薬学部

Faculty of Pharmacy and Pharmaceutical Sciences

薬学科

白川 真(しらかわ まこと)

職 名 講師
学 位 博士(医学)
専門分野 物理薬剤学、製剤物理化学、薬物送達学
担当科目 物質の状態、薬学の基礎としての数学、物理化学系実習Ⅱ
メッセージ いまや新薬の上市には、10年の歳月と500億円を超える開発コストを必要とする時代となりました。新薬の開発研究が進められる背景には当然、現在の薬では治らない病気があるからですが、本当に現在の薬では治らないのでしょうか?すでに臨床で使われている薬を、よりよい薬として生まれ変わらせるために、製剤学的工夫を施す研究をしています。

リスクなく、がんが治せる!?

がんには手術、抗がん剤、放射線の3つの治療法がありますが、どれも一長一短があり、リスクはあります。手術は肉体的、精神的な苦痛を伴いますし、抗がん剤には吐き気や脱毛といった副作用があります。一見安全そうな放射線も場合によっては皮膚やけど等を起こすこともあります。本研究室では、中性子線と薬剤を組み合わせた治療法について研究しています。中性子線、薬剤どちらも単体では人体には無害ですが、二つを合わせることで、初めてがん細胞のみを殺すことができる次世代がん治療(ホウ素中性子捕捉療法)の実用化を目指しています。

ホウ素中性子捕捉療法でここまで治る!

ミサイルを発射する!

薬剤には、どうしても副作用がつきものです。それは薬剤を服用した時に、それが効果を及ぼす場所は、目的とする場所(治療部位)だけではないからです。正常な組織部位にも運ばれてしまうため、望んでいない作用を引き起こしてしまいます。本研究室では、目的とする場所にのみ薬を送達することのできる運搬体(キャリアー)を開発しています。このようなキャリアーを用いた治療をミサイル療法といいます。どれだけ正確に、治療部位のみに薬を運ぶことができるのかがこの治療の成否の鍵を握っています。

抗がん剤キャリアーとしてのリポソーム