学部・学科・大学院

機械システム工学科

Department of Mechanical Systems Engineering

コース紹介

機械システム工学科では、機械システムコースと自動車システムコースを設置し、進化するモノづくり業界のニーズに適した特色あるカリキュラムに基づいた教育を行っています。

機械システムコース

コース概要

機械システムコースでは、モノづくりシステム(設計・生産)、熱流体エネルギーシステム、計測制御・メカトロニクス、材料システムなどの機械系専門技術領域と、3次元CAD/CAM/CAE(コンピュータ支援による設計/製造[造形]/解析技術)を中心とする先端的なデザインテクノロジーにスポットを当てた教育・研究を通じて、社会の多様な人材ニーズに応える柔軟な発想と実践力のあるメカエンジニアを目指します。とりわけ本コースでは、機械設計技術者の育成を重視した教育『メカニカルデザイン(機械設計教育プログラム)』を推進しています。

機械設計・開発エンジニアを目指す『メカニカルデザイン』

機械設計は、紙面に定規等の設計ツールを使っての手書きからコンピュータで図面を描く2次元CADに進化し、現在ではコンピュータの画面内でのバーチャル造形(3次元CAD)が主流となっています。従って、現代の機械系のモノづくり業界においては、機械工学の知識・技術と3次元CAD/CAM/CAEが活用できるエンジニアが必要となっています。

コースではこれらの人材ニーズに対応するため、4年間一貫した独自の「メカニカルデザイン(機械設計教育プログラム)」(PDF)を推進することで、機械工学の知識・技術をベースに3次元CAD/CAM/CAEを活用できる機械設計・開発エンジニアの育成を行っています。

『実感できる学び』を実現

設計の醍醐味は、実際に自分のアイデアが形になることです。本学科では3次元CADデータから試作(ラピッドプロトタイピング)が可能な高速光造形装置を導入し、設計を実感して学べる質の高い設計教育環境を実現しています。

授業紹介

ターボデジタルデザイン

遠心型ターボ機械を設計例題として取り上げ、与えられた仕様に基づいて羽根車と主軸の設計を行っていきます。3次元CADによって羽根車と主軸のモデリングを行い、さらに高速光造形機を用いて設計した羽根車を試作します。
この授業を通じて、機械工学の専門科目で習得した基礎知識の活用法、3次元CADによるモデリング手法、光造形機によるラピッドプロトタイピングの手法を学びます。

自動車システムコース

コース概要

機械工学の基礎をベースとし、さらに自動車全般の知識及び技術(自動車工学・自動車技術)を修得して、自動車産業界で活躍できる人材を育成するコースです。高度化する自動車技術に対応したカリキュラムによって多岐に渡る自動車専門科目を網羅し、自動車工学と自動車技術の専門教育を推進しています。2年次で自動車の設計・開発職を目指すカーエンジニア系と、自動車のメンテナンス技術に精通したエンジニアを目指すカーメカニック系に分かれ、各系に適したカリキュラムで専門性を深めていくことができます。また、本コースでは卒業と同時に二級自動車整備士の国家試験受験資格を得ることができます。(両系とも取得可)

カーエンジニア系 ~自動車の設計・開発エンジニアを目指す~

専門カリキュラムは専門基礎科目(数学、物理など)、専門科目(材料力学、熱力学、流体力学など。3次元CADの基礎や制御系応用科目も含む)、自動車工学科目で構成しており、将来、自動車及びその関連メーカーでの設計、開発職を目指す内容となっています。
【主な自動車工学科目】
〔講義〕
自動車構造Ⅰ、自動車構造Ⅱ、環境自動車工学、エンジンシステム、自動車力学、自動車の強度、カーエレクトロニクス
〔実験・実習〕
自動車工学実習Ⅰ、自動車工学実習Ⅱ、自動車工学基礎実験Ⅰ、自動車工学基礎実験Ⅱ、EV創作

カーメカニック系 ~自動車のメンテナンスエンジニアを目指す〜

専門カリキュラムは専門基礎科目(数学、物理など)、専門科目(材料力学、熱力学、流体力学など)、自動車工学科目(カーエンジニア系参照)、メカニック系科目で構成しています。メカニック系科目として多くの実習を配置し、将来、ディーラー等で活躍するカーメカニックを目指す内容となっています。
【主なメカニック系科目】
〔講義〕
自動車整備工学、自動車法規
〔実験・実習〕
自動車整備検査実習Ⅰ、自動車整備検査実習Ⅱ、自動車整備検査実習Ⅲ、自動車工学演習

授業紹介

自動車構造Ⅰ

「走る」、「曲がる」、「止まる」の三者は自動車の三大機能と呼ばれています。これら三大機能を果たすための最も主要な装置は、エンジンとパワートレイン(走る)、ステアリング(曲がる)、ブレーキ(止まる)です。この授業では、これら三大機能に直接関わる装置の構造と働きを、自動車の典型的な構成を通じて学修します。担当教員の実務経験を生かして、自動車を構成する各装置の動作原理を具体的に解説していきます。

自動車整備検査実習Ⅲ

この実習では、現在の自動車に搭載している各装置の電子制御システムを能率的に故障診断できるようになるために制御内容を学修し、点検技術を修得します。そのために、まず各種テスタの性能を理解し、正しい点検技術を修得していきます。そして、自動車用電気配線図集を活用した故障診断技術、スキャンツールを活用した各電子制御装置(エンジン、AT、ABS、エア・バッグ)の故障原因探究を行い、実践的な故障診断技術を修得していきます。担当教員の実務経験を生かした実習を通じて、自動車電子制御システムの整備に関する高度な知識を身につけていきます。

資格取得

自動車整備士養成課程

指定の自動車整備士科目の単位を取得し、かつ各自動車整備士科目に定められた出席数を満たして本コースを卒業することで、2級自動車整備士(ガソリン自動車、ジーゼル自動車)の受験資格が取得できます(カーエンジニア系、カーメカニック系両系とも可)。資格試験には「実技」と「学科」に合格する必要がありますが、4年次後期に実施される「自動車整備技術講習」(別途諸費用必要)を修了することで実技試験が免除となり、学科試験(登録試験)のみで整備士の資格取得が可能となります。