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学長短信(松田文子 学長) 
Rector Statements by Fumiko Matsuda President

「学長短信」は、牟田泰三前学長が始めたもので、福山大学の大学運営を、どのような考えに立って、どのような方針で進めているのか、などについて、学長から教職員の皆さんに伝えるために、メールで届けているものです。

「学長短信」は、学内の皆さんに読んで頂くだけでなくて、大学外の方々にもこれを読んで頂いて、福山大学のことをより多く知って頂きたいと思います。そこで、前学長のものも含め、「学長短信」のバックナンバーを全て福山大学ホームページにアップすることにしました。

学外の皆さんにも、是非この機会に読んで頂きたいと思います。

☆ 学長短信 ☆ No.47 2014.01.01

私立大学は「私的」か?

明けましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になりました。本年もよろしくお願いいたします。今年も,月に1回のペースで,学長短信を発信していきたいと思いますので、よろしく。

さて、新年早々、少々ぐちっぽく聞こえるかもしれませんが、日本の大学を巡る環境はますます厳しくなってきました。
一般の人が、何となく大学について持っているイメージは、「日本の大学は、国際的に見劣りがする」「大学は多すぎる」「大学は役に立つ人材育成をしていない」「大半の大学は私立大学だが、自分のために行くのだから、国費で補助する必要はない」

これに一つ一つ反論するのがこの短信の目的ではありませんが、最近興味深いデータをいくつか見ましたので紹介したいと思います。まず、現在、大学卒業生の7割強を私立大学が養成しています。また、18歳人口の減少に伴い、今後15年間で労働力人口は800万人も減るだろうと予測されており、労働力の高い質が、決定的に重要となります。大学進学率約50%時代にあって、今後ますます広い範囲で、私立大学の卒業生の質が、日本の労働力の質の決め手となるでしょう。すなわち地域力・国力の決め手となるでしょう。

しかしながら、私学は大学も通う学生も私的なものだから、というわけでしょうか、私立大学への国からの財政支援は、国立大学のそれと比較すると大変少なく、授業料は国立より高くならざるを得ません。そして、授業料について小中学生の保護者に尋ねた調査によると、国公立大の授業料は、保護者の60%が「すべて税金で負担すべき」「どちらかといえば税金で負担すべき」と答えているのに対し、私立大学の授業料については、そのような回答はわずかに24%です。私立大学の卒業生が、その教育成果によって自分の生活を営んでいるだけでなく、よき市民として、税金を払い、地域を支え、国を支えていることは、どうも国からも世間の人からも忘れられがちのようです。私立大学を卒業することによって個人が一生に得る収益の率よりも、個人が私立大学を卒業することによって、国が得る収益率の方が1.5倍程度高い、という計算結果を示している研究者がいます。私立大学とその卒業生は、とても高い社会奉仕をしていることになり、それはすてきな奉仕だが、やはり是正されるべきことと、この研究者は指摘しています。まったく同感です。

私立大学の卒業生が、社会の土台を支えていることを、忘れないようにしましょう。とりわけ地方においてはそうです。本学は、「学問のみに偏重するのではなく、真理を愛し、道理を実践する知行合一の教育によって、人間性を尊重し、調和的な全人格陶冶を目指す全人教育を行う」の建学の精神を堅持し、「地域の中核となる幅広い職業人の育成」をミッションとしています。そして外から見れば、「頼りがいのある、地域における知の拠点」であることが、備後地域で唯一の私立総合大学である本学の存在意義でしょう。人づくりはむろんのこと、地域作り、国づくり、国際社会づくりのためにも、気概を持って、学生の教育に当たりましょう。
不断の教育改革を今年も!

参考文献・資料:
矢野眞和「大学は誰のためにあるのか」IDE現代の高等教育、2013 年11月号、4-12.
ベネッセ教育総合研究所(朝日新聞社共同調査)「学校教育に対する 保護者の意識調査2012」2013年3月
教育學術新聞2014年1月1日号、新春座談会「"設置形態を超えた" 高等教育のパラダイムシフトの実現を目指す-私立大学のアクションプランを推進-」

新年早々、いささか重い話になりましたので、ここらでぐっと気分を変えて、「笑い」の予告にします。1月27日(月)の夕方4時20分から1時間半は、今年度2回目の「学長からの贈り物」の時間です。今回は落語家の桂まん我師匠に来ていただきます。「ゼルコバ」(学生・教職員間のICTシステム)でも案内していますが、本学でもっとも落語好きとして知られている(知らない?)、ペンネームがエドワードハリス君の書いた学長室ブログもご覧下さい。http://blog.fuext.fukuyama-u.ac.jp/2013/12/blog-post_27.html学生だけでなく、教職員の皆様も多数おいでいただき、笑いながら、話術を盗み・学んでいただければ、と思います。地域の方ももちろん大歓迎です。


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