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学長短信(松田文子 学長) 
Rector Statements by Fumiko Matsuda President

「学長短信」は、牟田泰三前学長が始めたもので、福山大学の大学運営を、どのような考えに立って、どのような方針で進めているのか、などについて、学長から教職員の皆さんに伝えるために、メールで届けているものです。

「学長短信」は、学内の皆さんに読んで頂くだけでなくて、大学外の方々にもこれを読んで頂いて、福山大学のことをより多く知って頂きたいと思います。そこで、前学長のものも含め、「学長短信」のバックナンバーを全て福山大学ホームページにアップすることにしました。

学外の皆さんにも、是非この機会に読んで頂きたいと思います。

☆ 学長短信 ☆ No.31 2012.10.01

学修成果の評価

私たちは典型的には,「15回の授業後に,授業内容の習得状況である学修成果を測るために,場所と時間を決めて試験をおこなう」「試験場では他の人との情報交換は許さず,試験場に持ち込めるものも制限する」「試験結果は,出来るだけ客観的に点数化し,点数に応じて,秀,優,良,可,不可等に評価し,GPAを算出し,学生に知らせる」ということをしています。学生は,単位が取れたかどうか,よい成績であったかどうか等を,個々の教科であるいは全体的に,学修成果として知ることは出来ますが,その学修成果をもたらした原因や,これからどのように学修を進めればよいかについては,「試験勉強はあの程度でよいのだ」とか,「こんな感じでは進級がヤバイがどうしよう」とかいったレベルでしょう。医師の診断がこのように現状の判断と曖昧な将来の予測だけで,その後の治療方針や生活上の諸注意を明確に示さないなら,ヤブといわれても仕方ないでしょうが,では大学教員の場合は?

何かを学ぶとき,学びはじめは誰もが初心者です。学び続けると熟達者になります。初心者から熟達者への道は学修の軌跡です(大学であれば,プログラムとしての学士教育過程です)。この来た道とこれらの道である軌跡が学修者によく見えると,学修者にとっては学びへの動機づけが高まります。またこの学修の軌跡を早く走り抜けることは悪くはありませんが,それが目的化するのは好ましくありません。途中で道草を食うのもアリでしょうし,足が悪くてあまり速くは進めない人もいるでしょう。また,学修の軌跡上の進み具合は,かならず試験をしないとつかめない,というものでもありますまい。できれば,学修の軌跡の中に,自然に評価材料が学修成果として残っていって,学生と教員にそれらが共有され,今学修の軌跡のどの辺にいる,これからどこに向かう,ということについて共通認識を持っている,というのが,望ましいかもしれません。学修成果の評価方法として,学修ポ-トフォリオ*の導入が大学でも様々に試みられているゆえんです。この方面への「ゼルコバ」の組織的活用が期待されます。

さて,皆さんが実感しておられるように,ずいぶんと多様な特性を持った学生が入学してくるようになりました。また,心身の障がい故に,大学で学ぶ意欲を持った学生の学修機会をつみ取ってはならない,という方向に世の中の思想は流れており,それはそれですばらしいことだと思います。

しかし,多様な学生を引き受ける大学側としては,アクティブ・ラーニングの導入など,教育(授業)方法の改善・工夫が一段と要求されるだけでなく,試験,成績評価,進級判定といった学修成果の評価に関することについても,伝統的な考えから脱却し,より柔軟に,修学者一人ひとりの成長の過程に目を向けて,学士力の質保証を考える必要がありそうです。

大学は,本当に,「大変な時代」になりました!

*修学ポ-トフォリオ:学生が,学修過程ならびに各種の学修成果(たとえば,学修目標・学修計画表とチェックシート,課題達成のために収集した資料や遂行状況,レポート,成績単位取得表など)を長期にわたって収集し,記録したもの。それらを必要に応じて系統的に 選択し,学修過程を含めて到達度を評価し,次に取り組むべき課題を見つけてステップアップを図るという,学生自身の自己省察を可能にすることにより,自律的な学修をより深化させることを目的とする。 (平成24年8月28日の中央教育審議会答申「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて~生涯学び続け,主体的に考える力を育成する大学へ~」p.38.より)

別件のよい便りです。
 生命工学部の佐藤淳講師が,日本哺乳類学会の奨励賞を受賞されました。おめでとうございます。詳細は
http://www.fukuyama-u.ac.jp/life/bio/award2012_sato.html


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