【薬学部】和ごころ 音楽で繋がる認知症カフェ ~1年間の活動報告~

2025年4月から新体制となった学生グループ「和ごころ」の1年間の活動報告が和ごころ代表の行武由利子さん(薬学部5年生)と道原教授から届きましたので、薬学部の五郎丸が投稿します。

 


認知症カフェ「CafeGETA(カフェ下駄)」は、月1回、第一木曜日の13時半から、今津交流館で行われています。和ごころメンバーは、CafeGETA発足時(2017年9月)からスタッフとして参加し、地域で活躍する薬剤師やケアマネージャー、デイサービスの職員などさまざまな職種の方と協力しながら、地域住民の方に向けて認知症についてのお話や様々なレクリエーションを通した交流を行ってきました。

今年度の和ごころは、「CafeGETA(カフェ下駄)」への継続的な参加に加え、障がい者参加のクリスマス会(https://www.fukuyama-u.ac.jp/magazine/pharm-posts/116883/)や地域の老人会(栄町会館)へも出向き、活動の幅をさらに広げました。これまで以上に地域に根ざした取り組みを行っています。

こうした活動を行っている和ごころメンバーは、現在、薬学部の5年生3名、4年生5名、3年生1名、2年生2名、1年生1名、計12名です。学年を越えて協力し合いながら活動しています。

9月の企画発表は、『音楽を聴いて認知機能を上げていこう!』をテーマに発表しました。
今回、演奏・企画を担当してくださったのは、薬学部2年生の冨岡春希さんと出水彩菜さんです。

音楽が心身に与える影響や認知機能との関係について分かりやすく紹介し、参加者の方々と一緒に音楽を楽しむ時間となりました。

企画発表では、まず認知症の基礎知識と音楽療法について説明を行いました。音楽が脳に与える影響や、懐かしい曲を聴くことが記憶や感情にどのように働きかけるのかを紹介し、参加者の方々に分かりやすくお伝えしました。
その後、ピアノ演奏を行いました。「赤とんぼ」など全5曲を披露し、最後にはアンコールとして「花は咲く」を演奏しました。会場では一緒に口ずさむ姿も見られ、温かい雰囲気の中で音楽の時間を共有することが出来ました。

今回のピアノ演奏は、「和ごころ」としてボランティア活動の中で初めての試みでしたが、参加者の皆さまに喜んでいただくことができ、メンバーにとっても大変貴重な経験となりました。

優しい音色が会場に広がり、参加者のみなさんも真剣に耳を傾けておられました。
音楽を楽しみながら心も体もリラックスできる、素敵な時間となりました。

参加してくださった方からは、
「とても癒されました」
「ピアノの音がやさしくて心が落ち着きました」
という声をいただきました。

参加者のみなさんにとって、心温まるひとときになったようです。

演奏を終え、ほっとした表情の2人

それでは、一言づつ感想をお願いします。

出水さんから一言:
今まで自身のピアノ演奏に自信が持てないことがありましたが、今回のCafeGETAで少し自信をつけることが出来ました。これからも励んでいきます。ありがとうございました。

冨岡さんから一言:
私たちの音楽が少しでも皆さまの心に届いていたら幸甚です。日常に音楽が入るとあんなにも場が和むのだということを、改めて実感する演奏会でした。
これからも心に響く演奏を目指して精進します。機会をいただきありがとうございました。

12月には、障害のある方を対象としたクリスマス会に、演奏ボランティアとして参加しました。会場では季節にちなんだ楽曲を披露し、参加者の皆さまと心温まるひとときを過ごしました。
「和ごころ」のクリスマス活動の詳細につきましては、下記のブログにてご紹介しています。ぜひご覧ください。

福山大学 | 【薬学部】音楽でつながる、笑顔あふれるクリスマス♪
(https://www.fukuyama-u.ac.jp/magazine/pharm-posts/116883/)

 

一音一音、想いを込めて演奏する出水さん

 


会場に優しい音色を届ける冨岡さん

 

3月には、渡邊凜さんとそのお母様が連日にわたりボランティア活動を行いました。初日は、老人会の集い(栄町会館)へ参加し、2日目には「CafeGETA(カフェ下駄)」にて3月の企画発表を行いました。

栄町会館での活動の様子です。

渡邊凛さんによるヴァイオリン演奏

参加者の方々と共に歌を歌いました。

今回のテーマは「星」だったため、星にまつわる曲が選曲されるなど、テーマに沿った工夫が感じられるプログラムでした。

続いて2日目は、「CafeGETA(カフェ下駄)」にて、3月の企画発表を行いました。渡邊さんは、昨年3月にCafeGETAで演奏を行っており、今回の演奏は約1年ぶりとなりました。

前回の演奏を通して、音楽は身近なものからでも生み出すことができ、十分に楽しめるものだと実感しました。そこで今回は、その体験を共有するため、参加者の方々と一緒に「カップス」を行いました。カップスとは、机とプラスチック(または紙)コップを使って叩く・持つ・置く・スライドするなどの動きを組み合わせ、リズムを奏でるパフォーマンス遊びです。

カップスのお手本を披露する渡邊凜さん(右)とお母様(左)

 

参加者さんと一緒に音楽に合わせて行いました。大いに盛り上がりました!

