【海洋生物科学科】びんごの姫×因島のハッサク=おいしいお寿司の誕生です!!〜福山大学と廻鮮寿司しまなみが新しい商品を開発しました(その2)〜

福山大学附属内海生物資源研究所(因島キャンパス)では、瀬戸内海の資源や自然環境を中核とした教育・研究活動を実施しています。その中の一つに新たな魚類増養殖技術の開発が掲げられ、2015年からシロギスの完全養殖を進めました。この度、養殖シロギス「びんごの姫」と因島が発祥の八朔をコラボさせた新たな商品を廻鮮寿司しまなみ(しまなみ寿司)と開発しました。その第2弾として4月19日に福山大学の学生たち約50名に協力してもらい、開発した商品の試食と評価を行いました。そのレポートが海洋生物科学科の有瀧教授から届きましたので、同学科学長室ブログ委員の阪本がお知らせします。

 


びんごの姫×八朔

魚類増養殖技術の開発により、2015年からシロギスの完全養殖を進めてきました。その成果として、養殖シロギス「びんごの姫」が誕生し、登録商標へと発展しました。ただ、水産業に貢献するには技術を開発しただけでは片手落ちで、生産物を「食べ物」として消費者の方々に利用していただくことが不可欠です。

これまでの学長室ブログでは、今年の2月17日、地元の中学・高校の生徒など62名に参加してもらい、因島キャンパスで「びんごの姫」のお披露目会を尾道市並びにしまなみ寿司と共同で開催したことや、その時に平谷尾道市長としまなみ寿司の大瀧社長の間で、因島生まれのびんごの姫と同じく因島が発祥のハッサクをコラボさせた商品の開発の話が出たことをご紹介しました。また、その後大瀧社長から「ハッサクとびんごの姫を使ったお寿司の試作品が形になりましたので、まず福山大学で鈴木理事長と大塚学長に食べてもらい、講評をいただきたい」との連絡が入り、3月28日に行った試食の様子もご報告したところです。さて、今回は理事長、学長の試食の際に提案された福山大学の学生による商品の評価についてです。

養殖ブランド「びんごの姫」

因島のハッサク

学生を対象とした試食会

時計の針を少し巻き戻して3月末のこと、生命工学部事務室と学生課職員の方々に相談した上で、参加人数の上限は56名、開催は4月19日、12時30分から13時30分とし、会場は福山大学の大学会館3階クラフト教室を確保しました。4月9日には企画を「因島育ちの養殖シロギス(びんごの姫)と因島が発祥の八朔(ハッサク)がコラボしたお寿司を食べて学ぶ瀬戸内の里山・里海」と銘打ち、福山大学の全5学部、14学科の学生に向けて案内を配信しました。

翌日には早速30名を超える申し込みがあり、4月14日には全ての枠が埋まりました。当日は大塚学長と商品開発を担当していただいたしまなみ寿司の大瀧社長、今回使用したハッサクの生産者である工藤さんにもご参加いただくことが決まり、当日に向けて準備を進めました。

おたのしみの試食会

4月19日、当日は快晴で暑いくらいの上天気になりました。11時過ぎに関係者が会場に集まり、会の準備を進めるとともに試食用の商品などを運び上げました。試食・評価商品のお品書きは以下になります。

  1. キスと八朔釜寿司:八朔をくり抜き、キスと八朔の果実を使ったチラシ寿司を詰め込みました
  2. プレーン握り:キスの旨味と特製八朔ドレッシングのコラボ寿司
  3. 炙り握り(八朔の皮をトッピング):皮目を炙って香ばしさを出し、八朔の皮をトッピングしたさわやかな握りです
  4. 八朔で〆た握り:ネタにしたキスを八朔の果実で挟み込み、熟成させました。
  5. 押し寿司:キスと八朔をバッテラのような押し寿司にしました。
  6. キスマヨ:キスをフリッターにし、特製マヨソースと八朔の果実で和えました。

12時過ぎに受付が始まり、開始時刻の12時30分に参加者が揃いました。まずは、大塚学長、大瀧社長、工藤さんにそれぞれご挨拶いただき、いよいよ試食と評価の始まりです。

