皆さんが、私たちのために時間を割き対応してくださったお話を聞くと、胸が熱くなります。私たちに「普段の講義だけではなく、今回のような生体輸送やフィールドワークなどにも積極的に挑戦し、意欲的に学んで欲しい」と思っていただいているお気持ちが、ひしひしと伝わってきました。

今回のキジハタ導入作業を通して、生物が展示されるまでの流れや作業を体験することができ、私たち学生にとって非常に価値のある経験となりました! また、大三島支所の皆さんから伺ったお話を通し、地域の方の思いや漁業の大変さについても知ることができ、学び多い一日となりました! 改めて、水族館という施設は訪れてくださる来館者や、展示生物を提供してくださる漁業者の方々、さらに、それ以外にも多くの方の協力の元で、水族館を運営することができていることを実感しました! 今回の経験を今後に活かし、より良い水族館を目指して日々精進したいと思います‼

福山大学マリンバイオセンター水族館では、季節ごとの館内の様子やスタッフの活動、展示内容やイベント情報などを、公式Instagramで発信しています!ぜひこちらもご覧ください。
https://www.instagram.com/fukuyama_u_marinebiocenter/?hl=ja

また、今回の活動動画は福山大学の公式インスタグラムからもご覧いただけます!

https://www.instagram.com/fukuyamauniv/

通常は平日のみの開館ですが、5月は2日、9日、16日の土曜日も特別に開館いたします。この機会にぜひ水族館へお越しください!学生スタッフ一同、皆様にお会いできることを心よりお待ちしております!

 

 

学長から一言:因島キャンパスの本学附属マリンバイオセンター水族館の大型水槽他の展示魚種として新たに加わったキジハタ13尾。愛媛県漁協大三島支所の皆様からの贈り物です。いつもながらのご支援、有り難うございました。海で獲れた魚をそのまま水槽に、ではないのですね。展示に向けて、寄贈から4か月かけて外部寄生虫対策などをバックヤードで十分に行った上で水槽に移し替え。お疲れ様でした。元気に泳いで入館者の目を楽しませてくれることでしょう。