学部・学科・大学院

海洋生物科学科

三輪 泰彦(みわ やすひこ)

職 名 教授
学 位 医学博士
専門分野 分子生物学
担当科目 基礎分子生物学、生化学、バイオテクノロジー入門、水産食品の科学、水産食品科学実習など
メッセージ ノリ、コンブ、ワカメ、アオノリなど、様々な海藻が海洋に生息しています。海藻は日常生活に役に立つだけでなく、海の森(藻場、海中林)をつくることにより海の多様な生物の生活の場も提供する役割を果たしています。海藻という生き物はまだ、未解明で不思議なことがたくさんあります。好奇心をもって海藻について我々と一緒に研究してみませんか!

紅藻スサビノリの環境適応機構の解明

私たちが日常食べているおにぎりや寿司に使われている海苔は日本全国にわたって養殖されています。以前は有名なアサクサノリ(絶滅危惧種)が養殖されていましたが、最近では病気に強く育てやすい養殖種であるスサビノリにとって代わっています。しかし、近年スサビノリでは色落ちによる不作がしばしば起こっています。この主な要因は栄養素の窒素やリンの欠乏であると考えられています。そこで海のモデル植物として注目されている紅藻スサビノリを用いて栄養環境や乾燥ストレスに対する環境適応の仕組みを明らかにすることを目指しています。

有明海で養殖された海苔からつくられた乾ノリ

海藻の機能性成分の開発

近年、機能性食品や化粧品、医薬品の素材として海藻が注目され、海藻は有用な海洋生物資源として期待されています。近年、日本人の3人に1人は何らかのアレルギー疾患をもつといわれています。ペットの毛、ダニの糞や死がい、ハウスダスト、花粉などのアレルゲンが原因としてあげられます。そこで我々は瀬戸内海を中心に生息している多様な海藻種の中からアレルゲンの作用を軽減化させる機能をもつ、アレルゲン不活性化剤を探索し、その物質を分離・精製し、その構造や機能を調べて、ダニや花粉などの抗アレルゲン剤の開発を進めています。

電気泳動による海藻抽出物の解析