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学長短信(松田文子 学長) 
Rector Statements by Fumiko Matsuda President

「学長短信」は、牟田泰三前学長が始めたもので、福山大学の大学運営を、どのような考えに立って、どのような方針で進めているのか、などについて、学長から教職員の皆さんに伝えるために、メールで届けているものです。

「学長短信」は、学内の皆さんに読んで頂くだけでなくて、大学外の方々にもこれを読んで頂いて、福山大学のことをより多く知って頂きたいと思います。そこで、前学長のものも含め、「学長短信」のバックナンバーを全て福山大学ホームページにアップすることにしました。

学外の皆さんにも、是非この機会に読んで頂きたいと思います。

☆ 学長短信 ☆ No.25 2012.04.03

4月3日の今日は,入学式でした。福山大学自慢の桜はまだつぼみがピンク色になってふくらんできた状態で,おまけに雨模様でしたが,無事入学式を挙行できました。以下が告辞です。

志を高くもって

新入生の皆さん,ご入学おめでとうございます。ようこそ福山大学においでくださいました。福山大学教職員一同,そして在校生一同,新しい仲間を迎えることが出来たことを心から喜び,こころから歓迎します。また,ご臨席のご家族の皆様には,ここまで育て,そして福山大学へと,物心両面でご支援いただきましたこと,こころより感謝申し上げます。新入生とそのご家族の皆様のご期待に十二分に応えて,これから卒業までの期間,新入生の皆さんの広範な人間形成に向け,教職員一同全力を挙げて取り組む所存です。ご家族の皆様には,引き続いての物心両面でのご支援を,よろしくお願いいたします。

福山大学は,今年度創立37年目を迎えます。卒業生総数は3万人あまりで,その中から備後地域を中心に,地域のリーダーや中核となる人材がつぎつぎと輩出しています。創設者による建学の精神は,「人間性を尊重した調和的な全人格陶冶を目指す全人教育」ですが,この精神は,5学部14学科を擁する,人文社会系,理工系,医療系のそろった中国地方唯一の私立総合大学となった今日まで,脈々と続き,私ども教職員が行う教育支援の中心的理念となって受け継がれています。

さて,先ほどはご入学おめでとうございます,と申し上げましたが,昨年は,東日本大震災,福島第一原発事故,あるいは台風12号による集中豪雨と土砂災害等々により,多くの人命が失われ,当たり前に存在していた日常生活が奪われ,本来なら入学式を迎えるはずの若者,家族,教師にとって,それが不可能になってしまっています。私達は,今こうして入学式を滞りなく行い,それを祝うことができると言うことを感謝すると同時に,このたびの震災からの復興と再生だけでなく,社会の将来にわたる持続的な成長と発展を可能にする人材の育成に向けての大学教育を行う責務があります。また,大震災や大事故は,これで終わり,というわけではありません。人類の長い長い歴史から見れば,ほんの最近数百年の間の,科学・技術の爆発的進歩と文明社会の急激な発展は,地球規模で天災と人災の区別を曖昧にして,物質的に豊かではあるが大きなリスクと隣り合わせの生活を,私達にもたらしています。

このような時期に,大学に入学する皆さんは,どの様な人間に育って大学を卒業することを目指して,大学で学ぶべきなのでしょうか。目指すは,「ある専門領域での熟達者」と思っていませんか。それは正しい答えでしょう。しかしこれからの皆さんは,「ある専門領域での熟達者」であるだけでは不十分です。さらに,他の多くの未知の領域については,知的な初心者(intelligent novice)になる必要があります。知的初心者というのは私の専門である心理学の用語なので聞き慣れないかもしれませんが,「知らないということを知っている知的な挑戦者」と言い換えればわかりやすいでしょうか。すなわち,未知の新しい課題にたいして,臆することなく,情緒的に混乱することなく,闇雲に対処することなく,果敢に知的に挑戦できる人のことであり,皆さんにはそのような知的初心者にも,ぜひなってほしいのです。では,どうすれば知的初心者になれるでしょうか。まず皆さんは,大学で新しいことをたくさん学ぶと思いますが,学ぶとき,意識して学び方も学ぶようにしましょう。在学中に身つけた知識と技能がいつまでも有効なわけではなく,卒業後生涯にわたってブラッシュアップしていく必要があります。そのためには学び方を学ぶ必要があるのです。次に,正しい答えのない学びに挑戦しましょう。大学では,問題設定から自分で行う授業も,学年とともに多くなります。そうすると失敗も当然起こりますが,失敗こそ学びの宝庫。失敗をおそれず,失敗したときは,なぜ失敗したかを徹底的に追求し,失敗をプラスに転じることにより,失敗から立ち直り失敗を超える方略を学びましょう。また,自分とは価値観の違う人と多く接し,互いに理解し合って建設的な解決策にいたるようにコミュニケーションすることを体感し学びましょう。本学の総合大学としての強みが生かせます。

こうして皆さんは,大学の学びの中で,すなわち教職員や仲間や地域の人々にある意味守られた学びの中で,ある領域の熟達者になるだけでなく,未知の領域に挑戦できる知的初心者に育ってください。そうすれば卒業後,大きなリスクと隣り合わせの高度文明社会の中に出ていき,次々と新しい難問にぶつかったとき,たとえそれが大学で学んだことがそのまま適用できる問題でなくても,速やかにその事態から学んで知的に対処できるはずです。さらにある領域の熟達者としての能力と未知の領域における知的初心者としての能力は,将来,自分のためにのみ使うのではなく,家族のため,隣人のため,見知らぬ人々のため,社会のために使うのだという,高い志をもって学ぶことが,東日本大震災の時代に生きている私たちと皆さんに課せられた義務でもありましょう。

以上,新入生の皆さんの実り多い大学生活をこころから願い,そして私達教職員は惜しみなくそれを支援することをお約束して,入学式告辞とします。

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別件のよい知らせです。本学のメディア情報文化学科の学生が,ACジャパン第8回公共広告CM学生賞「奨励賞」を受賞しました(応募作品数154編)。4年連続入賞の快挙です。おめでとうございます。
もう1件別件です。

本学6年制薬学部の1期生が受験した第97回薬剤師国家試験の成績が3月30日に発表されました。本学は144名受験し136名が合格しました。合格者の皆さんおめでとうございます。

本学の新規卒業生の国家試験合格率は94.4%であり、全国の薬系大学66校の平均値95.3%とほぼ同じでした・・・と一見月並みな成績に見えますが・・・薬学6年制の1期生は、平成18年入学時に全国で約12000人の学生がいましたが、その後スムースに進級・卒業した第97回国家試験受験者は8584名にすぎず、そのうち国家試験合格者は8182名となっています。 即ち、入学時の学生数と較べた国家試験合格率(一般には真の合格率と称されています)は全国では平均70.8%でした。本学1期生は入学時には170名でしたから、真の合格率は80%で、この値は全国8位,中国四国地区の大学では1位の優秀な成績です。

このような立派な成績を修めた学生たちの努力をまず賞するべきですが、他大学と較べて低学年から高学年までの進級や卒業での落伍者が少なかった本学薬学部の教育システムも高く評価されるべきでしょ
う。


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