【大学教育センター】「2025教育実習パネルディスカッション」開催

「2025教育実習パネルディスカッション」の記事が井上泰准教授より届きました。大学教育センターのFUKUDAI Magメンバーの記谷が紹介します。

 


12月15日(月)16:30~17:30に「2025教育実習パネルディスカッション」(大学教育センター・教職課程委員会共催)が行われました。

本パネルディスカッションは、昨年度まで「福山大学 教職フォーラム」(通算11回開催)として行われていたものから〈教育実習〉に焦点を当て、今年度から独立して新たに行われるようになったものです。

教育実習を経験した本学4年生の教職課程履修者の中から6名がパネラーとして登壇し、来年度教育実習を迎える3年生に向けて、実体験をもとに「教育実習で学んだこと」を語りました。

まず、開会を迎え、大学教育センターの教職支援室の室長であり本学の教職課程委員会の委員長でもある今井航教授より、挨拶がありました。教育実習を終えた4年生の〝リアル〟な体験を聴くことで、自身が迎える教育実習に活かしてほしいという話がありました。

その後、同委員会・副委員長の井上泰准教授(大学教育センター)の司会により、ディスカッションは進んでいきました。

まずはパネラーの一人から、SNS等では教育実習の過酷さが喧伝されているが、それらに囚われて不安に思うくらいなら、現在も実習中も目の前の事に集中した方がよい、教育実習に行く意義は大きいという、3年生の背中を押すような前向きな話がありました。

続けて各パネラーから、実際の様子として、授業については、準備を入念に行ったが実際の生徒を前に授業をするのは想定と違っていたことや、授業後は指導教員にアドバイスをもらって改善を行っていったことなど話題が提供されました。また、生徒との関わりについては、その距離感で悩んだことや、生徒の生活記録や放課後の生徒の様子から生徒理解を深めたことなど、さらに、教師との関わりについては、指導教員だけでなくさまざまな先生方と積極的に関わることで学びが広がったことなど、それぞれ実感をもって語ってくれました。

2025教育実習パネルディスカッション

次年度に教育実習の実施を予定している教職3年生にとっては、教育実習のリアルを聴ける貴重な時間となったようです。終了後に提出してもらった感想シートからいくつか紹介します。

 

・事前の準備として限られた実習期間でどのように児童生徒と関わっていくかについて考えていきたい。授業は、指定された内容のなかで、自分がどんなことをしたいかを考えておき、どう組みこんでいけるか考えたい。色覚などの配慮も必要だと思った。

・まだ授業の一環でしか生徒役に授業をしたという経験しかないが、実際お話を聞いて、2週間の流れを知ることができ、まだ時間があると思っていたがあまり時間がないと思わされる濃い1時間だった。

・教育実習に対して具体的なイメージがわいた。保健体育科の先輩がいなかったのが残念だったが、私自身の教育実習に対するモチベーションはあがった。授業を「作る」工程で私は苦戦しているが、作る以外での苦戦も考えることができた。授業外の取り組みについても深く考えていきたいと思った。

・児童生徒が見ている視点と先生の見ている視点はやはり違いがあって、それを縮めるために休憩時間、部活動、日記などによってどんな努力ができるかを今回の話を踏まえて考えていきたいと感じました。

・教育実習を通して周りから怒られる、授業を失敗するなどの不安を抱えるより、分からないことを自分で積極的に聞きにいったり、授業のことを考えたりする方が、充実できると話を聞いて感じることができた。

 

本パネルディスカッションは各参加者にとって、教育実習を行う当事者として、今やこれからを考えるよいきっかけになったようです。これを機会に、教育実習までの残りの時間を充実させることができるよう、意欲的に過ごしてほしいと思います。

2025教育実習パネルディスカッション

パネラーを引き受けてくれた4年生のみなさんは、卒業前の忙しい中、後輩たちのために快く時間を割いてくれました。本当に、ありがとうございました。みなさんにとっても、自身の学びや思いを後輩たちに語ることができた、よい時間となったのではないでしょうか。

最後に、パネラーのみなさんも含め、4年生の教職課程履修者のみなさんの今後のご活躍を心から祈っています。特に、公立学校教員採用選考試験に合格し、その採用が予定されている4名や、私立学校の採用予定者2名、さらには臨時的任用教員への応募者6名など、教職に就く予定の12名のみなさんには、いずれ現役教師として母校に戻ってきて、教職課程の後輩らを是非、励ましてもらいたいと念願しています。

 

学長から一言:教職フォーラムからシンポジウムに装いは変わっても、教職を目指す学生諸君の夢を叶えるために大学教育センターが長年にわたって実施している催しが今年も成功裏に実施されました。登壇した皆さんが3年次の後輩諸君に自らの教育実習体験を熱心に伝える姿が印象的でした。登壇者の中には何人も来春から教壇に立つ人も含まれ、頼もしく嬉しいことです。