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学長短信(松田文子 学長) 
Rector Statements by Fumiko Matsuda President

「学長短信」は、牟田泰三前学長が始めたもので、福山大学の大学運営を、どのような考えに立って、どのような方針で進めているのか、などについて、学長から教職員の皆さんに伝えるために、メールで届けているものです。

「学長短信」は、学内の皆さんに読んで頂くだけでなくて、大学外の方々にもこれを読んで頂いて、福山大学のことをより多く知って頂きたいと思います。そこで、前学長のものも含め、「学長短信」のバックナンバーを全て福山大学ホームページにアップすることにしました。

学外の皆さんにも、是非この機会に読んで頂きたいと思います。

☆ 学長短信 ☆ No.32 2012.11.01

ティーチング・ポ-トフォリオ

前回の学長短信No.31では,学修ポ-トフォリオの話が出てきました。初心者から熟達者への学修の軌跡を,長期にわたって,様々な資料を記録として収集し,必要に応じて自分で到達度を評価し,次への課題を見つけて,自律的にステップアップしていくのに役立てよう,というわけです。ところで,初心者から熟達者に成長するのは,何も学生だけではなく,というより教員の方がもっと初心者から熟達者への急坂を登ることを要求されています。

「教えたいことを教える」というのが,かつての大学教員の典型でしたが,今はディプロマ・ポリシーやカリキュラム・ポリシーに沿って「学生が学ばなければならないことを教える」のであって,そのためにシラバスを丁寧に作ったり,カリキュラムマップを作ったりするようになりました。また,学修成果については,「教員が何を教えたか」ではなく,「学生が何をできるようになったか」を問うのであり,「教員は教えたら終わり,後は学生の責任」というわけにはいかなくなりました。そうなると,授業方法の工夫も半端ではすみません。

大学教員としての経験の長さが良い大学教員であることを保証しなくなりました。教員としての,初心者から熟達者への成長の軌跡は,学生の場合のディプロマ・ポリシーやカリキュラム・ポリシー,あるいはカリキュラムマップに相当するものがない分,さらに不透明でしょう。

さて,8月下旬に第44回IDE*大学セミナーに参加しました。全体テーマは「教育(授業)改善」です。シンポジストの一人,大学評価・学位機構研究開発部の栗田佳代子先生は,ティーチング・ポ-トフォリオの話をされました。ティーチング・ポ-トフォリオとは「自らの教育活動について振り返り,その自らの記述をエビデンスによって裏付けた厳選された記録」と,栗田先生は定義しています。そしてこの研究部が,作成ワークショップを行い,「内省する」仕組みと「場」を提供するというのです。夏休みなどに行う2泊3日の集中型では,「これまで教員としてどうだったか」「今どこに立っているのか」「これからどうするのか」を,メンターとの3回の個人ミーティングを経て加筆修正を繰り返し,第3稿で完成させるとのことです(事前課題の提出もあり)。

始まったばかりの新しい試みではありますが,すでに中四国地方でも,国公私立にわたって,いくつかの参加校があるようです。毎年10人程度の教員を参加させている大学や,一度何人かの教員が参加した後は,その先生がメンターとなって,あとは自校で毎年実施して経験者を増やしているところもあります。懇親会で,セミナーに参加した先生何人かと直接話をしましたが,参加者は相当に心を揺さぶられるようです。新たなFD研修としていかがでしょうか。

*IDEは会の英文名称であるInstitute for Development of Higher Educationの頭字語。

参考:http://www.teaching-portfolio-net.jp/


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