みんな真剣に一品、一品味わい、各商品の特徴を確認しながら、スマホやタブレットでオンライン上の評価フォームへ結果を書き込んでいきます。

その間、会場を少し回りながら「何が一番美味しかった?」と聞いてみましたが、「断然可愛い八朔釜です」、「私は炙りか八朔の〆寿司で迷っています」、「いや押し寿司でしょう」、「やっぱりキスマヨですよ」、「いやいやプレーンも捨てがたい」・・・どれもこれもファンがいて、大変な状況です。一番見ていて嬉しかったのは、学生が皆ニコニコと楽しみながら評価してくれた姿です。

評価の時間が終わり、学生たちはお寿司を用意して下さったしまなみ寿司の方々や工藤さんに「ありがとうございました」、「本当においしかったです」と挨拶をして、会場を後にしました。学生たちが真剣に評価してくれたデータは、今私の手元にあります。さっきまで少し内容を見ながら整理していたのですが、6品それぞれにしっかりとコメントがつけられ、中には改善点の指摘もありました。また、男子と女子で嗜好に一定の傾向もありそうです。解析結果をもとに今度は5月8には商品を完成させ、福山大学、尾道市、しまなみ寿司の共催で記者発表をする予定になっています。さて、どんな商品がお目見えするのか、私も今からワクワクしています。

こうして無事試食・評価の会は終了しました。今回も、しまなみ寿司さんには大変素晴らしいお寿司を用意していただきました。心より感謝申し上げます。また、工藤さんには立派な材料のハッサクをご提供していただいた上に、学生たちにはハッサクのお土産まで頂戴しました。「ありがとうございました」の言葉では顕せませんが、学生たちの笑顔でお返しをさせていただきます。

最後に、学生達のコメントをごく一部ですがご紹介して今回の報告を終えたいと思います。

学生のコメント

・素敵な会を開いていただきありがとうございました。授業で疲れていたのでとても良いリフレッシュになりました。お寿司もとても美味しかったです。ごちそうさまでした。

・私は今までキスのフライしか食べたことがなかったのですが、炙りや生のキスを食べてこんなに美味い脂があることを知ることができました!父がよくキスを釣ってくるのでフライ意外の料理に挑戦してみたいと思いました!

・地元の名産品を使った取り組みはどんどんやっていただければと思います。福山大学で作ったキスと八朔を、もっともっと色々なコラボをして広めていけたらいいなと思いました。

・八朔のドレッシングがとても美味しくて、お野菜や他のお魚にも合いそうだなと思いました。八朔の香りとお寿司を一緒に楽しめるのとても新鮮でした!

・今まで福山大学の他の学科取り組みは知らなかったけど、今回取り組みを知ることができました。また地元のお店のとのコラボで、地域がもっと賑やかになるといいなとおもいました!

・押し寿司最高!八朔の身が入っていましたが、少しも苦味を感じずゆかりの香りも主張しすぎずとても美味しかったです。

・八朔で〆た握りが一番美味しいと感じました。理由は一番キスの味を感じることができ、これぞキスの握りという感じがしましま。

・八朔の中に釜飯が入っているという目新しさと、食べる部分によって八朔の甘味、酸味、苦味が一つで感じられ、キスと酢飯とがより引き立ちました。

・キスマヨが好きです。八朔は酸っぱいものだとの先入観から、あまり食べてこなかった食材でした。しかし今日の会で初めて甘いと感じる八朔を食べることができ、尚且つキスの美味しさもまた再認識できる一品だったので早く商品化して欲しいと思いました。

・プレーンが一番美味しかったです。キス本来の旨みがダイレクトに伝わったのと、八朔との相性が抜群でした。

 

学長から一言:海洋生物科学科の自慢の養殖シロギス「びんごの姫」と、因島で育った八朔とを組み合わせた新作お寿司のお披露目を兼ねた学生諸君による試食会のお蔭で、私もその美味のお相伴にあずかりました。廻鮮寿司しまなみの大瀧社長をはじめ皆様、八朔生産農家の工藤様に心から感謝いたします。