 

認知症に関するお話しを行いました。

「楽器を演奏する時は、まず、音符やリズムを理解する必要があります。そして、理解しつつ体を使って楽器を弾くため、2つのことを同時に行うことが、認知機能にとても役に立つと言われています。」


渡邊凛さんによるヴァイオリン演奏

 

アンコールで渡邊凜さん(右)とお母様(左)によるリコーダーの二重奏を披露しました。

 

会を通して参加者の方々との一体感が生まれ、改めて交流の大切さを感じる時間となりました。

私たちも音楽が出来たと皆さん、大喜びでした!

3月のCafeGETAには約20名の方にご参加いただき、スタッフを含めると総勢40名近くの方々にお集まりいただきました。

チラシでの呼びかけや、日頃の声掛けの効果もあってか、最近参加して下さる方が少しずつ増えてきました。参加してくださった方がご友人に声をかけてくださり、交流の輪が広がっていることをとても嬉しく感じています。地域の方々へ我々の活動が認知され、実際に足を運んで下さる方がいることがとても嬉しく励みになっています。これからも、気軽に参加できる場として、ゆっくりと輪が広がっていければいいなと思います。

次回の開催は、今津交流館で4月2日(木)を予定しております。興味のある方はぜひ、未来創造館5階フロアの5年生の金子さんへ連絡してみてください!

和ごころ代表の行武さん(5年)から一言:
私は2025年度、「和ごころ」の代表兼CafeGETA実行委員として認知症カフェの運営に携わりました。
CafeGETAでは、参加者さんが子供の頃に遊んだお手玉やけん玉の話しを、懐かしく嬉しそうに語って下さったことが印象的でした。その様子はとてもいきいきとされていて、私も嬉しく感じました。
参加者さんの笑顔に囲まれ、人とのコミュニケーションの大切さを感じた1年でした。和ごころの活動に少しでも興味を持った方は、ぜひ私たちと一緒に活動してみませんか?未来創造館5階の病態生理・ゲノム機能学研究室で待っています。

和ごころメンバーの山本さん(5年)から一言:
私はCafeGETAで地域の方と交流する中で参加者の方々はとても積極的で、楽しみながら活動に取り組んでいる姿が印象的でした。また、日常の何気ない会話の中からも、生活背景や健康に対する考え方を知ることができ、認知症予防には単に知識や運動だけでなく、人とのつながりや社会参加が重要であることを実感しました。
地域の方々と直接関わりながら学べるとても貴重な経験だったので、ぜひ後輩のみなさんにも経験してもらいたいです。

道原教授から一言:
cafeGETAは、学生・地域住民・専門職がともに集い、笑顔と会話を通して認知症への理解を深める、とても温かく意義深い活動です。参加する学生にとっては、学びを実践に結びつけながら人と人とのつながりの大切さを実感できる、楽しさと喜びに満ちた場となっています。そしてその取り組みは地域社会にも確かに役立っており、学生主体の活動が評価され、実際の実践例として今年も「認知症ケア事例ジャーナル:薬学生による音楽活動の試み;認知症カフェにおけるヴァイオリン生演奏の実践と参加者の反応」に掲載できたことは大きな誇りです(https://www.worldplshop.com/shopdetail/000000000698/ct33/page1/order/)。これからも、この活動に込めた熱いパッションを大切にしながら、地域に寄り添う取り組みを続けていきたいと思います。我々の想い、君に届け!

 

筆頭著者の渡邊凜さん

 

学長から一言:薬学部の学生グループ「和ごころ」は、地元の今津交流館を会場に、月1回の認知症カフェ「CafeGETA(カフェ下駄)」の開催をはじめ、障がい者参加のクリスマス会や地域の老人会でのお年寄りとの交流など、さまざまな活動を展開。グループに所属する12名の皆さん、本当に良く頑張りました。楽器演奏などを通じて参加者との絆が深まったようです。今年度の活動の総括を踏まえ、新しい年度にも、いっそう地域のために尽くす中で自らの成長を確認してください。