【生物科学科(生物工学科から令和6年4月名称変更)】ラオス海外研修報告③大学間交流とMOA

ラオス海外研修の報告第3弾です(先日、第1弾第2弾は報告しました)。来年度から生物工学科は生物科学科へと名称変更します。今回は、12月5日に、首都ビエンチャンにある、同じく生物学を学ぶラオス国立大学自然科学部生物学科を訪問し交流しました。後半には、12月8日に、古都であるルアンパバーンにあるスファヌボン大学農学・森林資源学部を訪問し、本学生命工学部との間で、MOA(Memorandum of Agreement)を結びました。その様子を生物科学科生物工学科から令和6年4月名称変更)の佐藤(引率教員)が報告します。

ラオス国立大学では、突然の訪問依頼にも関わらず、快く受け入れてくださり、しかもウェルカムな雰囲気で、生物学科をご紹介いただきました。発酵食品の開発や、希少植物の保全、脊椎動物や植物の進化や生態に関する研究の一部をご紹介いただきました。わが学科と近い内容で将来的に共同研究ができると感じました。以下の写真は、自然科学部正面、ラオス固有の新種の植物を栽培している様子、両生類、爬虫類、植物の標本庫です。福山大学にはこうした標本庫がありませんね。標本庫にはラオスの貴重な種が存在し、学生たちは興味津々に観察していました。地域の生物多様性を理解する上でもとても良い経験でした。

また来年も訪問して、もっと学生を中心とした交流ができればと思います。今後、生物機能の利用(醗酵など)や生物多様性の分野での連携をしていきたいですね。学科長の先生は、山口大学に留学経験を持つ方でした。研究と施設をご紹介いただいたことに感謝いたします。

研修の後半には、中国ラオス鉄道に乗って、古都であるルアンパバーンを訪問し、3日間滞在しました(12月6-8日)。その最後の日に、昨年も交流をしたスファヌボン大学を訪問し、両大学の研究の紹介と、MOA(Memorandum of Agreement)取り交わしのセレモニー、そして学生の交流を行いました。昨年と同じく、大変暖かく迎えてくださいました(昨年の様子はこちらから)。まずは、私(佐藤)の方から、福山大学生命工学部を代表して、感謝の意を述べさせていただき、その後、両大学が自己紹介をしました。本学学生たちも英語で自己紹介をし、その後、山本覚生命工学部長の言葉をスライドを使って代理で紹介しました。

研究紹介では、私(佐藤)の方から「Deciphering forest biodiversity through fecal DNA metabarcoding(糞を対象としたDNAメタバーコーディング法を使って森林生態系を解読する)」というタイトルで、森や里山に生息する動物たちの食性を分析する研究について紹介しました)。その後、秦野名誉教授が「A Proposal: Collaborative Development(提案:共同開発)」というタイトルで、発酵食品の共同開発についての提案をしました。最後に、私(佐藤)が、さくらサイエンス交流プログラムについて説明をしました。

両大学の自己紹介と研究紹介等を終えた後は、正式なMOA取り交わしのセレモニーとなりました。農学・森林資源学部長と生命工学部長代理の私(佐藤)とで、署名を行い、正式にMOAを取り交わしました。今後、この文書に基づいて、発酵や生物多様性分野において共同研究が進んでいくことになるでしょう。楽しみです。

さて、スファヌボン大学との交流で良かったのは、学生同士が交流できたということです。昨年も、とってもフレンドリーな交流が実現し、その後、SNSでつながるなど、大変打ち解けたようでした。今年も、30分程度の短い時間でしたが、うまく交流できたようです。終わったあとの「あー楽しかったー」という学生の言葉が印象的です。

今年もとっても良い交流ができましたし、学部間のMOAという今後の連携につながる公式な文書も交わすことができました。今後の国際的な教育・研究の展開にぜひ、期待していてください。ラオスでの学びに興味のある高校生の皆さんは、ぜひ生物科学科生物工学科から令和6年4月名称変更)まで。

 

学長から一言:生物科学科のラオス研修報告の第三弾は、2大学への訪問記録とともに、スファヌボン大学との間でいっそうの交流活動を展開することに関する覚え書きの取り交わしの様子。今回のラオス訪問のハイライトの一つでしたが、順調に進んだようで実に喜ばしい。本学から参加した学生の皆さんには、いささか緊張する会議も含めて、忘れがたい思い出がたくさんできたことでしょう。