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薬学科

石津 隆(いしづ たかし)

職 名 教授
学 位 薬学博士
専門分野 有機化学
担当科目 薬学の基礎としての化学A、官能基と構造解析、生体分子、医薬品を化学で理解する、 医薬品管理、法制度、実習Ⅱなど
メッセージ みなさんが周りにいる家族や友人のことを一瞬で見分け、それぞれにあった対応をしているように私たちの体も入ってきた薬を厳格に見分けていろいろな作用や副作用を発現させています。では、私たちの体は、一体どのようにして数多くの薬を見間違えることなく正確に見分けることができるのか?というテーマのもと、いろいろなものを題材にもちいて研究しています。今は、お茶に多く含まれているカテキン類を用いたいろいろな化合物や医薬品の見分けいわゆる“分子認識”について研究しています。

お茶のにごりはどうして起きるのだろう?

温かいお茶が冷めるとにごってくるのを見たことがあると思いますが、これはクリーミングダウン現象といって、お茶本来の味や風味を損なうものとして問題になっています。それまでの研究でこのにごりの主成分がお茶に多く含まれているカテキン類のエピガロカテキン-3-O-ガレート(EGCg)とカフェインであることが分かっていました。そこでEGCgとカフェインの水溶液から実際にこのにごりをつくりました。得られたにごりの本体を試行錯誤の後、結晶化に成功しX線結晶構造解析を行ってみました。その結果、層状に並んだEGCgの間に疎水性の空間があり、そこにカフェインが取り込まれるという面白い構造をとっていることは分かりました。このように水に溶けにくい立体構造をつくることで、にごりとなってでてきているというクリーミングダウン現象のメカニズムを見い出しています。

クリーミングダウン現象と結晶構造

手軽にデカフェの飲み物がつくれないか?

折角、見つけたクリーミングダウン現象のメカニズムをつかって世のため人のためになることはないだろうか?と考えたとき、よく聞く「カフェインが苦手。」という声に着目しました。そこで、カフェインだけを沈殿として抜きとることで簡単にデカフェの飲料をつくる方法について検討しています。さらに、カフェインだけではなく、いろいろな成分が入っている水溶液から特定の成分だけを取り出すという研究も行っています。特に、医薬品の場合、有効成分だけではなく、薬効が違う光学異性体も分けるのにコストや手間がかかるということで一緒に含まれていることがあります。そのようなとき簡単にその光学異性体のみを抜き取る方法について研究しています。

デカフェのコーヒー

危険ドラッグの構造はどのように変化しているのか!

危険ドラッグによる事件や事故が連日のようにニュースになっています。その防止のためにいろいろな法律や規制がつくられていますが、それらを巧妙にかいくぐって次々と新たな危険ドラッグが出回っています。現在、乱用されている危険ドラッグは覚せい剤をルーツとする系、LSDなどの麻薬をルーツとする系、大麻の成分テトラヒドロカンナビノールをルーツとする系に分けられますが、それぞれの系の危険ドラッグが規制を逃れるためにその構造式をどのように変化させてきたかを調査しています。さらにそれをもとにして今後どのような構造をもった危険ドラッグが出現するかについても大胆に予測しています。

危険ドラッグの構造の変化について