【国際交流・サークル】学友会海洋生物研究会~今年もアマモ場再生の取り組みが始まりました~

学友会海洋生物研究会顧問の水上(海洋生物科学科)です。当研究会は福山市や尾道市を中心に、地域連携活動にも積極的に取り組んでいます。令和7年度は中国からの交換留学生もメンバーに加わり、国際交流にも発展しています! 半年間に限った在籍とのことですが、学生たちや地域との交流から、多くの経験と思い出に残る滞在になればと願っています。今回は、交換留学生の紹介を踏まえた活動記録を報告します。(投稿は、海洋生物科学科 FUKUDAI Mag.メンバーの阪本)
アマモの花枝採取活動
学友会海洋生物研究会副部長の大月です! 5月28日に、尾道市浦崎町の海岸で行われた「アマモの花枝採取活動」に参加しましたので、今回はその報告をします。
尾道市は、令和4年度から脱炭素に向けた取り組みの一環として、浦島漁業協同組合と共同で市沿岸地域に造成された干潟や藻場のCO₂吸収源の拡大や環境学習を推進するブルーカーボン・オフセット推進事業「尾道の海のゆりかご(干潟・藻場)再生による里海づくり」に取り組まれています。海洋生物研究会は、令和6年度からこの取り組みに協力・参加しています(花枝採取,種子選別,種まきセミナー)。
今回の活動では、海洋生物研究会から4人、尾道市・浦島漁業協同組合・尾道市立浦崎中学校の全校生徒あわせて、50名規模の活動となりました。皆さんと一緒に開会式に参加し、主催者からの花枝の取り方を聞いた後、はじめに海に入ってアマモの花枝を全員で採取しました。アマモは、産卵場所や稚魚の隠れ家、餌場など様々な面で生態系を支えています。

開会式の様子

今回採取するアマモの花枝です!これを赤いネットいっぱいになるまで採取します!

今回初めて参加する部員は、地域の方から採取の仕方を教えて貰いました!

こちらでは、より多くの種がついているアマモを探しています!

浦崎中学校からは主に1・2年生が花枝の採取に参加
採取をしていると、色々な生物が顔を出してくれました!

クロコソデウミウシ(おそらく)

ヒメイカ🦑

シャコ🦐

テッポウエビ🦐 指を近づけるとハサミを鳴らしてくれました!
集めた花枝は網袋にまとめて浦島漁業協同組合の桟橋に吊るし、海中で熟成させます。合計で12袋になりました! 桟橋では主に浦崎中学校の3年生が活躍してくれました。

松若組合長さんからロープワークを伝授

活動の合間に育成中のアサリの稚貝を見せていただきました

このようにして、数カ月間熟成させます
中国からの交換留学生
中国から半年間、福山大学に交換留学生として在籍し、海洋生物研究会メンバーとして今回の活動に参加した李 風玲(LI FENGLING)さんの感想です。李さんが撮影した写真や自己紹介を含めて紹介します!
皆さん、こんにちは! 私は天津科技大学からの交換留学生の李 風玲です。天津は歷史的な遺産と現代的な活力を併せ持つ都市です。華北平原の北東部に位置し、東は渤海に面しており、強力な産業基盤と賑やかな天津港を擁し、濱海新区は急速に発展しています。余暇にはよく東洋と西洋の建築が立ち並ぶ五大街を散策し、天津の街の真中を流れる海河の独特な風情を楽しんでいます。

天津市を流れる「海河」沿いの景色

新年に撮影した観覧車「天津の目」
天津科技大学は、私が夢を追いかけている学問の殿堂です。私たちの大学は、軽工業技術、食品科学を優勢な専門とする総合大学で、常に「尚徳・尚学・尚行、愛国・愛校・愛人」の校訓を遵守し、革新的な才能の世代を育成することを目指しています。キャンパスでは、研究室の明かりと図書館の静寂が交錯し、国際交流プログラムによって世界中から友人が集まってきます。 バイオエンジニアリングから人工知能まで、産学研究連携からビジネスインキュベ一ションまで、実践を重視する本校には、厳格でアカデミックな雰囲気と探求を促す自由な空間の両方があり、学術交流のための来校を歓迎しています。

天津科技大学(体育館)

天津科技大学(夜のキャンパス)
福山大学人間文化学部での交換留学期間中、海洋生物研究会に入会し、同じ海への愛と海洋生物への配慮を持つ友人たちと出会いました! こうして、私の留学生活は海洋生物と切っても切り離せないものとなりました。
5月28日、日差しもちょうどよく、海風もそれほど乾いていなかったので、尾道市の職員に引率された私たちのグループは、尾道市浦崎町の海岸、地元のアマモの保護活動に参加しました。干潮時の浜辺は、まるで海の笑顔のように見えました。この一見取るに足らない海洋植物は、実は海洋生物の「生誕地」であり、津波を防ぐ天然のバリアでもあります。 アマモを回収しながら生き物を探して観察するのも楽しかったです。 その後、みんなでアマモを網袋に入れ、夏まで熟成させるための桟橋に移送しました。地元の中学生やおじいちゃん、おばあちゃんも熱心に参加してくれ、笑い声や波の音と私の言葉が絡み合い、素晴らしい海のシンフォニーを奏でました。
この活動を通して、私は海洋生態学への理解を深め、さらに自分の手でアマモ場を保全する過程に感動しました。 しっとりとした藻類は海の香りを漂わせ、一株一株は命の重みを感じさせてくれました。「緑の希望」で覆われた浮桟橋を見たとき、環境保護は大げさなスローガンではなく、腰をかがめてアマモの種を拾うという具体的な行動なのだと実感しました。
最後になりましたが、水上先生、「海洋生物研究会」の部員一人ひとり、熱心に参加してくださった地元の方々、そしてこの出会いを可能にしてくれた方々に感謝したいと思います! このような異文化・異年齢の協力により、環境保護に国境はないことを実感し、海岸清掃や生物観察に参加するだけでもいいので、環境保護の実践に参加する学生が増えることを呼びかけたいです。 一緒に実践し、一緒に未来を築き、母なる地球に鮮やかな緑を添えましょう! この小さなアマモのような植物が、いつか将来、海岸線を守るヒーローになることを願っています!
これから
再び副部長の大月です。李さんがこの活動を楽しんでいる様子がとても伝わってきて、読んでいる自分もさらに前向きになりました。このような熱い思いは大事だと思います! 皆さんも身近なところで、できることから始めてください! ゴミ拾いや、地元の自然を守る活動に参加するなど、小さな一歩が良い方向に繋がると感じました! これからも私たちの活躍にご期待ください!!
学長から一言:学友会サークルの一つ、海洋生物研究会のメンバーが尾道市や同市の浦島漁業協同組合が取り組む脱炭素と地元の海の環境保全を目指す運動に協力。尾道市立浦崎中学校の生徒の皆さんと一緒になって、海を豊かにしてくれるアマモを育てるため、まずその花枝の採集作業。サークルメンバーである天津科技大学からの交換留学生の李 風玲さんも加わって、みんな頑張りました。近い将来、アマモが海底一面に生い茂る日が楽しみです。