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学長短信(松田文子 学長) 
Rector Statements by Fumiko Matsuda President

「学長短信」は、牟田泰三前学長が始めたもので、福山大学の大学運営を、どのような考えに立って、どのような方針で進めているのか、などについて、学長から教職員の皆さんに伝えるために、メールで届けているものです。

「学長短信」は、学内の皆さんに読んで頂くだけでなくて、大学外の方々にもこれを読んで頂いて、福山大学のことをより多く知って頂きたいと思います。そこで、前学長のものも含め、「学長短信」のバックナンバーを全て福山大学ホームページにアップすることにしました。

学外の皆さんにも、是非この機会に読んで頂きたいと思います。

☆ 学長短信 ☆ No.37 2013.03.20

強くしなやかに、そして他者のために

3月20日の今日は、卒業式でした。2年前の東日本大震災と福島第一原発事故からの復興がままならぬ現状に思いをはせ、そして今なお見通しの開けない苦境におられる多くの被災者の方にはこころよりお見舞いを申し上げ、そして私達がここに無事卒業式を迎えることが出来たことにこころより感謝し、次のような式辞を述べました。

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皆さん、ご卒業おめでとうございます。在学中にはたくさんのことを学び、経験し、多くの人間関係を築かれたことと思います。それらを糧として、社会に出た皆さんが大きく花開かれることを、こころから期待しています。そしてご臨席いただいておりますご家族の皆様、本日は誠におめでとうございます。ご家族の皆様の長きにわたる物心両面でのご支援にこころから感謝申し上げます。

さて、皆さんがこれから出て行く社会は、これまで以上に二つの大きな特徴を持ち、今後ますますその特徴を強めるのではないかと思われます。一つは、世界の様々な所、人、情勢とのつながりの広さと深さです。もう一つは、社会の変化の激しさです。このような時代にあって、皆さんは今後どのように生きていくべきなのでしょうか。

まず一つ目の世界の様々な所、人、情勢とのつながりの広さと深さです。あなたの就職先の企業が世界展開しておればもちろんのこと、たとえしていなくても、原材料の輸入先はどこでしょう。たとえあなたの就職先が、地方の公共機関であっても、訪れてくる人の国籍はどこでしょう。他国の政治、経済、文化、気候等々の変動は、直ちにあなたの仕事や生活に影響を及ぼします。在学中に短期間でも留学した人は、自分の持っている常識が、必ずしも他の国では通用しないことを痛感したことでしょう。グローバル社会を生き抜くには、自国の歴史と文化に基づくしっかりとした価値観を持ち、かつ他国の人もそれぞれの文化と歴史に基づく価値観を持っていることを認めることが大切です。また大学の学びは、絶対に正しい真理を教えてくれたわけではありません。むしろ大学では、色々な場面で、比較することの大切さを学んだはずです。原因を追及して、解決方法を探ることの大切さも学んだはずです。そして、一つ事にしがみつかない柔軟性を、態度として身につけたはずです。

さて、もう一つは、社会の変化の激しさです。科学技術の進歩一つとっても、世の中の変化は非常に大きく、激しいものがあります。ケータイからインターネットの世界に、あっという間に変わり、人という社会的動物の社会のあり方そのものを揺さぶっています。一個の生物としては決して強くはない人間が、動物進化の頂点に立てたのは、人々が社会を形成したことが大きな要因の一つでしょう。しかしインターネット時代に入って、社会の基盤が根底から変化していくのかもしれません。また、私たち日本人にとって、昨年のもっとも大きな、誇らしいそして明るい希望に満ちたニュースは、京都大学の山中伸弥教授がノーベル医学・生理学賞を受賞したことでしょう。しかし、この成果は様々な難病の治療を近い将来可能にするだけでなく、孫悟空の分身の術を人が手に入れることにもつながるでしょう。科学技術を超えたところで、大きな倫理的問題をはらみ、あなたや私の生命観が問われることになるでしょう。一つ事にしがみつかない柔軟な態度が大切であると先ほど申し上げましたが、同時に、人間について、生きるということについて、毅然とした考えを持たなければ、一時の便利さや利害に流されかねません。3.11.の東日本大震災と福島第一原発事故は、私たちの常識を大きく揺さぶりましたが、このような揺さぶりは、これからも様々に形を変えて、あるいは更に震度を大きくして、皆さんを翻弄し続ける可能性があります。

このような時代に、大学を卒業する皆さんは、いかに生きるべきなのでしょうか。大学教育の成果はどの様に生かされるべきなのでしょうか。一つの価値観に固執していては、これからのグローバル社会を生きていくことは難しいでしょう。科学技術を無条件に信奉することは危険です。他方で、確固とした人間観、価値観、倫理観を持たずして、この変化の激しい世の中を、人間らしく生きていけるのでしょうか。共同体感覚を持たずして、社会の一員としての存在意義、すなわち人間としての存在意義を感じて生きていくことが出来るでしょうか。

福山大学の建学以来の教育理念である「人間性を尊重した調和的な全人格陶冶を目指す全人教育」の中で、今皆さんが大学教育の成果として手にしているものは何でしょうか。それは、自信と希望ではないでしょうか。この自信と希望こそを、皆さんの心の軸として堅持し、学んだ知識と技能を、自分のためだけでなく、仲間のため、家族のため、地域のため、知らない人々のため、社会のために使っていきましょう。そのことをもってすれば、激変するグローバル社会にあっても、共同体感覚に根ざして自分を見失うことなく、社会に貢献できるはずです。

卒業生のみなさん。福山大学で学んだことを自信と誇りとして、社会に出てたとえ失敗しても希望を失うことなく、自分の人生の充実とともに他者あるいは社会への貢献を目指してください。心から期待しています。

では皆さんのこれからのご活躍をこころから願って、式辞を終わりとします。

別件のよい便りです。

1.人間文化学部メディア情報文化学科の4年生6名のグループが第9回ACジャパンCM学生賞の奨励賞を受賞しました。作品名は、「あなたの行動が未来を変える」この題名いいですね!
ttp://www.ad-c.or.jp/act/recruit_oubo.html

2.第23回経済学検定試験(EREミクロ・マクロ)で、前回に引き続き経済学部から成績優秀者(S) が出ました。中国の中山大学からの編入学生の経済学科3年 膝藤君です。
http://www.ere.or.jp/results/achiever.html


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